健康情報のメモ

睡眠に関する豆知識

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
  1. カフェイン、コーヒー
  2. 喫煙
  3. アルコール
  4. 発熱、脳の熱さ
  5. 睡眠薬
  6. 視覚情報と頭脳労働
  7. 異なる睡眠のタイプを上手に取る
  8. ネットニュースによる関連情報

カフェイン、コーヒー

・カフェインはアデノシンの拮抗薬として働く。
 
※アデノシン
・睡眠物質。覚醒時間が長くなるほど脳脊髄液中にたまっていき、眠気を引き起こす。
 
※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』

 

・覚醒中に蓄積して眠気や睡眠を促進する天然の脳内物質アデノシンに拮抗し、眠気を取り除いてくれる。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

 

・カフェインはアデノシンの受容体をふさぐ事によって、睡眠をコントロールする神経伝達物質の正常な活動を邪魔する。
 アデノシンはエネルギー消費の副産物で、日常の活動によって蓄積していく。アデノシンの蓄積は疲労を感じさせるが、カフェインがその受容体をふさいでしまうとその効果を発揮できなくなる。
 
※参考資料『ペネロペ・ルイス(2015)眠っているとき、脳では凄いことが起きている インターシフト』

喫煙

・ニコチンによって交感神経の活動が高ぶり寝つきが悪くなる。その効果は長いときは2時間くらいも持続する。
・タバコには、心臓の血管を細くしてしまう作用があり、とくに就寝前の一服は狭心症や不整脈の原因となる。
・睡眠時無呼吸症になるリスクが、非喫煙者の2.5倍も大きいという報告もある。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

アルコール

・アルコールは生体リズムを壊し、睡眠の質を悪くするという報告がある。
・寝つきはよくするようだが、深い睡眠を減らし、体内時計の働きを弱め、時差ぼけ状態にしてしまう。
・慣れがでてきて、酒量が増えてしまうことがある。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

 

●アルコールによる睡眠導入の問題点
 
・強い常習性があって、一般的にほとんどの身体システムに悪影響を及ぼす。
・アルコールで引き起こされた睡眠は、はじめのうちは比較的良好だが、そのうち何度も目が覚めるようになり、普通より多く夢を見て、とくに悪い夢を見る割合が高くなることが多い。常習者では、これに頭痛と口の渇きが加わることがある。
 
●GABA
 
・抑制系の神経伝達物質で、反応のスイッチを切ったり、弱める傾向がある。
・覚醒系が出す警戒信号の影響を弱めるので、睡眠には欠かすことができない。
・アルコールはGABAの阻害信号を強め、覚醒系の上行性網様体賦活系(ARAS)のスイッチを切るのを助けて、ノンレム睡眠に落ちられるようにする。
 
※参考資料『ペネロペ・ルイス(2015)眠っているとき、脳では凄いことが起きている インターシフト』

発熱、脳の熱さ

●免疫、サイトカインと睡眠
 
・白血球からサイトカインが放出され、傷を治す一連の反応の引き金となる。
体にばい菌が入るとインターフェロンガンマというサイトカインが産生され、体は発熱し、この発熱によってばい菌が死滅する。
 ↓
サイトカインが脳に作用して睡眠を誘発する作用を持つので、発熱すると眠くなる。
 
※参考資料『星作男(2010)睡眠という摩訶不思議な世界の謎を解く シーアンドアール研究所』

 

●脳の熱さと睡眠
 
・身体が熱ければ脳も熱くなり、脳のすべての活動とくに大脳皮質の活動が加速され、大脳皮質を一層激しく働かせることになる。その結果、睡眠中に大脳皮質の回復が一層必要になり、より深い睡眠となる。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

睡眠薬

●睡眠薬のメリット、デメリット
 
・睡眠薬はだんだん効かなくなり、依存症になってしまうと思っている人もいるが、医師の指示に従って正しく服用すれば、アルコールよりもはるかに安全。
・長期に服用すると、依存症になってしまったり、ふらつきや転倒を引き起こしたりすることがある。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

視覚情報と頭脳労働

・たとえぼんやりしていても、人は眼を覚ましてさえいたらその大脳皮質は忙しく、"密かな準備状態"の中で活動を待機している。
 あらゆる感覚から脳への入力中の三分の一以上は視覚から来る。
 真の"大脳皮質への負荷"は、受動的にテレビを観るとかカラフルな雑誌を眺めるとか、試験を受けるとかいうのから来るのではなく、次々と変化する環境の中を歩き、種々の感覚(特に視覚)から来るあらゆる情報を吸収し、それらすべての"意味を理解する"ことに由来する。ウィンドウショッピング、観光、美術、ギャラリーなど。
 外出して動き回ることは、身体、筋肉、肺、心臓などにとって健康的な運動となるだけでなく、屋内で座っているときに比べれば神経にとってもずっと豊かな刺激となるため、大脳皮質を働かせてよい状態を保つ事になる。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

異なる睡眠のタイプを上手に取る

・レム睡眠は、嫌な気分を鎮めてくれるかもしれない。
・徐波睡眠(ノンレム睡眠の一部)は、新しく学習した記憶を強化してくれるかもしれないので、試験勉強の最中には効果的かもしれない。
・午前中のうたた寝はレム睡眠に入りやすく、午後遅い時間のうたた寝は徐波睡眠になりやすいので、これをうまく利用する。
 
※覚醒時間が長くなると脳が徐波睡眠を求め、ノンレム睡眠の段階1,2は短時間ですませて徐波睡眠に入りやすい。
 
※参考資料『ペネロペ・ルイス(2015)眠っているとき、脳では凄いことが起きている インターシフト』

ネットニュースによる関連情報

●寝酒で睡眠調節能力が乱れる?
 
・アルコールは人の睡眠恒常性に影響し、睡眠を促進することを発見した。
・睡眠恒常性によって、人が目を覚ましている時間により体に必要な睡眠とのバランスをとっている。睡眠が不足すると、身体は睡眠の必要度を高める天然の睡眠調節物質であるアデノシンを生成する。早い時間に寝ると睡眠恒常性がずれ、夜中や早朝に目を覚ます。
・アルコールは睡眠を混乱させ、睡眠の質を低下させる。そして、利尿作用もあるためトイレに頻繁に行くようになり、朝早く目が覚めてしまう。

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