健康情報のメモ

エストロゲン

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
  1. エストロゲンの概要
  2. 加齢の影響
  3. うつとの関連
  4. エストロゲンの健康への影響


※以下の記事も参照。
●恋愛感情、性欲、愛着

エストロゲンの概要

・エストロゲンは体内で最も強力なホルモンの一つ。
300もの異なる組織がエストロゲン受容体を備えている。これは、体内のエストロゲン濃度が、脳から肝臓や骨へ、組織と器官の広い範囲に影響を与えるということを意味する。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

 

・卵巣以外からも分泌される。標準体重の人の場合、全体の約4割は体の脂肪細胞から分泌されている。
→痩せていて脂肪細胞の少ない人は、脂肪細胞の多い人に比べて、エストロゲンの分泌量が少ない。
→痩せすぎの人は、体脂肪が少なすぎて、生理不順になりやすいと言える。
 
※参考資料『宋美玄(2014)女のカラダ、悩みの9割は眉唾 講談社』

加齢の影響

・女性はエストロゲン、男性はテストステロンというホルモンが減少し、気分が揺れがちになり、活力や好奇心が失われていく。
 
※参考情報『ジョン J.レイティ(2009)脳を鍛えるには運動しかない 日本放送出版協会』

 

●性ホルモンの減少
 
・すべての性ホルモンは老化で低下する。
・女性では、エストロゲンのレベルは閉経で急激に低下する。
・男性では、アンドロゲンの産生は30歳あたりで低下し始め、性的関心や行為のゆっくりとした低下を感じさせ、その状態は男性更年期と呼ばれる。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

うつとの関連

※産後うつについては以下の記事参照。
月経前症候群(PMS)、更年期障害、ホルモン補充療法の”妊娠、産後、授乳時の不調”
●エストラジオール(エストロゲンの一種)と抑うつ状態
 
○ニューヨーク州立大学の精神医学教授ウリエル・ハルブライヒ
・エストラジオールが抑うつ状態を予防することを見出した。
・ハルブライヒは、エストラジオールがセロトニンの調節を助けるのではないかと考えている。
・研究対象となった閉経後女性のうち、とくに抑うつ状態に悩まされていた人たちは異常にセロトニン濃度が低かった。
 ところが、プロザック(脳内のセロトニンの取り込みを促進して抑うつ症状を和らげる薬)を与える代わりにエストラジオールを処方しても同じ効果が得られ、抑うつ状態が解消しだした。
 
○スコットランドのエジンバラに医療研究審議会のジョージ・フィンク
・卵巣を摘出したラット数匹にエストラジオールを処方すると、その日のうちに脳内に新たなセロトニン受容体ができることを見出した。
 
※参考資料『デボラ・ブラム(2000)脳に組み込まれたセックス 白揚社』

エストロゲンの健康への影響

●がんとの関連
 
がんと生殖要因、ホルモン、環境の関連
乳がんの概要と予防方法の”原因、リスク要因”
子宮体がんの概要と予防方法の”原因、リスク要因”
がんとエピジェネティクス、環境ホルモン、環境と薬の作用の”抗ホルモン剤とゾレドロン酸”
 
●月経前症候群(PMS)、更年期障害
 
月経前症候群(PMS)、更年期障害、ホルモン補充療法
 
●骨粗しょう症
 
骨粗しょう症の”骨粗鬆症発症の要因”
●エストロゲンの脳への影響
 
・神経細胞を刺激して新しいシナプスの形成を促し、シナプスを刺激して新たな枝を生えさせる。さらに新しい神経細胞の成長を促進し、フリーラジカルの破壊的効果から細胞を守る。
・エストロゲンがアセチルコリンを増加させ、記憶が向上?
・メスのラットの海馬の神経細胞新生を刺激。
・アルツハイマー病では、エストロゲンが興奮毒性と呼ばれる矢継ぎ早の細胞死から細胞を守っている。
・アルツハイマー病の特徴であるβアミロイドの作用からも脳を守る働き。
 
※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』

 

●エストラジオールの健康への影響
 
・ハーバード医学部、ブリガム婦人病院の研究では、エストラジオールの補充療法が心臓病の発症率をほぼ半減させることをつきとめた。
・合衆国農務省の研究によるとエストラジオールは血小板の活性を抑え、不要な場所で凝集・凝固が起きないようにするらしい。
・善玉コレステロールの血中濃度を上げるという証拠もある。
・閉経期になると、それまではほとんど男性だけに見られた心臓病が、女性にとっても等しく脅威となる。
 
○免疫への影響
・エストラジオールは免疫系を活性化する。
・妊娠中にエストラジオールが消失する理油の一つは、免疫系を休ませて、めったなことで母体が胚を攻撃しないようにするためと思われる。女の免疫系は妊娠中に反応が鈍くなり、出産後、エストラジオールが徐々に分泌されるにつれてゆっくりと回復する。
 
※参考資料『デボラ・ブラム(2000)脳に組み込まれたセックス 白揚社』

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