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脳のエネルギー原料
・脳細胞のミトコンドリアは基本的にブドウ糖を原料として使用する。 ブドウ糖のほうが少ない酸素で手軽にエネルギーを取り出すことができる。 ・絶食を続けていて使えるブドウ糖がなくなってしまうと、肝臓は脳のために脂肪からケトン体を生成し、脳はこれを使って生き長らえる。 ※参考資料『伊藤裕(2010)臓器は若返る 朝日新聞出版』
糖新生
・脂肪やたんぱく質からグルコースを作り出せる。 ・デンプンや糖質を分解してグルコースを得るよりも多くのエネルギーを要する。 ※参考情報『デイビッド・パールマター(2015)「いつものパン」があなたを殺す 三笠書房』
・食事由来の糖質を分解して得られる血液中のブドウ糖は食後2時間で終了する。その後は、肝臓のグリコーゲン分解が循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源。 ・食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、ブドウ糖の供給源は糖新生に切り替わる。肝臓における新たなブドウ糖産生を"糖新生"と呼ぶ。 ・アミノ酸や中性脂肪の分解物であるグリセロール、ブドウ糖の代謝物である乳酸などからつくられるブドウ糖を血液中に放出してエネルギー源とするもの。 ①脂肪組織→グリセロール→肝臓→糖新生→筋肉および脂肪組織 ②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉および脂肪組織 ③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉および脂肪組織 ・糖新生には糖質は必須ではなく、糖質以外からブドウ糖を生み出すことができる。 ※参考資料『江部康二(2015)江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか? 洋泉社』
ブドウ糖とケトン体
●ブドウ糖エンジンとケトン体エンジン ○従来の考え方 ・脳が使えるのはブドウ糖だけ。 ・脂肪酸は血液脳関門を通過できないので、脳は脂肪酸をエネルギー源として利用できない。 ・ブドウ糖は体内に多量に貯蔵することができないので、食事で炭水化物を摂取するのが重要。 ○ケトン体もエネルギー源として利用されている ・"ブドウ糖が枯渇した状態で脂肪が燃焼するとき"、肝臓でケトン体(アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸)ができ、エネルギー源として利用される。 ○積極的にケトン体をエネルギー源として利用している人もいる ・寝ている間などは主にケトン体をエネルギー源として利用している。 ・心臓や骨格筋は脂肪を分解して代謝? ※参考資料『宗田哲男(2015)ケトン体が人類を救う 光文社新書』
糖質の代謝
・クエン酸回路によるエネルギー代謝は以下の記事参照。
ミトコンドリアによるエネルギー生成と脂肪の燃焼の”エネルギー代謝 クエン酸回路、呼吸鎖、酸化的リン酸化”
ミトコンドリアによるエネルギー生成と脂肪の燃焼の”エネルギー代謝 クエン酸回路、呼吸鎖、酸化的リン酸化”
①解糖系 ・酵素の働きでブドウ糖がピルビン酸へ。この際に少量のエネルギー発生。 ・酸素を使わない代謝 ②酵素の力でアセチルCoAに変化し、クエン酸回路に取り込まれる。 ③クエン酸回路、電子伝達系でエネルギー生成 ※参考資料『近藤和雄(2015)人のアブラはなぜ嫌われるのか 技術評論社』