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レム睡眠と夢
・奇妙な内容で、感情をともなうようなストーリーが多い。 ・自分がなんらかの運動をしている事が多い。 ←レム睡眠時に脳幹の運動に関わる部分が活動しているため。 前頭前野外背側部の機能が低下しているので奇妙な内容になる。(前頭前野外背側部が機能しないと、見ている現象に対して反省するとか、整合性が取れない事に対して疑問に思う事ができなくなる。 ・夢はたいてい視覚的なものであり、ほかの感覚を伴うことは少ない。 →一次視覚野は活動が停止しているが、高次視覚野は活発に活動していて、この部分で視覚イメージがつくられているためと考えられる。 ・夢の中では、思考も過去を思い出すこともできない。ただ、体験と感情があるだけ。 ※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』
●夢と脳の活動 ○活性化合成理論(ホブソン、マッカーレー) ・アセチルコリンの急激な分泌が脳の感情中枢を刺激する一方で、セロトニンやノルアドレナリンの減少が理性・記憶・注意を司る脳領域を抑制する。 ・ホブソンによると、レム睡眠時の夢は、脳幹に存在する構造体である橋が伝えるランダムな情報のごちゃまぜから何とか意味のある物語を組み立てようとして、不完全ながら脳が最大限努力した結果なのだという。 ※参考資料『スコット・O.リリエンフェルド(2014)本当は間違っている心理学の話 化学同人』
ノンレム睡眠と夢
・浅いノンレム睡眠のときには夢を見ている。 ・多くはシンプルな内容。 ※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』
予知夢
・気にかかっている事は、大脳辺縁系によって強く意味づけされる。 レム睡眠中に大脳辺縁系が活性化され、恐怖や不安のイメージが作られ、記憶の断片のつながりである夢に影響を与えているなら、関連する夢を見ることも考えられる。 ※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』
夢遊病
・深いノンレム睡眠中に起こる。夢とは関係ない。 ・ノンレム睡眠中には感覚系は正常に機能しているから障害物を避ける事ができる。 ・深いノンレム睡眠状態と一部の脳機能の部分的覚醒状態が混在した状態。 ・スポーツなどで無意識に身体が反応したといった場合があるように、本質的には運動に意識は必要ない。 →覚醒時は、前頭葉が適切な運動パターンを選択し、それを実行している。逆に前頭葉の介入なしに最適な運動パターンを選んで実行するようになるのが運動の上達とも言える。 ・言葉を発するのも運動で、寝言も夢遊病に近い。言語機能が前頭葉の管理下を離れて活動している状態。 ※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』