ストレスと食事、睡眠、運動など生活習慣との関わり

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  1. ストレス対策
  2. 飲酒、喫煙とストレス
  3. 食事とストレス
  4. 睡眠とストレス
  5. 運動とストレス
  6. 肥満とストレス
  7. 自覚していないストレス
  8. ストレスと瞑想、マインドフルネス

飲酒、喫煙とストレス

・ニコチンは、下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を放出する働きがあるので、HPA軸が活性化され、興奮度の高いストレス反応を引き起こす可能性がある。
・アルコールは、HPA軸を活性化し、元気になる。
飲みすぎるとHPA軸の反応が鈍くなることがある。
 
※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』

食事とストレス

・高脂肪の食事は、交感神経が興奮しやすくコルチゾールの過剰分泌を招く。
 腹部の脂肪がすぐに脂肪酸になり、それがコルチゾールの放出を促し、インスリン抵抗性の原因となる。
 
※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』

 

●食事の時間
 
・いつもより遅くに食事を取ると、空腹感が生じるだけではない。次の食事がいつになるか予測できなくなった体は、サバイバルモードに突入し、脂肪を保持してエネルギーを保存するように命じるコルチゾールを大量に分泌する。
 
・体が好むものの一つは"予測可能性"であり、体にとって最大のストレスになるのは、スケジュールの規則性が失われること。
 
※参考資料『デイビッド・B.エイガス(2013)ジエンド・オブ・イルネス 日経BP社』

 

●ストレス、海馬、DHA
 
・ストレスが重なると脳の海馬が損傷するが、DHAは脳の神経細胞膜の重要な構成成分であると同時に、海馬などで、神経細胞に栄養を与える活動を高めることが分かってきた。
 
※参考資料『NHKスペシャル取材班(2016)キラーストレス NHK出版』

睡眠とストレス

・睡眠不足は血糖値とコルチゾールの上昇をもたらす。
・睡眠不足は、交感神経を興奮させ、迷走神経のブレーキを効きにくくする。
・コルチゾールは概日リズムに沿って分泌され、早朝に大量に分泌され、だんだん減って夜には少なくなるのが望ましい。
 朝起きる行為は、寝ている状態から座り、立ち上がるので、心身に負担がかかるため?
 
※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』

 

・人の体のリズムの大半は、睡眠のリズムをベースにして出来上がっている。食べることからストレスや病気と戦う事にまで関与するホルモンの分泌パターンは、昼夜のサイクルと直接結びついている。
 たとえば、コルチゾールの分泌量は、午前中に最も高く、日中次第に減少し、午後11時以降、最も低レベルになる。
 不規則な睡眠はコルチゾールの分泌を不規則にし、ひいてはうつ病に結びつくということを多くの研究が示している。
 
※参考資料『デイビッド・B.エイガス(2013)ジエンド・オブ・イルネス 日経BP社』

運動とストレス

●気持ちの切り替え、自信
 
・運動はドーパミンも放出。気持ちを前向きにし、幸福感を高め、注意システムを活性化させる。
・運動は自発的にすることなので、そのストレスは予測できるし、コントロールできる。
自分を支配しているという感覚と自信も得られる。
 アルコールなどの副作用のある対処法に頼らなくても、ストレスをコントロールできると分かっていれば、気持ちの切り替えがうまくなる。
 
○意欲を高める
・運動はドーパミンの自然減少を予防する。
・体を動かすと、ドーパミンニューロン同士のつながりが強められ、自然とやる気が増す。
 
●筋肉を介してストレス抑制
 
・運動は、筋紡錘(筋肉の中にある張力センサー)の静止張力を緩めることで脳にフィードバックされるストレスを撃退する。体が緊張していなければ、脳は自分もリラックスしてもいいだろうと判断する。
・心臓の筋肉で生成される心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)というホルモンが、HPA軸にブレーキをかけ、脳の騒音を鎮めて体のストレス反応を直接抑える。
 
●ストレスに反応する閾値が上がる
 
・定期的に有酸素運動をすると体のコンディションが安定するので、ストレスを受けても、急激に心拍数が上がったり、ストレスホルモンが過剰に出たりしなくなる。少々のストレスには反応しなくなる。
→闘争・逃走反応が起こる閾値が上がる。
・脳では、運動によって適度なストレスがかかると、遺伝子が活性化してタンパク質が生成され、ニューロンを損傷や変性から守るとともに、その構造を強化する。さらに運動は、ニューロンのストレス耐性の閾値を上げる。ニューロンの回復プロセスが促される。
・運動によって細胞内のエネルギー生産はより効率的になり、有害な酸化ストレスを増やすことなく、ニューロンが必要とする燃料を供給できるようになる。
 運動することでエネルギー利用効率が上がるのは、一つにはインスリン受容体の生産が促されるため。また、運動するとIGF-1が増えて、インスリンがグルコースの量をコントロールするのを助ける。
 IGF-1は海馬の中でLTPを促進して、ニューロンの可塑性を高め、ニューロン新生を促している。
 
※参考資料『ジョン J.レイティ(2009)脳を鍛えるには運動しかない 日本放送出版協会』

 

・運動は自律神経が興奮するのを阻止する。
ストレス反応の暴走を抑え、心臓、脳、肝臓等の臓器を守ることにつながる。
 
○ウェイン州立大学のパトリック・ミュラー教授の研究
・ネズミを運動するグループと運動しないグループに分けて、11週間後、脳の変化を詳しく調べた。
 
・運動したネズミの延髄の神経細胞の画像を見ると、運動していないネズミと比べて神経細胞の突起がほぼ半減していた。
 突起が多いと、延髄の神経細胞が扁桃体から受け取る情報が増え、その過剰な情報が自律神経に伝わり、興奮させてしまう。
 運動することにより神経細胞の突起が減ると、受け取る情報が減り、延髄から適正な量の情報が伝達されるようになり、自律神経が興奮することもなくなる。
※延髄は恐怖や不安を感じる扁桃体から脊髄へとつながる経路の、いちばん脊髄に近い位置にある。扁桃体の情報を自律神経に伝える重要な役割を担うとともに、自律神経自体の制御にも関わっている。
 
・延髄には血圧を制御する中枢があると考えられており、突起の数が減ることによって、血圧を正常にコントロールできるようになると推測している。
 
※参考資料『NHKスペシャル取材班(2016)キラーストレス NHK出版』

ストレス対策

●アメリカ心理学会が推奨するストレス対策
 
①ストレスの原因を避ける
②笑い
③友人や家族のサポートを得る
④運動
⑤瞑想
 
※参考資料『NHKスペシャル取材班(2016)キラーストレス NHK出版』

ストレスと食欲

○食欲増大
・ある程度のストレスが過食を引き起こす
 
視床下部のニューロンがCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)を分泌
→このホルモンが血流とともに下垂体に到達
→ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を分泌
→血流に流れ込み、全身に広がる
→ACTHの刺激を受けた副腎がコルチコステロンを分泌
→コルチコステロンとその代謝産物は再び脳に流れ込み、脳のストレス反応に関与。
→コルチコステロンが摂食行動に影響。
 
○食欲抑制
・重度のストレスは食欲を抑制する。
 
※参考資料『デイヴィッド・J.リンデン(2012)快感回路 河出書房新社』

自覚していないストレス

●マインドワンダリングとストレス
 
・目の前の現実についてではなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らしてしまう状態を"マインドワンダリング(心の迷走)"と呼んでいる。
・実際にストレス対象に直面しておらずマインドワンダリングの状態でも脳はストレスを感じやすい状態に置かれている。
・2010年、ハーバード大学のマシュー・キリングスワースらが2250人を対象に行った、マインドワンダリングに関する大規模な行動心理調査によると、マインドワンダリングの状態は、生活時間の47%にも上った。
 
※参考資料『NHKスペシャル取材班(2016)キラーストレス NHK出版』

ストレスと瞑想、マインドフルネス

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