がん幹細胞に関する情報をメモ書きしています。
○がん幹細胞の概要、特徴 ・がん細胞の中に、浸潤、転移、増殖の能力が高く、放射線治療や化学療法に対する抵抗性を示す細胞が含まれている。再発の原因。 ・幹細胞が細胞死を起こすと正常な組織を維持する仕組みが破綻し、臓器不全になってしまう。 ・がん幹細胞は、ただ1個から始まってがん組織を形成できる。 ・多段階の発がん過程で細胞を未分化状態に戻す遺伝子が発現し、がん細胞ががん幹細胞化する。 ○転移、浸潤、再発 ・正常組織の幹細胞は、自分が生存していくための環境を探し求め、適切な場所(幹細胞ニッチ)に定着(ホーミング)する高い能力を備えているが、がん幹細胞も同様の能力を持っている。 ※幹細胞ニッチ 生体内で幹細胞がその性質を維持するために必要な微小環境 ・ニッチは細胞毒性をもつ薬剤や物質から幹細胞を防御する機能を持っている。 ・休眠中のがん幹細胞は、がんが治癒したようにみえてもどこかに潜んでいて、再発の原因となる。 ・自己複製しているがん幹細胞は、増殖中でも治療に抵抗し、転移や浸潤の原因となる。 ○抗がん剤 ・ゆっくりと分裂している幹細胞には抗がん剤は効きにくい。 ・休眠中のがん幹細胞は、わずかなエネルギーと酸素しか必要としない。隠れたニッチで冬眠状態なので、それらを適量の抗がん剤にさらすのが困難。 最初に休眠中のがん幹細胞を活性化させ、隠れていたニッチから細胞が外に出たところで攻撃する必要がある。 ※参考資料『矢沢サイエンスオフィス(2012)がんのすべてがわかる本 学研パブリッシング』
・がん幹細胞は自己再生能力を保持した娘細胞と、より分化した娘細胞の二つの細胞とに不等分裂するので、腫瘍は不均一な細胞集団で構成される。 ※参考資料『杉本正信(2012)ヒトは一二〇歳まで生きられる 筑摩書房』