健康情報のメモ

食品中のカドミウムと健康影響

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
  1. カドミウムとは?
  2. カドミウムの健康影響
  3. カドミウムが含まれている食品
  4. カドミウムの摂取量と規制
  5. 多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス

カドミウムとは?

・カドミウムは、鉱物中や土壌中などに天然に存在する重金属。

カドミウムの健康影響

・自然環境中のカドミウムが農畜水産物に蓄積し、それらを食品として摂取することで、カドミウムの一部が体内に吸収され、主に腎臓に蓄積する。
 
・カドミウム濃度の高い食品を長年にわたり摂取すると、近位尿細管の再吸収機能障害により腎機能障害を引き起こす可能性がある。
 
・鉄欠乏の状態では、カドミウム吸収が増加するという報告がある。
 
・カドミウム中毒の事例としてイタイイタイ病があるが、低濃度の摂取でイタイイタイ病が発症することは考えられない。
 
・日本における食品からのカドミウムの摂取状況及び国内食品中のカドミウムの含有実態を勘案した結果、一般的な日本人における食品からのカドミウム摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。

カドミウムが含まれている食品

・カドミウムは土壌又は水など環境中に広く存在するため、米、野菜、果実、肉、魚など多くの食品に含まれている。
 
・日本においては米から摂取する割合が最も多く、日本人のカドミウムの1日摂取量の約4割は米から摂取されているものと推定されている。
 
・たばこの煙の中にはカドミウムが多く含まれている。仮にたばこに含まれるカドミウム(約1~2μg/本)の約10%が喫煙により肺に吸入され、さらに、吸入されたカドミウムの約50%が体内に吸収されるとすると、1日に20本喫煙する人は、毎日約1~2μgのカドミウムを吸収すると推定される。
 
●食品摂取時の注意
 
・一般的な日本人における食品からのカドミウム摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。
 
・軟体動物(貝類、たこ、いか)、甲殻類(かに、えび)の内臓にカドミウム濃度の高いものが認められており、これらを原料として用いた加工食品である塩辛類の一部にはカドミウム濃度の比較的高いものが認められている。(古くから食されてきたものであり、通常の食生活において健康に悪影響を与える可能性は低いと考えられる)

カドミウムの摂取量と規制

●カドミウムの摂取量
 
・WHOが公表している世界の各地域の食品の消費量とカドミウム濃度から得られた地域ごとの平均的なカドミウム摂取量は2.8~4.2μg/kg体重/週。
 
・日本人の日常食からのカドミウムの1日摂取量は、21.1μg(成人の平均体重を53.3kgとすると2.8μg/kg体重/週)で、世界的には比較的低い状況。
 
・耐容週間摂取量 7μg/kg体重/週
 
●カドミウムの規制
 
・国内では、食品衛生法において、米、清涼飲料水及び粉末清涼飲料にカドミウムの基準値が設定。

多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス

※多目的コホート研究(JPHC Study)とは?
●食事からのカドミウム摂取量とがん罹患との関連について
 
・国際がん研究機関(IARC)によると、動物実験やカドミウムを扱っている労働者(職業性曝露)またはカドミウム汚染地帯の住民の高濃度曝露データに基づき、カドミウムはヒトに対して発がん性のある物質(グループ1)と分類されている。
 最近、一般住民を対象とした研究で、尿中カドミウム濃度が高いとがん死亡リスクが高くなる報告や、カドミウム摂取量が多いと子宮体がんのリスクが高くなる報告が続いた。
 食事からのカドミウム摂取量と、その後の、全部位及び主要部位別にみたがん罹患との関連を調べた。
 
○結果
・全がんリスクと、カドミウム摂取量の関連は見られなかった。
 さらに、各部位別がんリスクについても調べたところ、男性の胃がんと膵がん、女性の腎がんと子宮体がんでリスクの上昇がみられたが、いずれも統計学的有意な関連ではなかった。
 
○推察
・先行研究では、職業によるカドミウム曝露と肺がんとの関連が多く報告されているが、職業性曝露は濃度が高いことと曝露経路が吸入(肺から吸収)であることが、今回の研究と大きく異なっている。

モバイルバージョンを終了