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肌の老化、しわ
※皮膚のしわと熱ショックタンパク質(HSP)との関連については以下の記事参照。
紫外線、皮膚のしわと熱ショックタンパク質(HSP)
紫外線、皮膚のしわと熱ショックタンパク質(HSP)
・ストレスを感じると糖質コルチコイドという、肌コラーゲンの分解を引き起こすと言われているホルモンの分泌につながる。 ・ビタミンAは肌コラーゲンの合成を促進する可能性がある。クリームよりも経口投与の方が効果が高い? ※参考資料『デイヴィッド・ベインブリッジ(2014)中年の新たなる物語 筑摩書房』
●皮膚が薄くなる ・年をとると角質が厚くなる一方、表皮と真皮が薄くなって皮脂腺の活動が低下する。 ・主な原因は、加齢に伴うヒト成長ホルモン(HGH)の減少。 ○HGHの効果 ・HGHは皮膚構造の下になるタンパク質の生合成を増やす。 ・動物実験では、HGHによって皮膚の強さとコラーゲン量が増し、若い皮膚に特徴的な張り(弾力性)を取り戻した。 ○性ホルモン ・男女とも加齢に伴う性ホルモンの減少に対抗することが不可欠。 そうすることが皮膚の弾力性と張りを保ち、ちりめんじわを薄くし、適切な皮脂産生を維持することに役立つ。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
※成長ホルモンについては以下の記事参照。
成長ホルモン
●皮膚 たるみ、しみ、しわ、そばかす ・皮膚の老化の原因は、皮膚のタンパク質であるコラーゲンが長い間、体温で加熱されたり、太陽の紫外線で破壊されたりして、AGE化されることによって起きる。 ひとたび変質して弾力性を失うと、たるみやしわが起こる。 長く体内で加熱され、メイラード反応が起き、しみ、そばかすの変色が起こる。 ・太陽光線が加わるとAGE化はさらに促進される。紫外線は酸化反応を促進させる。酸化反応は糖化反応とあいまって、一気にメイラード反応を推し進め、AGE化を加速させる。 ※参考資料『山岸昌一(2012)老けたくなければファーストフードを食べるな PHP研究所』
白髪
・白髪になり始める年齢と進行はほぼ完全に遺伝とされる。 ・白髪の進行を食い止める対策はほとんどない点で、肌の老化とは異なる。 ※参考資料『デイヴィッド・ベインブリッジ(2014)中年の新たなる物語 筑摩書房』
多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス
※多目的コホート研究(JPHC Study)とは?
●ビタミンC摂取と老人性白内障発症の関係について ・対象者をビタミンCの摂取量でグループ分けし、アンケート調査における老人性白内障発症リスクを比較した。 ○結果 ・ビタミンCの摂取量が多くなるにつれて、発症リスクが低くなる傾向が見られた。ビタミンCの摂取量が最も多いグループの発症リスクは、最も少ないグループに比べ、男性で0.65倍、女性で0.59倍。 ○推察 ・欧米では、ビタミンCなどの抗酸化栄養素の摂取と老人性白内障発症率との関係について調査した追跡研究が多数存在しており、食事からのビタミンC摂取により老人性白内障の発症率が低下することが報告されていた。 しかしながら、サプリメントの使用を調べた前向き研究や、ビタミンC補給による無作為化比較試験では、必ずしも白内障予防効果が示されているわけではない。 ・加齢による水晶体の混濁は、水晶体を構成するタンパクが酸化によるダメージを受けることが主な原因であると考えられている。 食事から摂取されたビタミンCによって、眼組織のアスコルビン酸濃度が高くなり、加齢による水晶体のダメージを予防することが、実験で示されている。
●肥満度(BMI)と老人性白内障発生率との関係について ・肥満度(BMI)と老人性白内障発生率との関係を調べた。 ○結果 ・BMIが21未満のやせているグループと23以上の太っているグループで、男女ともに発症リスクが高くなるU字型の傾向がみられた。 BMIが21.0-22.9のグループに比べ、BMIが最も低いグループの発症リスクは、男性で1.29倍、女性で1.23倍、BMIが最も高いグループの発症リスクは、男性で1.15倍、女性で1.19倍高くなっていた。 ○推察 ・欧米では、肥満により老人性白内障の発症率が上昇することが報告されている。一方、栄養状態が不良な国に居住する人々を対象とした研究では、低栄養や痩せにより老人性白内障の発症率が上昇するとの報告もある。 ・加齢による水晶体の混濁は、水晶体を構成するタンパクが酸化によるダメージを受けることが主な原因であると考えられている。肥満による酸化ストレスの増加や、低栄養に伴う抗酸化栄養素の摂取不足が影響しているのではないかと考えられる。 ・米国女性を対象とした食生活と白内障発症リスクの関係について調査した最新の追跡研究によれば、米国食事指針を順守して健康的な食生活を送っていた女性は、白内障の発症率が低くなっていたことがわかっている。
ネットニュースによる関連情報
●食事からのビタミンC摂取で白内障の進行が減少? ・ベースライン測定時には、ビタミンCが豊富な食事は、白内障リスクの20%低下と関連していた。10年後、より多くのビタミンCが豊富な食品を摂取すると報告した女性は、白内障の進行のリスクが33%低下していた。 ・ビタミンCが白内障の進行をどのように抑えるかは、抗酸化剤としての強さと関連するかもしれない。通常、眼の内部の流体には、酸化でレンズが濁るのを防ぐのに役立つビタミンCが多いが、食事からのビタミンCがより多いほど、レンズの周りの流体中に存在する量を増やせるので余計に保護できる、と考えられる。 ・今回の結果では、ビタミンのサプリメントではなく、食べ物を通しての栄養の摂取に関連していた。
●肌の老化と紫外線暴露、遺伝子パタンの発現との関連 ・日光暴露下の皮膚と、日光の影響を予防した皮膚で比較すると、ある種の遺伝子的変化が光学的加齢性によって起こされている様子がわかったという。 →紫外線曝露が一般に言われているとおり皮膚の老化を促進してしまうということを確証。 ・年齢の割に若く見えるといわれる女性の遺伝子発現パタンは、実際に若い年齢の女性の遺伝子発現に似ている状態が見られたという。 年齢よりもずっと若く見える女性の皮膚は、ミトコンドリア構造と代謝性の遺伝子発現が皮膚組織全般に高く見られていて、この遺伝子発現は顔の皮下のバリア機能や真皮再生機能などにも関連していたという。 →この結果は、ある種の遺伝子発現が関連していて、皮膚が若く見えるのは、その皮膚自体が実際に若い皮膚と同様に機能しているからのようである。 ・研究者によれば、重要なことはどの遺伝子を持っているか、ということではなく、どの遺伝子がスイッチオフになったかということなのだという。 色々な要素が肌の老化に関連している様なのだが、特定の遺伝子発現パタンが女性に見られる事が年齢に比べてより若く見えるようになるカギであると言う。
白内障
●白内障 ・水晶体は、クリスタリンというタンパク質でできている。水晶体がAGE化されると濁ってくる。さらに進行すると黄色くなる。メイラード反応。 ・普通の人は70歳くらいから白内障の症状が出てくるが、糖尿病の患者は50歳ぐらいから症状が出てくる。 ※参考資料『山岸昌一(2012)老けたくなければファーストフードを食べるな PHP研究所』
●ビタミンCとの関連 ○症例対象研究 ・2件の症例対照研究の結果は、300mg/日を超えるビタミンCの摂取によって白内障形成リスクが70%~75%低下することを示している。 ○スウェーデンのコホート研究 ・49~83歳のスウェーデン人女性24,593人を対象。 ・ビタミンCサプリメントの使用が加齢による白内障発症リスクの25%上昇と関連していた。 ○臨床試験 ・ある試験では、1日120mgのビタミンCおよび30μgのモリブデンのサプリメントを5年間摂取した中国人の成人において、白内障リスクの有意な低下はみられなかった。 しかし、180mgのビタミンCと30μgのモリブデンに他の栄養素を組み合わせたマルチビタミン/ミネラルサプリメントを摂取した65~74歳の成人では、プラセボを摂取した成人と比べ、核性白内障の発症リスクが43%有意に低下した。 ・AREDS試験で500mgのビタミンC、400 IUのビタミンEおよび15mgのβ-カロテンのサプリメントを平均6.3年間にわたり摂取した高齢者では、プラセボを摂取した高齢者と比較して、白内障の発症および進行リスクに有意な低下はみられなかった。 これらの知見は、500 mgのビタミンCを含む処方で試験を実施したAREDS2試験でも確認された。 ※参考情報 ビタミンC | 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業