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ヒ素とは?
・ヒ素は自然環境中に広く存在する元素で、土壌や水中に天然由来のヒ素が含まれている。このため、様々な食品や飲料水は、微量のヒ素を含んでいる。
・ヒ素は、ヒ素単体として存在する以外に、炭素や酸素など他の元素と結合し、ヒ素化合物となって環境中に存在している。
ヒ素化合物のうち、炭素を含む化合物は”有機ヒ素(化合物)”、炭素を含まない化合物は”無機ヒ素(化合物)”と呼ばれている。
・ヒ素は、ヒ素単体として存在する以外に、炭素や酸素など他の元素と結合し、ヒ素化合物となって環境中に存在している。
ヒ素化合物のうち、炭素を含む化合物は”有機ヒ素(化合物)”、炭素を含まない化合物は”無機ヒ素(化合物)”と呼ばれている。
ヒ素の健康影響
・無機ヒ素が一度に、または短い期間に大量に体の中に入った場合は、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状があらわれると報告されている。
・無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されている。
・有機ヒ素の健康影響については現在のところ分かっていない。一般的に無機ヒ素に比べるとその悪影響の程度は小さいと言われている。
・無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されている。
・有機ヒ素の健康影響については現在のところ分かっていない。一般的に無機ヒ素に比べるとその悪影響の程度は小さいと言われている。
ヒ素が含まれている食品、食品摂取時の注意
●ヒ素が含まれている食品
・食品安全委員会は、”海産物中には多くのヒ素化合物が含まれている”、さらに、”農産物の中ではコメからの摂取が比較的多い傾向にある”と評価している。
●食品摂取時の注意
・食品安全委員会は、”日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない”と判断している。
そして、”一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要”と推奨している。
●米の調理とヒ素
・コメに含まれる無機ヒ素は、玄米の外側についている糠(ぬか)の部分に多く含まれているので、玄米を白米に加工したり、コメを研いだりすることでぬかを落とすと、コメに含まれる無機ヒ素の濃度が低くなる。
ただし、ぬかの部分には鉄分や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれ、玄米は白米と比べて栄養面で優れた食品。バランスの良い食生活を心がければ、玄米やぬか漬けを食べても健康への問題ないとされている。
●ヒジキとヒ素
・海産物では、海水に溶け込んだヒ素が、藻類やプランクトンに取り込まれ、また、食物連鎖を通じて濃縮されるため、ヒ素が比較的高い濃度で含まれている。
ただし、ヒジキの摂取も含めて、バランスの良い食生活を送っていれば問題ないとされている。
・無機ヒ素は水に溶け出す性質があるので、乾燥ヒジキを調理する際に、水洗い、水戻し、ゆでこぼしをすることで無機ヒ素の摂取量を減らすことができる。
農林水産省の調査では、水戻し(乾燥ヒジキの重量の40倍量の水で、20℃30分間で水戻し)により、戻し水中に総ヒ素の50~66%程度が溶出することがわかっている。
・食品安全委員会は、”海産物中には多くのヒ素化合物が含まれている”、さらに、”農産物の中ではコメからの摂取が比較的多い傾向にある”と評価している。
●食品摂取時の注意
・食品安全委員会は、”日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない”と判断している。
そして、”一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要”と推奨している。
●米の調理とヒ素
・コメに含まれる無機ヒ素は、玄米の外側についている糠(ぬか)の部分に多く含まれているので、玄米を白米に加工したり、コメを研いだりすることでぬかを落とすと、コメに含まれる無機ヒ素の濃度が低くなる。
ただし、ぬかの部分には鉄分や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれ、玄米は白米と比べて栄養面で優れた食品。バランスの良い食生活を心がければ、玄米やぬか漬けを食べても健康への問題ないとされている。
●ヒジキとヒ素
・海産物では、海水に溶け込んだヒ素が、藻類やプランクトンに取り込まれ、また、食物連鎖を通じて濃縮されるため、ヒ素が比較的高い濃度で含まれている。
ただし、ヒジキの摂取も含めて、バランスの良い食生活を送っていれば問題ないとされている。
・無機ヒ素は水に溶け出す性質があるので、乾燥ヒジキを調理する際に、水洗い、水戻し、ゆでこぼしをすることで無機ヒ素の摂取量を減らすことができる。
農林水産省の調査では、水戻し(乾燥ヒジキの重量の40倍量の水で、20℃30分間で水戻し)により、戻し水中に総ヒ素の50~66%程度が溶出することがわかっている。
多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス
※多目的コホート研究(JPHC Study)とは?
●食事からのヒ素摂取量とがん罹患との関連について ・国際がん研究機関(IARC)によると、ヒ素および無機ヒ素化合物はヒトに対して発がん性のある因子(グループ1)と分類している。 日本では、水道水中のヒ素濃度を水道法で0.01mg/L未満と制限するなど、厳格な規制が行われている。 一方、日本人は、ヒ素含有量が多い魚介類や海藻を比較的多く摂取している。魚介類や海藻に含まれているヒ素は一般的にはほとんどが無害であると考えられている有機ヒ素だが、その中でも体内でメチル化されて毒性のある物質に代謝されるものがあることが報告されている。 また、日本人がよく摂取するひじきなど、ある程度の無機ヒ素が含まれているものもあり、日常的な食事からのヒ素摂取とがんとの関連についての研究が求められていた。 この研究では、食事からのヒ素摂取量とがん罹患との関連を調べた。 ○結果 ・総ヒ素摂取量と全がんリスクとの関連は見られなかった。 ・各部位別がんリスクについても調べたところ、男性の肺がんでリスクの上昇がみられたが、統計学的有意な関連ではなく、女性では関連がみられなかった。 ・無機ヒ素摂取量と全がんリスクとの関連はみられなかったが、男性の肺がんで量反応関係がある正の関連が認められた。女性では肺がんで統計学的有意ではない肺がんリスクの上昇がみられた。 ・肺がんと総ヒ素・無機ヒ素摂取量について喫煙状況別に解析を行った結果、男性では喫煙者で総ヒ素・無機ヒ素ともに肺がんリスクの上昇、非喫煙者では肺がんリスクの低下がみられ、喫煙状況により異なる関連が認められた。 女性では非喫煙者で無機ヒ素摂取量と肺がんに正の関連がみられた。 ○推察 ・ヒ素と喫煙の混合曝露により、肺では、ヒ素の代謝に関係するグルタチオンが消失するこが報告されており、ヒ素の代謝の低下が予想される。 加えて、ヒ素と喫煙の混合暴露により、発がんに関わるDNA酸化が報告されており、喫煙者は、非喫煙者と比較して、肺でのヒ素の毒性を受けやすいと考えられる。 ・一方、ヒ素を比較的多く含む海藻類は、ミネラルや食物繊維を豊富に含み、抗酸化作用や抗変異原性作用があることが動物実験で報告されている。 非喫煙男性において、肺がんで負の関連がみられたのは、海藻類の抗酸化作用などによるものかもしれない。 ・女性非喫煙者で無機ヒ素摂取量と肺がんに正の関連がみられた。 動物実験において、ヒ素に曝露されたメスラットの肺腺がんの組織には非曝露のラットよりもエストロゲンレセプターが多くみられたことが報告されている。今回の研究において、女性の肺がんは腺がんが多く(71%)、また、女性の肺がんが女性ホルモンの影響を受けるという報告があることを考慮すると、無機ヒ素と肺がんの正の関連は、女性ホルモンを介している影響なのかもしれない。しかし、非喫煙女性でヒ素と肺がんの関連を示した先行研究はなく、女性におけるヒ素摂取量の妥当性が低かったこともあり、この結果が因果関係ではない見かけ上の関連であった可能性も考えられる。
ネットニュースによる関連情報
●乳幼児のコメ摂取とヒ素 ・米国のダートマス大学からの研究報告で、生後12カ月の乳幼児で米や米製品を摂取していた者は、摂取していない者に比べ、尿中のヒ素濃度が2倍多かった。