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ストレスと活性酸素
・ストレス →交感神経の緊張 →アドレナリン分泌 →生体の興奮 →元に戻そうとする働きでアドレナリン分解、このときに分解酵素の働きで活性酸素が発生 ・ストレス →交感神経の緊張 →顆粒球の増加 →外敵を破壊、自身が壊れるときに活性酸素発生 ※参考資料『室伏きみ子(2005)ストレスの生物学 オーム社』
加齢とストレス
●老化とストレスホルモン ・加齢に伴って、成長ホルモン、性ホルモンなどのホルモンやドーパミン、セロトニン、メラトニン、エンドルフィンなどの神経伝達物質の合成や分泌が徐々に減少する。 しかし、ストレスホルモンであるグルココルチコイドは加齢とともに増える傾向。 →人が老化すると、ストレス耐性が低下するのは、神経伝達物質やホルモンのバランスが悪くなるのが原因? グルココルチコイドとデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の血中濃度の比率が関連との報告も。 ※参考資料『室伏きみ子(2005)ストレスの生物学 オーム社』
●加齢とストレス ・老齢の動物では、ストレスで上昇したコルチゾールとアドレナリンの分泌が元の状態に戻る時間が遅くなる。 コルチゾールの"負のフィードバッグ"が加齢に伴い、若いときのようにうまく作動しなくなる。 ・若年ラットでは、繰り返されるストレスによって脳で作られる糖質コルチコイドが増加しても、そのレセプターが減少する事によって、コルチゾールが行き場を失って悪作用が軽減されている。 しかし、年を取るとこのレセプターを減らす事ができないため、必要以上のレセプターが残り、コルチゾールが過剰に働いてしまう。 ・グルタミン酸のような興奮性神経伝達物質が過剰になると、フリーラジカルが蓄積され始める。 コルチゾールは、神経細胞をグルタミン酸に対して敏感にし、NMDAレセプターを増やすため、グルタミン酸の過剰によるフリーラジカルの生成を加速させる。 体内にはいろいろな抗酸化物質があるが、加齢である種の抗酸化物質(SOD)が少なくなる傾向があるので、フリーラジカルによる危害を防ぐ力も弱まる。 ※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』
●高齢者とストレス ・ストレス環境下に置かれた高齢者では食欲不振、体重減少、リンパ球減少(免疫機能を低下させる)、心理的苦痛の増強、コレステロールレベルの上昇が認められた。 ・負のストレスは体内のフリーラジカル産生量を増やす。 ・ストレスへの負の反応によって生じる高コルチゾールレベルは疾病を促進するほか、免疫系を阻害するらしい。 高齢者で一般的にコルチゾールレベルが高いのは老化の兆候の一つである脳内コルチゾール受容体の減少によるものかもしれず、そのために高齢者は疾病に対して脆弱であると考えられる。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』