健康情報のメモ

茎菜類の効用

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  1. たまねぎ
  2. ねぎ
  3. たけのこ
  4. アスパラガス
  5. にんにく


たまねぎの効能の概要

・湿気に弱いので、蒸れないようにする。新たまねぎは水分が多く腐りやすいので保存は難しい。
・ねぎ類共通の強いにおいと、涙を出させる刺激的な成分があるが、いずれも含硫化合物で、血小板凝集阻害作用による血栓や動脈硬化の予防、抗がん作用、抗コレステロール作用、高血圧や糖尿病の改善等、多くの生理作用が確認されている。
・含硫化合物の一種であるアリインは、にんにくと同様にビタミンB1の吸収と効果を高めて代謝を良くする働きがある。
・辛味や刺激成分の多いものほど生理作用も大きい。また、刻んでしばらく空気に触れさせた方が薬理成分が増加する。水にさらしてにおいや辛味を除くと生理作用が弱くなる。
・動物実験で、たまねぎは白血球数を増加させる作用が大きく、免疫力をアップして体の抵抗力を強くすることが報告されている。
 また、腫瘍を壊死させる因子を産生する作用がかなりあることも報告され、抗がん作用を裏付けるものと考えられている。
 アメリカの国立ガン研究所が作成したがん予防効果が期待できる食品リストには、たまねぎが重要度の中級のグループに位置づけられている。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

 

○グルタチオン
・臓器の解毒作用に有効。
 
○硫化アリル
・涙を出させる刺激成分。
・血液をサラサラにする効果がある。
・体内のビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、ビタミンB1の吸収を促進する働きがある。

※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

 

・外側の層にファイトニュートリエントが集中しているので、外側をむき過ぎると成分を逃してしまう。
 
※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』

 

・辛味成分として硫化メチルプロピルを含んでいる。これは血液中のブドウ糖代謝を促し、血糖値を下げる働きがあることが知られている。
 
※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』

アリシン

・たまねぎを切っているときに涙が出てくるのは、たまねぎの細胞からアリシンがもれ出すため。
・アリシンは、体内で胃の消化液の分泌を活発にし食欲を増進させたり、ビタミンB1の吸収を高めたりするなどの働きをしている。
・血液の凝固を遅らせ、血流を改善し血栓を出来にくくする働きがある。これに加えてHDLを増やしLDLを減らす働きがあるため、動脈硬化予防の効果も期待できる。
・アリシンは水溶性の成分のため、水にさらすと溶け出し、さらに加熱に弱い性質を持つので調理の際に注意が必要。切ったたまねぎは15分ほど空気に触れさせてから調理すると、加熱してもアリシンが壊れにくくなると言われている。
 
※参考資料『佐竹元吉(2016)機能性野菜の科学 日刊工業新聞社』

 

・疲れや気持ちを鎮める。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

ケルセチン

※以下の記事も参照。
ポリフェノールの概要、効果、健康影響の”ケルセチン”
・抗酸化物質が豊富で、ケルセチンは多くのがん誘発性因子を、特に胃の中で不活性化し、加えてがんの成育を促進させる酵素を阻害する。
・ケルセチンはまた、LDLの酸化を防ぐ。さらに、ニンニクと同様に、血液の凝固を防いでサラサラにする一助となり、HDLを上げて、中性脂肪とLDLを下げ、これによって脳卒中を防ぐ。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

 

・免疫力を高める抗酸化作用と抗炎症作用を持つフラボノイド、特にケルセチンを多く含む。これらは、血圧を抑え、脳卒中を予防し、大腸がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんのリスクを抑える作用があるとされている。タマネギは、辛いほどがんのリスクを抑える作用があるとのこと。
 
※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』

 

・タマネギの薄茶色の皮には、ケルセチンという黄色色素成分が含まれる。これはポリフェノールの一種で、抗酸化作用に優れ、血管を強化し、がんや老化を引き起こす過剰で有害な活性酸素を除去する働きがある。スープに加えたり、煎じて飲むなどするとよい。
 
※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』

ねぎの効能の概要

・ねぎ類に共通のねぎ臭と涙腺を刺激する成分があるが、このにおい成分の含硫化合物には多くの生理作用がある。
・ねぎには白血球数増加作用があることが動物実験で確かめられている。
・ねぎ類の栄養価を比べると、葉ねぎ(青ねぎ)はカロテンやビタミンCなど栄養成分が多く、含硫化合物は白ねぎ(長ねぎ)の方が多い。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

含硫化合物(アリシン)

・胃液の分泌を促す。
・血行をよくし、からだを温める作用がある。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

 

・ねぎに含まれる硫化アリルには揮発性があり、時間の経過や細かく刻むことでどんどん減っていく。栄養と香りを残すためには、できるだけ使う直前に刻むのが良い。
 
※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』

 

・含硫化合物のアリシンはビタミンB1と結合すると吸収率が高く、効果が持続するB1に変化する。
 豚やレバーなどB1の多い食べ物と一緒に食べるとB1が効率よく利用されることになる。この作用をさらに効率よく利用するには、ねぎ臭がよく出る状態、つまり、ねぎを生で用いてよく刻み、しばらく空気に触れさせてから使うとアリシンが多く出来る。
・ねぎ類の含硫化合物の生理効果はにんにくよりは穏やかであるが、にんにくのようなとりすぎの害はない。
・ねぎ類の生理作用の研究によって、含硫化合物は血栓を防ぐ作用のある物質に変化すること、また、その作用がアスピリンと同じような仕組みであり、さらに風邪に用いると鎮痛・解熱の作用があることから、ねぎ類は天然のアスピリンと呼ばれるようになった。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

たけのこの効能の概要

・生のままおくと固くなり、えぐ味も強くなるので、購入したらできるだけ早くゆでる。ゆでた後かぶるくらいの水に漬けて冷蔵庫で保存すれば一週間ぐらいはもつ。水は毎日かえる。
・アスパラギン酸というアミノ酸が多く含まれている。
・シュウ酸はえぐ味をもたらすだけでなく、体内でカルシウムと結合してカルシウムの吸収を悪くするので、ゆでて減らす必要がある。
 たけのことわかめの組合せは、わかめがカルシウムを補給し、シュウ酸によるカルシウムの利用低下を補うという意味がある。
・たんぱく質が野菜の中では多い。
・カリウムとマンガンが多く含まれる。カリウムは水溶性なのでゆでることによる損失はあるが、大きいままゆでるので、90%ゆでたものに残っている。
・たけのこは一食当たりの摂取量が比較的多いので、カリウムや食物繊維をはじめ、ナイアシンやパントテン酸などのビタミンのよい供給源になる。
 
○アク抜き
・ぬかを用いるのは、ぬか中のカルシウムが、えぐ味成分の一つのシュウ酸と結合してゆで水の方に移行するためと考えられている。
・皮ごとゆでるのは、皮に含まれる亜硫酸塩が、繊維を軟化する作用をもっているため。
・ゆでるとき赤唐辛子を入れるとえぐ味がとれるとして、経験的に行われている。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

 

・食物繊維の一種セルロースがコレステロール値の低下や便秘解消に効果を発揮する。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

チロシン

・切り口にうっすらと出る白い粉がチロシンというアミノ酸でうまみの素になる。
・脳や神経の働きを活発にし、記憶力や集中力を高める。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

アスパラガスの効能の概要

・甘みを含んだ旨味成分はアスパラギン酸。
・グリーンアスパラガスは、B1、B2、E、葉酸などのビタミン、カリウムが比較的多く、栄養価が高い。
 
○保存
・立てて冷蔵。
水平に置くと起き上がろうとするために糖やアミノ酸が消費され、風味が低下する。
 
○調理
・グリーンアスパラガスにはカロテンが比較的多く、ホワイトアスパラガスには少ない。
脂溶性のビタミンなので、ゆでるよりも炒める、揚げるなどの調理法や、脂肪を含む食材と組み合わせると吸収が良くなる。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

 

・穂先の部分には、ルチンが豊富。ルチンはビタミンCとともに働き、血管を丈夫にしたり血圧の上昇を抑えたりする効果がある。
・ルチンもビタミンCも水溶性なので、ゆでた後長時間水にさらすのは避ける。
・ビタミン類やカリウム等、アスパラガスに含まれる栄養は成分が流出しにくいという特徴がある。
 
※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』

 

・ビタミンKが多く含まれる。
・食物繊維、抗がん作用が高いとされるグルタチオン、抗酸化物質であるカルテノイドの一種、ルテインやゼアキサンチンも豊富。
 
※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』

アスパラギン酸

・アスパラガスから発見されたことで命名。
・免疫力を高め、疲労回復、がん予防の効果が期待されている。
・たんぱく質の合成を助け、新陳代謝を活発にする働きがある。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

 

・アスパラギン酸が多く含まれているため、疲労回復やスタミナアップに有効。
 
※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』

 

・アスパラギンは体内酵素アスパラギナーゼにより、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸に変わり、新陳代謝を高め、糖質や脂質をエネルギーに変換する。細胞は回復していき、疲れた体を元気にしてくれる効果がある。
・アスパラギン酸は穂先に多く含まれている。
 
※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』

にんにくの効能の概要

・ビタミンB1の吸収が良くなると、エネルギーの代謝が促進されてスタミナが強化され、疲労物質が早く取り除かれるので疲労回復に役立つ。
・アリシン以外の含硫化合物も発がん物質の無毒化、抗酸化作用などに関係し、これらの多くの作用から、にんにくを食べることによってもガンの抑制や治療に役立つとされている。
・にんにくを丸ごと焼いて食べるなど、加熱しても生理作用があるのは、におい成分アリシン以外にも多くあるためである。
・食べ物としてのにんにくの抗がん性は多くの実験で確認され、アメリカの国立ガン研究所が作成したがん予防効果が期待できる食品リストには、にんにくがキャベツ、しょうが、にんじんなどと同じ最重要品のランクに挙げられている。
・にんにくの含硫化合物には殺菌作用が認められている。とくにアリシンが変化して生じるアホエン(アジョエンとも)などの含硫化合物は殺菌力がある。
・アホエンなどの含硫化合物に抗血栓作用があることが実験で確認されている。にんにくが心臓病によいとされるのはこの作用によるとされている。
・にんにくが血液の粘度を下げてサラサラにすることも実験的に確認されている。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

 

・にんにくからは、S-アリルシステイン(SAC)、S1-プロペニルシステイン(S1PC)、S-アリルメルカプトシステイン(SAMC)などの特徴ある水溶性化合物も、加工することにより生成することが分かっている。
 
SACの薬理作用は、肝障害予防効果、大腸がん予防効果、抗酸化作用、神経細胞の生存促進など多様な報告がある。
 S1PCは腸管の免疫グロブリンの分泌量およびその分泌に関与する細胞の割合を上昇させ、免疫調整作用を有することが報告されている。
 SAMCは、肝臓保護作用や白血病細胞株および前立腺がん細胞などに対してアポトーシス誘導などの報告がある。
 
・近年の研究において、にんにく由来のイオウ化合物が体内での硫化水素や一酸化窒素の生成および相互作用を通じて、血圧効果、心血管障害および動脈硬化症の軽減、免疫機能調整など、生体の恒常性維持の重要な役割を担っていることが明らかになってきた。
 
・にんにくから10種類のサポニンが分離されている。この中で生にんにくに含まれるプロトエルボシドBと呼ばれるサポニンは、加工によりエルボシドBに変わることで抗菌作用や抗発ガンプロモーター活性が認められることが示された。
 
※参考資料『佐竹元吉(2016)機能性野菜の科学 日刊工業新聞社』

 

●ニンニク料理
 
・ビタミンB群とニンニクが、疲れに効くとされるのは、エネルギー不足から起こる疲労に悩んでいた時代の名残に過ぎない。
 3大栄養素を代謝してエネルギーに変えるには、ビタミンB群が不可欠
→ニンニク、ニラ、長ネギ、タマネギなどに含まれているアリシンという成分は、切ったり、潰したり、加熱したりといった調理の過程でアリインという成分に変化する。
→アリインはビタミンB1に結びつくとその効果を持続させて糖質の代謝を安定的に支える。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 2 集英社』

 

・アミノ酸、種々のビタミン類や微量成分、フラボノイド類、酵素や少なくとも200種類の化合物を含んでいる。
・数多くの研究が、ニンニクの免疫増強作用、血糖調整作用、消化障害の予防効果を示している。
 
○心血管系
・研究者らは、中性脂肪、LDLなどの血中脂質値を下げ、HDLを上げることによる、心臓発作の低減効果について記載してきた。
・ロシア人研究者らによると、にんにくの心血管系に及ぼす有用性は心臓の動脈壁に直接作用するものと細胞レベルで間接的に防御作用を及ぼすものの両方からもたらされるとした。
・ニンニクエキスはまた、平滑筋細胞の増殖を抑え、血管反応性を正常化し、運動耐性を改善することが示されてきた。
 
○硫化化合物
・抗菌作用、抗ウィルス作用、抗真菌作用、他の健康的な作用に相応していると考えられる。
・2001年に発表された研究は、アリシンが致死的な院内感染症に有用であることを示唆している。
 
○抗がん作用
・疫学的研究では、常にニンニクを食べていると、食道がん、胃がん、結腸がんが発症するリスクが減るとされている。
・シンらによる研究では、ニンニクとタマネギを多量に摂取している男性では前立腺がん発症のリスクが低かったという。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

 

・ニンニクや他のネギ属の野菜を多く食べる地域では、大腸がんや卵巣がんの比率が低いことが知られている。
 
※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』

 

・代謝を高めて全身の血行をよくし、筋肉の疲れをとる、無臭のスコルジニンという成分を含んでいる。
 
※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』

アリシン

・にんにく特有のにおい成分はアリシンと呼ばれる含硫化合物。アリシンはにんにく中のアリインに細胞中の酵素が作用して作られ、各種の生理作用を持つ。
 アリシンはビタミンB1と結合すると、アリチアミンとうい吸収率が高く持続性のあるB1に変えることが出来る。
・アリシンができるにはアリインに作用する酵素がよく働くことが必要で、そのためには生で使い、刻む、おろすなどして細胞をよくつぶすと効果的。
 B1の多い肉や魚の料理にすりおろしたにんにくを用いると風味がよくなるだけでなく生理作用が増すことになる。
・アリシンはがん細胞を抑制する働きがある。また、にんにくは白血球数増加因子による作用が大きく、免疫力をアップすることが動物実験で確認されている。
 
※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』

 

・強い殺菌力を持ち、風邪予防に働きかける。
・体内でビタミンB1の吸収率を高め、エネルギーを生成するので、体力をつけることができる。
・アリシンは切ってはじめて生まれる。10分置くと酵素反応は活性化され、その後低温の油で加熱すると、スルフィド類というがん予防効果の高い成分を作り出す。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

 

・独特のにおいの成分・アリシンは体内でビタミンB1の効果を高め、慢性的な疲労を回復させる効果がある。
 また、胃腸の粘膜を刺激して消化酵素を健全にし、食中毒を予防する強力な殺菌作用も。ほかにも胃腸の働きを活発にする効果がある。
 
※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』

スコリナジン

・摂取した栄養をエネルギーに変えて新陳代謝をよくする。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

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