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ミトコンドリアの構造、数
・ヒトの場合、臓器によっても違うが、一つの細胞におよそ100~3000個のミトコンドリアが入っている。 ・多くの場合、ミトコンドリアは核の近くに存在する。 ・細胞の中で細胞骨格に沿ってダイナミックに動いており、互いに融合や分裂を繰り返す。 ・ミトコンドリアDNAは環状で、ヒストンとは別のタンパク質と一緒になっているだけでヌクレオソーム構造を取っていない。 ・核DNAのように核膜のような膜に覆われていなく、染色体を形成するクロマチン構造も取っていないので、周囲の活性酸素などから攻撃を受けやすい。 →核DNAと比べて5~10倍も変異が激しい。 ・ミトコンドリアの中には複数のミトコンドリアDNAが存在している。 →基本的にどれも同じだが、活性酸素などの影響でどれかに変異が起こってしまった場合、それが次世代の細胞にどのように受け継がれてゆくかがミトコンドリア病の発症に大きく関わっている。 ※参考資料『瀬名秀明,太田成男(2007)ミトコンドリアのちから 新潮社』
ミトコンドリアタンパク質の大移動
・核内にあるミトコンドリア遺伝子がコードするタンパク質は、ミトコンドリアの外、すなわち細胞質ゾルで合成される事になる。 →細胞質ゾルで合成されたタンパク質は、ミトコンドリア内に移動する。 ・タンパク質は非常に大きな分子で、脂質が主成分の膜を簡単には通過することができない。 以下の二つの方法で通過する。 ①膜上でタンパク質が合成される場合、アミノ酸の鎖が丸まって大きくならないうちに合成された部分からどんどん膜を押し通されていく。 ②細胞質ゾルで合成されたタンパク質は、合成されるとすぐにシャペロンと呼ばれるタンパク質が寄り添い、解けた状態のまま保たれる。 →シャペロンはミトコンドリアタンパク質を一本の糸のように引き伸ばしたまま、ミトコンドリアへとエスコートする。 →ミトコンドリアタンパク質の先端にはシグナル部分があるので、これをミトコンドリア膜上の受容体に結合させる。 →これによってタンパク質はミトコンドリア内に入り込むことができる。 →ミトコンドリア内には別のシャペロンがいて、入ってきたタンパク質を本来の姿になるように折りたたんでいく。 ※参考資料『瀬名秀明,太田成男(2007)ミトコンドリアのちから 新潮社』