健康情報のメモ

腸内細菌と食事の関係

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
  1. 食事の種類と腸内細菌
  2. 食物繊維摂取と短鎖脂肪酸
  3. オリゴ糖、プレバイオティクス
  4. プロバイオティクス
  5. 抗生物質の服用とプロバイオティクス
  6. ネットニュースによる関連情報

食事の種類と腸内細菌

※食事の種類、腸内細菌の組成、肥満との関連については以下の記事参照。
腸内細菌と生活習慣病(肥満、がん、動脈硬化、糖尿病など)の”腸内細菌の組成比と肥満”
・ヒトが食べたものの一部は、ヒトゲノムの遺伝情報でつくられる酵素によって分解されて小腸で吸収される。
→残りの多くは消化されずに大腸に送られる。
→大腸には微生物集団が待ち構えていて、微生物自身の酵素を使って残り物を分解する。
→微生物は自分に必要なものを吸収したら、さらなる残り物を出す。
→この残り物の分子と水分が大腸に吸収されて血液中に入る。
 
●食事の種類と腸内細菌
 
・植物性食品に富む食生活は、痩せ型の腸内細菌を育てる。
・穀類や豆類、果物、野菜等の植物性食品を食べると、植物の細胞壁を分解できるタイプの細菌を急速に増やした。
・肉や卵、チーズなどの動物性食品を食べると、植物好きの細菌を失い、たんぱく質を分解し、ビタミンを合成し、炭化した肉に含まれる発がん物質を解毒するタイプの細菌を増やした。
・日本人の多くは、海藻に含まれる炭水化物を分解するポルフィラナーゼという酵素をつくる遺伝子をもつ細菌(バクテロイデス・プレビウス)を腸内に棲まわせている。
 
●炭水化物の摂取と腸内細菌
 
・炭水化物の働きは、その炭水化物に含まれる分子の種類に大きく左右される。
分子によって吸収するカロリー量、腸内で繁栄する微生物の種類、食欲や脂肪として蓄積するエネルギーの量、蓄積したエネルギーを使う速度、細胞内で起こる炎症の度合いまで変わる。
・重要なのは、それが小腸で吸収されるか、短鎖脂肪酸に変換された後、大腸で吸収されるかに関わっている。
 
●西アフリカのブルキナファソの子どもとイタリアのフィレンツェの子どもの比較
 
・イタリアの子どもにはフィルミクテス門の細菌が多く、ブルキナファソの子どもにはバクテロイデーテス門の細菌が多かった。
・ブルキナファソの子どもでは、腸内細菌の半分以上がプレボテラ属の細菌で、20%がキシラニバクテル属の細菌だった。イタリアの子どもの腸には前記二つの細菌は全く見つからなかった。
・前記二つの細菌は、植物の細胞壁を形成しているキシランとセルロースを分解する酵素をつくる遺伝子がある。
・二つの集団で脂肪摂取にはそれほど大きな違いはなかった。
・二つの集団の食事の摂取量で明らかに違っていたのは食物繊維だった。2~6歳のイタリアの子どもが食事で摂取する食物繊維は2%に満たないのに対し、ブルキナファソでは6.5%と3倍以上。
 
○食物繊維の摂取量
・イギリスの成人は、1940年代には1日およそ70gだったが、今では20gに落ち込んでいる。
 
※参考資料『アランナ・コリン(2016)あなたの体は9割が細菌 河出書房新社』

 

●腸内細菌の食事による影響
 
・植物由来の食物のみ、動物由来の食物のみといった食事への切り替えは、細菌叢に変化をもたらすことが分かっている。しかし、それは食事を変えた期間しか持続しなかった。
 
※参考資料『マーティン・J.ブレイザー(2015)失われてゆく、我々の内なる細菌 みすず書房』

 

・肉類に含まれる動物性タンパク質は悪玉菌のエサになり、腸内腐敗を促す。
 動物性タンパク質が腐敗を起こす理由は、まだはっきりしていないが、牛肉のような血の多い肉にはミオシンが多く含まれ、これが悪玉菌のエサになっている。
→肉類を食べるならミオシンの少ない豚肉や鶏肉のほうがよい。
・魚に含まれるタンパク質はあまり腐敗を起こさない。
 
※参考資料『光岡知足(2015)腸を鍛える 祥伝社』

 

●食物繊維摂取の効果
 
・大腸の粘膜に付着した脂肪やたんぱく質をこそげ落として、きれいにしてくれる効果がある。
・善玉菌のえさになるので、善玉菌が増える。
・大豆、ごぼう、ひじき。
 
※参考資料『澤田幸男,神矢丈児(2015)腸が寿命を決める 集英社』

食物繊維摂取と短鎖脂肪酸

※クロストリジウム族の細菌と短鎖脂肪酸の一つプロビオン酸の関連については以下の記事参照。
腸内細菌と精神的ストレス、精神疾患(うつ病、自閉症、ADHDなど)の”自閉症との関連”
●短鎖脂肪酸の作用
 
○腸内細菌が食物繊維を分解して短鎖脂肪酸生成
・重要なのは微生物そのものではなく、微生物が食物繊維を分解するときに出す物質、短鎖脂肪酸。
・代表的な三つの短鎖脂肪酸である酢酸、プロピオン酸、酪酸は、微生物が食物繊維を分解した後、大腸に大量にたまる。
・酪酸を出すのに関わるのは以下の微生物。特定の食物繊維を小さな分子に分解するビフィドバクテリウムや、その小さな分子を酪酸に変換するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ、ロセブリア・インテスチナリス、エウバクテリウム・レクタレなど。
 
○短鎖脂肪酸と免疫との関連
・短鎖脂肪酸は、様々な受容体の"鍵穴"にはまる"鍵"となる。
 その鍵穴の一つに、免疫細胞の表面にあるGタンパク質共役受容体(GPR43)がある。これは、ノックアウトマウスを使った実験で、GPR43がないマウスはひどい炎症を起こすこと、大腸炎や関節炎、喘息を発症しやすいことが分かった。
 GPR43が正常で短鎖脂肪酸(鍵)が無い無菌マウス(微生物がいないので食物繊維を分解できず、短鎖脂肪酸がない)を使って実験すると、やはり炎症系の病気になりやすかった。
・上記実験結果は、GPR43が微生物とヒト免疫系のコミュニケーション経路であることを意味している。
→食物繊維好きの微生物は短鎖脂肪酸という鍵をつくって免疫細胞のドアを開け、自分達を攻撃しないようにというメッセージを伝える。
 
○短鎖脂肪酸と脂肪細胞、肥満との関連
・GPR43は免疫細胞だけでなく脂肪細胞にもついている。
→短鎖脂肪酸の鍵が脂肪細胞のGPR43を解錠すると、脂肪細胞は肥大するのをやめて分裂する。脂肪細胞にとっては細胞分裂するのが健全なエネルギー蓄積法だ。
→さらに、短鎖脂肪酸の鍵でGPR43を解錠するとレプチンが放出され、満腹中枢が刺激される。
 
○短鎖脂肪酸と腸壁の透過性との関連
・酪酸はリーキーガットの謎を埋めるピースかもしれない。
→腸壁の細胞間のタンパク質の鎖をつくる遺伝子の発現量を決めているのは微生物で、酪酸はそのメッセージを伝えている。酪酸を多く出せば出すほど、ヒトの遺伝子は多くのタンパク質の鎖をつくり、腸壁は堅固になる。
 
※参考資料『アランナ・コリン(2016)あなたの体は9割が細菌 河出書房新社』

 

●ヨーロッパ人とアフリカ人を比較した研究
 
・アフリカ人の食事は繊維が多くて糖分が少ないのに対し、ヨーロッパ人はその反対。
・短鎖脂肪酸の違いを調べると、かなり大きな差があった。
→酪酸と酢酸がプロピオン酸より多い方が良い。
プロピオン酸が多いというのは、腸によくない細菌がはびこっていることを意味する。
 
※参考資料『デイビッド・パールマター(2016)「腸の力」であなたは変わる 三笠書房』

 

●短鎖脂肪酸と肥満、糖尿病
 
○肥満を防ぐ役割
・腸に入ってきた食べ物(食物繊維)をバクテロイデスなどの腸内細菌が分解して、短鎖脂肪酸を作る。
→短鎖脂肪酸は、他の栄養分とともに腸から吸収され、血液中に入って全身へ運ばれていき、脂肪細胞にたどり着く。
→脂肪細胞には、短鎖脂肪酸を感知する受容体がついていて、この受容体が短鎖脂肪酸を感知すると、細胞は栄養分の取り込みをやめ、脂肪細胞の肥大化を防ぐ。
 交感神経にも短鎖脂肪酸に反応する受容体があり、感知すると全身の代謝が活性化(心拍数の増加や体温の上昇などがあり、あまった栄養分を燃やして消費させる方向に働く)する。
 
○短鎖脂肪酸を作る菌
・短鎖脂肪酸を作るのはバクテロイデス以外にもたくさん見つかっている。
・どの細菌が肥満防止に一番役立つのか、はっきりと分かっていない。人種や食生活によってどの菌が有効か変わるとも言われている。
 
○糖尿病との関連
・糖尿病の最大の原因とされているのが肥満で、脂肪細胞が肥大化すると、血液中に様々な有害物質を出し、血糖値をコントロールする体の機能を壊してしまうことが知られている。
短鎖脂肪酸は肥満を防ぐ効果があるので、この点で関連している。
・糖尿病患者の腸内フローラでは、短鎖脂肪酸の生産力が落ちていることが分かってきた。
・短鎖脂肪酸には、腸の細胞を刺激してインクレチンと呼ばれるホルモンを分泌させる力がある。インクレチンには、膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促す効果がある。
 
※参考資料『NHKスペシャル取材班(2015)腸内フローラ10の真実 主婦と生活社』

オリゴ糖、プレバイオティクス

●オリゴ糖と腸内フローラ
 
・ショ糖(砂糖)などは果糖とブドウ糖が結びついた二糖類であるのに対し、オリゴ糖は3~10個の糖が結びついた少糖類。
 二糖類は腸内ですぐに単糖に分解され、吸収されてしまうが、オリゴ糖はほとんど吸収されず、腸内のビフィズス菌のエサとなる。
 
・リンゴ、バナナ、ブドウなどの果物、タマネギ、キャベツ、ゴボウ、アスパラガスなどの野菜類にもオリゴ糖が含まれる。含有量はあまり多くないが、これらの食品には食物繊維も豊富なので、相乗作用で腸内フローラの改善が期待できる。
 
・でんぷんは多糖類で200~3000個もの糖が結合しているため、消化に時間がかかり、その分、腸の蠕動運動が促されることで、便通が改善されやすくなる。
 
・食物繊維も多糖類だが3000~50万個もの糖が結合されているため、ほとんど消化できない。
 
※参考資料『光岡知足(2015)腸を鍛える 祥伝社』

 

・オリゴ糖は、ブドウ糖や果糖、乳糖などの単糖類が3~10個つながったもの。
・食物繊維と同様、ヒトは消化・吸収できず、腸内細菌によって処理される。
・オリゴ糖はプレバイオティクスの一つでビフィズス菌のエサとなる。
 ビフィズス菌は、乳酸や酢酸を作り、腸内を酸性にする。その結果、悪玉菌の繁殖が抑えられる。
・オリゴ糖は、ゴボウ、タマネギ、アスパラガス、大豆、ハチミツ、ニンニクなどに含まれている。
 
※参考資料『伊藤裕(2011)腸!いい話 朝日新聞出版』

 

●プレバイオティクス
 
・ビフィズス菌が増えるように、腸という土壌を事前に耕す食品。
①小腸で分解・吸収されない。
②大腸に共生するビフィズス菌の増殖をうながす。
・食物繊維やオリゴ糖が該当。
 
※参考資料『光岡知足(2015)腸を鍛える 祥伝社』

 

●プレバイオティクス
 
・生きた細菌ではなく、有益な細菌の全個体数を増やすよう促す"細菌の餌"。
・難消化性の食物繊維に含まれている。
・フラクトオリゴ糖(オリゴフルクトース)はビフィドバクテリウムとアッカーマンシア・ムシニフィラを増やす。これらの細菌は、腸壁に隙間が出来るのを防ぎ、食欲を抑え、インスリン感受性を高め、減量を助ける。
 
○アッカーマンシア・ムシニフィラの存在量を増やすには?
・アッカーマンシア・ムシニフィラは腸壁を覆う厚い粘液層の表面に棲んでいる。腸壁の粘液層は、腸内微生物が血液中に入り込んで悪さをするのを防ぐ障壁となっている。
・アッカーマンシア・ムシニフィラが少ないと粘液層が薄くなり、LPSが血液中に入りやすくなる。
・バナナやタマネギ、アスパラガスなどに含まれている食物繊維のオリゴフルクトース(フクラトオリゴ糖)をマウスの餌に加えるとアッカーマンシアを増殖させる。
・小麦やライ麦などの全粒粉に含まれる食物繊維の主成分アラビノキシランを加えた餌でも同様な効果があった。
 
※参考資料『アランナ・コリン(2016)あなたの体は9割が細菌 河出書房新社』

プロバイオティクス

●プロバイオティクス
 
・乳酸菌が生きたまま腸に届き、増殖することで腸内フローラが改善。
・生きた菌が含まれる味噌、納豆、ぬか漬け、キムチなども該当するが、実際はヨーグルトや乳酸菌生剤を指していることが多い。
※味噌汁の中には、乳酸菌の菌体成分が含まれているので、毎日摂っていれば腸管免疫を刺激する効果が期待できる
 
●乳酸菌の摂取
 
・毎日摂取することが重要。
・150g程度のヨーグルトでは腸内免疫を刺激させる上では効果が薄い?
ブルガリアの長寿者を調査したメチニコフは、一日に300~500グラムの摂取をすすめていた。
 
※参考資料『光岡知足(2015)腸を鍛える 祥伝社』

 

●プロバイオティクス
 
・プロバイオティクスとは、"適量ならば健康上の利益がある、生きた微生物"のこと。
・プロバイオティクスを摂取したとしても、その細菌の数は腸内に棲息している微生物の数と比べるとわずかなので、どれだけの影響があるのかは分からない。
・抗生物質による治療時に、プロバイオティクスが抗生物質起因性下痢の発生率をかなり下げることが分かった。
→抗生物質によって腸内の良い細菌が喪失された場合、プロバイオティクスによって良い細菌を戻してやれば下痢を防ぐことができる。
 
●ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属の細菌)
 
・高脂肪の餌を与えて育てたマウスの腸内ではビフィドバクテリウムの存在量が減る。
・BMIが高いほどビフィドバクテリウムが少ないのはヒトでも同じ。
・バナナやタマネギ、アスパラガスなどに含まれている食物繊維のオリゴフルクトース(フクラトオリゴ糖)をマウスの餌に加えると、ビフィドバクテリウムは増えた。
 
※参考資料『アランナ・コリン(2016)あなたの体は9割が細菌 河出書房新社』

 

●ラクトバチルス・プランタラム
 
・キムチ、ザウアークラウト、その他発酵野菜に含まれる。
・胃の中でも長く生存し、腸内で様々な働きをして、免疫を最適に保ち、炎症を抑制する。
・腸内細菌の適正なバランスを維持し、また、腸壁を強化し、侵入者が腸壁を弱くして血流に流れ込むのをブロックするサポートをしている。
・すばやくたんぱく質を消化するため、食物アレルギー予防になり、アレルギーが起こったときには治すこともある。
 
●ラクトバチルス・アシドフィルス(アシドフィルス菌)
 
・ヨーグルトなど発酵乳製品に多く含まれる。
・善玉菌と悪玉菌のバランスを保ち、それにより免疫系を支える。
・女性の体内では、カンジダ・アルビカンス菌の増殖を抑え、また、コレステロール値を維持することでも知られている。
・小腸内で、病原菌と戦うアシドフィリン、アシドリン、バクテリオシン、ラクトシディンなどの多くの有益な物質を産出する。
・牛乳を消化するのに必要なラクターゼや、血液を健康に凝固させるビタミンKを生成する。
 
●ラクトバチルス・ブレビス
 
・ザウアークラウトとピクルスはこの細菌の恩恵を受けている。
・細胞の免疫力を高め、キラーT細胞を活性化させて、免疫機能を改善する。
・BDNFの分泌を増加させる効果がある。
 
●ビフィドバクテリウム・ラクティス
 
・ヨーグルトなどの発酵乳製品に含まれ、消化不良の予防や免疫力の向上に有効であることが分かっている。
・下痢を引き起こすサルモネラ菌など、食物由来の病原菌を死滅させるのに役立つことでも知られる。
 
●ビフィドバクテリウム・ロングム
 
・生まれたときに体に住みつく最初の細菌の一つ。
・乳糖耐性を改善し、下痢、食物アレルギー、病原菌の繁殖を防ぐことにも関係している。
・抗酸化作用やフリーラジカルを除去する力があることでも知られる。
・健康なコレステロール値の維持を助ける。
・複数の研究で、結腸のがん細胞の成長を抑え、がんの発症率を下げることが報告されている。
→結腸のpHが高いとがん細胞が成長するが、この細菌が胆汁酸とコレステロール代謝物を生成することでpHを効果的に下げ、大腸がんを予防するのに役立つ。
 
※参考資料『デイビッド・パールマター(2016)「腸の力」であなたは変わる 三笠書房』

 

●漬物と乳酸菌
 
・漬物には"非発酵漬物"と"発酵漬物"とがある。沢庵漬けや白菜漬けに代表される、糠漬け、麹漬け、かぶらずし、なれずしは発酵漬物。
 
・米糠中で乳酸菌や酵母が増殖すると、乳酸、アルコールが生成され、たんぱく質や含硫アミノ酸が分解されて独特の匂いを生ずる。米糠に含まれるミネラルやビタミン類は発酵過程で漬物中に浸透するとともに、発酵に関与する微生物もまたビタミンをつくる。
 
・日本の漬物は、動脈硬化、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病やがん、ダイエットにも有効という報告がある。
 
・漬物が高塩分だったのは昔の話で、最近では、各漬物メーカーは、積極的に塩分の低い漬物の開発を進めている。
 
※参考資料『杉山政則(2015)現代乳酸菌科学 共立出版』

抗生物質の服用とプロバイオティクス

・抗生物質を一日二回服用する処方であれば、抗生物質を朝と夜に服用し、プロバイオティクスを昼食時に摂取する。
 そのときには、必ずラクトバチルス・プレビスを含むようにする。この種の多くは抗生物質に抵抗性があるので、処方された抗生物質の服用期間中でも健康な腸内フローラを維持できる。
 
※参考資料『デイビッド・パールマター(2016)「腸の力」であなたは変わる 三笠書房』

ネットニュースによる関連情報

●魚油、ラード摂取と腸内細菌への影響、健康への効果
 
・ラードを食べたマウスでは炎症を起こす腸内細菌が増殖したが、魚油を食べたマウスでは体重増加を抑えグルコース代謝を改善する腸内細菌が増殖した。
・糞便移植によって、魚油を食べたマウスの腸内細菌叢が、ラードを食べたマウスの健康を改善すること、その逆も成り立つことを確認した。

 

●ヨーグルトの定期的な摂取と健康に関する生活の質(HRQL)との関連
 
・日常的なヨーグルトの摂取量と、SF-12調査から測定された健康に関する生活の質(HRQL)である身体面、精神面の改善との間に関連があるかを検討したところ、定期的なヨーグルトの摂取は、健康に関する生活の質とは関連がなかった。

 

●食物繊維摂取と腸内細菌叢、体重増加との関係
 
・高脂肪高糖分食を食べているラットに対し、プレバイオティックなオリゴフルクトース繊維のサプリメントを投与したところ、食物繊維サプリメント摂取群のラットは、対照群に比べて体重増加量が約3分の1少なかった。
・肥満ラットの腸内細菌叢は食物繊維サプリメントを与えられることで痩せたラットのそれにより類似したものに変化する。腸内ホルモンもまた影響を受け、満腹感を与えるホルモン濃度を上昇させる。

 

●運動と腸内細菌、短鎖脂肪酸との関連
 
・無菌状態のマウスの腸内に糞便サンプルを移植して、運動マウスと座業マウスでの違いを検討した結果、運動マウスの腸内細菌叢では短鎖脂肪酸である酪酸を産生する細菌が増加していた。
・腸内細菌叢の変化をヒトモデルで検討し、座業中心生活をしているヒトの細菌叢を検討、このヒトが活動的になった場合と、再び座業中心性行動に戻ったときでそれぞれその変化を検討した。
 その結果、腸内の短鎖脂肪酸はヒトの腸内でも運動の結果として増加した。また、その濃度は座業中心生活に戻るにつれてまた低下する傾向があった。

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