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トクホ
●科学的な機能解析 ・マウス、ラット、ビーグル犬などの疾病にかかったモデル動物に食品因子を投与する"生体内試験"の結果から評価を行う方法と、培養細胞、微生物、酵素などに食品因子を加えてその活性がどうなるかを評価する"試験管内試験"による手法とがある。 ・"生体内試験"で効果が認められた場合、"生体内の複雑な代謝系にさらされても生理活性を示す"という意味では、ヒトに対しても効果を示す可能性を示唆している。しかし、詳細な作用機構を明らかにすることは、生きている動物だけに非常に困難。そのため、試験と異なる動物では効果が得られない可能性がある。 ・医薬品は生体内で作用するポイントが狭く特異性があるが、食品因子は複数の作用点を持つものも多くポイントを一つに絞り込めない。 ・"試験管内試験"では、食品因子がヒトの細胞に効果を示した場合、作用機構の詳細な解析が可能で、臓器の違いなどによる効果の違いも予想できる。また、生体内に複数の作用点があっても、それぞれに対する効果を数値化し比較することもできる。一方、試験管内で活性を示した食品因子が、生体内で目的とする臓器に活性を維持したまま到達できるか分からない、という問題点がある。 ※参考資料『阿部尚樹,上原万里子,中沢彰吾(2015)食をめぐるほんとうの話 講談社』
硫化物
●イオウ ・髪の毛、爪、皮膚、肝機能において重要な働きをする。 ・ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素(コエンザイムA)となり、糖質や脂質の代謝に働いている。 ・イオウが不足すると必須アミノ酸の一つであるメチオニンの生成に支障が出る可能性がある。メチオニンが不足すると皮膚炎、シミ、爪がもろくなる、抜け毛、関節が弱る、解毒力が低下するなどの症状が出る恐れがある。 ※参考資料『近藤和雄,佐竹元吉(2014)サプリメント・機能性食品の科学 日刊工業新聞社』
●硫化物 ・にんにくやねぎ、にらなどのユリ科や大根やわさびなどのアブラナ科の植物性食品に含まれている。 ・刺激のある香りのもとであり、フィトケミカルの一種。 ・刺激が強いものもあるため、摂りすぎると胃腸の粘膜を傷つけることがある。加熱して食べると刺激がやわらぐ。 ・強い抗酸化作用がある。 ・強い殺菌作用をはじめ、血栓を溶かしたり、血液の循環を促進させる働きもあり、食中毒予防や動脈硬化予防にも高い効果を発揮する。 ・種類 アリイン(にんにく) アホエン(にんにく) イソチオシアナート(キャベツ、大根、ブロッコリー) 硫化アリル(らっきょう、にんにく、にら、ねぎ、玉ねぎ) アリルメチルトリスルフィド(にんにく、玉ねぎ) ジアリルスルフィド(らっきょう) ※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』
※硫化物を含む野菜の情報については以下の記事参照。
・根菜類の効用
・茎菜類の効用
・葉菜類の効用
・花菜類、スプラウトの効用
セサミン
●セサミンの概要
・セサミンはゴマリグナンに含まれる成分の一つ。
・セサミンはゴマリグナンに含まれる成分の一つ。
・抗酸化作用の他にも高血圧抑制作用、血清コレステロール低下作用、脂質代謝改善作用、肝機能増強作用などが報告されている。 ・セサミンの脂質代謝改善作用は、EPAやDHAなど魚油に含まれる不飽和脂肪酸と一緒に摂取するとさらに増強することが明らかにされている。 ※参考資料『近藤和雄,佐竹元吉(2014)サプリメント・機能性食品の科学 日刊工業新聞社』
・そのままでは試験管内でほとんど抗酸化作用を示さないが、その特殊な化学構造で、酸化されることなく肝臓まで運ばれ、肝臓で代謝されるや初めて極めて強い抗酸化活性体となる。 生体内の活性酸素の約80%は肝臓で産生されるので、肝臓で効果的に活性酸素を除去できるセサミンは、極めて有効な抗酸化食品因子といえる。 ※参考資料『阿部尚樹,上原万里子,中沢彰吾(2015)食をめぐるほんとうの話 講談社』
リグナン類
※がんとの関連については以下の記事参照。
がんと生殖要因、ホルモン、環境の関連の”リグナン、イソフラボンなど”
●リグナンの概要
・植物に含まれている化合物群の一種。
・エストロゲン様作用を示したり抗酸化物質として働く植物エストロゲンの主要な分類の一つ。
がんと生殖要因、ホルモン、環境の関連の”リグナン、イソフラボンなど”
●リグナンの概要
・植物に含まれている化合物群の一種。
・エストロゲン様作用を示したり抗酸化物質として働く植物エストロゲンの主要な分類の一つ。
・穀類やごまなどの種実の脂質に含まれる化合物。セサミン、セサミノールなど ・麦等の穀物にも含まれているが精白すると失われてしまう。全粒粉を使ったパンやシリアル類なら摂取できる。 ・亜麻仁油に多く含まれている。 ・強い抗酸化作用。ごま油が他の植物油と比べて酸化しにくいのはリグナン類のおかげ。 ・コレステロールの低下作用や肝臓の働きを活性化させることも知られている。 ・体内で女性ホルモンと同様の働きをするため、更年期障害の軽減にも効果があるとされている。 ※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』
炭酸系トクホ商品、難消化性デキストリン
・デンプンを特殊な環境で加水分解することで得られる食物繊維。 ・消化されにくいことからカロリーが低い。 ・腸内で食べ物と混ざり合い、血糖値の急激な上昇を防ぐ。 ・便通を改善する。 ○メーカーの実験レポート ・健康な成人男性6人に一週間、毎日30g投与したところ、便通の改善、腸内細菌群や腸内バランスの改善が見られた。 ・毎日10g摂取することにより、血糖値が長時間安定し、減量にも成功した。 ・上記の効果を得ようとすると、最低1週間、毎日2~3本のトクホドリンクを飲まないといけない計算になる。 ※参考資料『中川基(2014)本当にコワい?食べものの正体 すばる舎リンケージ』
コラーゲンの概要、コラーゲン食品とその効果
●コラーゲンとは?
・コラーゲンとは、タンパク質の一種で、からだを構成する全タンパク質の約30%を占めている。
・体内コラーゲンのうち40%は皮膚、20%は骨や軟骨に存在し、その他は血管や内臓など全身に広く分布している。
・コラーゲンは、アミノ酸(グリシン、プロリン、ヒドロシキプロリンなど)がつながったポリペプチド鎖が3本でらせん構造をとっており、いろいろなタイプがある。
皮膚や腱などの主要なコラーゲンはI型、軟骨の主要なコラーゲンはII型と呼ばれている。
●コラーゲンの経口摂取で効果がある?
・コラーゲンを食べた場合、コラーゲンはタンパク質なので、消化・吸収によってアミノ酸やペプチド(アミノ酸が2~3個結合したもの)にまで分解され、コラーゲンそのものとしては吸収されない。(アミノ酸の分子量は、種類によって約89~204、コラーゲンの分子量はだいたい10~30万ほど)
・”低分子コラーゲン”についても同様で、アミノ酸やペプチドにまで分解されるので、分解・吸収は効率よく行われたとしてもコラーゲン合成に利用されたとは限らない。
・人はアミノ酸を使ってタンパク質の合成を行うが、どのタンパク質をどれくらい合成するか決めているのはDNA情報で、人為的に操作することはできないと考えるのが一般的。
したがって食べたコラーゲンから生じたアミノ酸がコラーゲンとして再合成されるかどうかは定かではないし、そのコラーゲンや顔の皮膚や膝の関節等、期待される特定の部位で利用されるかも定かではない。
●コラーゲンの安全性
・体質によってはアレルギーを誘発する可能性が示唆されている。
・妊娠中や授乳中にコラーゲンを含むサプリメントを摂取することの安全性については十分なデータがない。
・コラーゲンについては現時点で”どのくらい摂ったらよいか”、”本当に摂った方がよいのか”、”過剰摂取の害は”などが明確になっていない。
・コラーゲンとは、タンパク質の一種で、からだを構成する全タンパク質の約30%を占めている。
・体内コラーゲンのうち40%は皮膚、20%は骨や軟骨に存在し、その他は血管や内臓など全身に広く分布している。
・コラーゲンは、アミノ酸(グリシン、プロリン、ヒドロシキプロリンなど)がつながったポリペプチド鎖が3本でらせん構造をとっており、いろいろなタイプがある。
皮膚や腱などの主要なコラーゲンはI型、軟骨の主要なコラーゲンはII型と呼ばれている。
●コラーゲンの経口摂取で効果がある?
・コラーゲンを食べた場合、コラーゲンはタンパク質なので、消化・吸収によってアミノ酸やペプチド(アミノ酸が2~3個結合したもの)にまで分解され、コラーゲンそのものとしては吸収されない。(アミノ酸の分子量は、種類によって約89~204、コラーゲンの分子量はだいたい10~30万ほど)
・”低分子コラーゲン”についても同様で、アミノ酸やペプチドにまで分解されるので、分解・吸収は効率よく行われたとしてもコラーゲン合成に利用されたとは限らない。
・人はアミノ酸を使ってタンパク質の合成を行うが、どのタンパク質をどれくらい合成するか決めているのはDNA情報で、人為的に操作することはできないと考えるのが一般的。
したがって食べたコラーゲンから生じたアミノ酸がコラーゲンとして再合成されるかどうかは定かではないし、そのコラーゲンや顔の皮膚や膝の関節等、期待される特定の部位で利用されるかも定かではない。
●コラーゲンの安全性
・体質によってはアレルギーを誘発する可能性が示唆されている。
・妊娠中や授乳中にコラーゲンを含むサプリメントを摂取することの安全性については十分なデータがない。
・コラーゲンについては現時点で”どのくらい摂ったらよいか”、”本当に摂った方がよいのか”、”過剰摂取の害は”などが明確になっていない。
ネットニュースによる関連情報
●グルコサミンサプリメントで寿命が延びる? ・グルコサミンを食べたマウスは、寿命が10%延長した。人間でいえば、約8年の延長ということになる。 ・グルコサミンはグルコース代謝を改善して糖尿病を予防する効果もあった。 ・詳細なメカニズムを解析した結果、グルコサミンにはアミノ酸の分解を促進する効果がみつかった。これは低炭水化物ダイエットで起こる現象をグルコサミン単独で起こしたものだという。 ・最近発表された2つの疫学研究で77,000人を対象に調査した結果、グルコサミンのサプリメント摂取者の死亡リスクは低下傾向にあることが示唆されているという。
●グルコサミンの膝の痛みに対する効果を調べた研究 ・片膝または両膝に軽度から中等度の痛みがある201名が参加し、二重盲検プラセボ対照試験を行った。参加者は16オンス (約500ml) ボトルにグルコサミン塩酸塩1,500 mgを加えたダイエットレモネードもしくはプラセボを無作為に与えられ、24週間毎日摂取した。 ・その結果、グルコサミン群の参加者の方がプラセボ群より軟骨損傷が低下するということはなかった。対象者の膝の70%の骨髄病変に変化がなく、18%が悪化し、10%が改善した。プラセボ群はグルコサミン群に比べ、骨髄病変の改善がみられたが、骨髄病変の悪化については両群に差はなかった。
ローヤルゼリー、プロポリス
●プロポリス ・主に樹脂により構成され、ミツバチが巣の隙間や開口部を覆う際に用いられる。 ・抗炎症物質で抗酸化物質であるフラボノイド類を豊富に含んでいる。 ・抗菌作用・抗ウィルス作用・抗寄生虫作用・抗真菌作用をもつテルペノイド類を含有する。 ●ローヤルゼリー ・コラーゲンや数種のビタミン類を含有し、抗炎症物質であると考えられている。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』