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健康的であるBMIの範囲
●健康的であるBMI
厚生省の資料(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書)では、死因を問わない死亡率(総死亡率)が最低になるBMIをもって最も健康的であると考え、目標とする健康的なBMIの範囲を定めています。
観察疫学研究の結果から得られた総死亡率、疾患別の発症率とBMIとの関連、死因とBMIとの関連、さらに、日本人のBMIの実態に配慮し、総合的に判断した結果のようです。
○目標とするBMIの範囲(18歳以上)
厚生省の資料(「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書)では、死因を問わない死亡率(総死亡率)が最低になるBMIをもって最も健康的であると考え、目標とする健康的なBMIの範囲を定めています。
観察疫学研究の結果から得られた総死亡率、疾患別の発症率とBMIとの関連、死因とBMIとの関連、さらに、日本人のBMIの実態に配慮し、総合的に判断した結果のようです。
○目標とするBMIの範囲(18歳以上)
年齢(歳) | 目標とするBMI |
18~49 | 18.5~24.9 |
50~69 | 20.0~24.9 |
70以上 | 21.5~24.9 |
※「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 p54 表3
●BMIはあくまでも目安、注意点
・BMI以外の要因も数多い。
総死亡率に関与する要因(生活習慣を含む環境要因、遺伝要因など)は数多く、体重管理においてBMIだけを厳格に管理する意味は乏しい。
・身体活動はBMIとは独立に総死亡率に関連。
高い身体活動は体重とは独立に総死亡率の低下に関連することも明らかにされている。
・あくまでも、BMIは、健康を維持し、生活習慣病の発症予防を行うための要素の一つとして扱うに留める。
BMIより体脂肪率では?、内臓脂肪が重要
体重が重くても、筋肉量が多く体脂肪率が低い人もいます。
本来は、脂肪か筋肉かの別、脂肪は皮下脂肪か内臓脂肪かの別なども考慮する必要があります。
●体脂肪率は?
・体脂肪率は体に占める脂肪の比率をパーセントで表したもの。
・生活習慣病との相関は薄いため、メタボリックシンドロームの診断基準には採用されていない。
これは体脂肪率が内臓脂肪だけでなく皮下脂肪を含む体脂肪の量を反映しているため。
●内臓脂肪が重要
・腹囲は内臓脂肪の蓄積にほぼ比例するので、腹囲はメタボリックシンドロームの診断基準に採用されている。
・糖尿病並びに循環器疾患の発症率や循環器疾患並びに総死亡率との関連は、BMIよりも腹囲の方が強いという報告がある。
・厚生省の資料では、研究成果の蓄積の豊富さ並びに最も基本的な体格指数という観点から、主にBMIを用いている。
本来は、脂肪か筋肉かの別、脂肪は皮下脂肪か内臓脂肪かの別なども考慮する必要があります。
●体脂肪率は?
・体脂肪率は体に占める脂肪の比率をパーセントで表したもの。
・生活習慣病との相関は薄いため、メタボリックシンドロームの診断基準には採用されていない。
これは体脂肪率が内臓脂肪だけでなく皮下脂肪を含む体脂肪の量を反映しているため。
●内臓脂肪が重要
・腹囲は内臓脂肪の蓄積にほぼ比例するので、腹囲はメタボリックシンドロームの診断基準に採用されている。
・糖尿病並びに循環器疾患の発症率や循環器疾患並びに総死亡率との関連は、BMIよりも腹囲の方が強いという報告がある。
・厚生省の資料では、研究成果の蓄積の豊富さ並びに最も基本的な体格指数という観点から、主にBMIを用いている。
太り気味のほうが長生き?
・60代までは痩せていたほうがいいが、70代になったら小太りでも大丈夫、という解釈? 肥満やコレステロールの影響は、高齢になるに従い低くなっていき、70代以上になると高めの方が死亡リスクが減り、病気にかかりにくくなる。 高齢になると食が細くなり、栄養の吸収力も低下するため、低栄養になりやすい。 ※参考資料『坪田 一男(2011)人は誰でも「元気な100歳」になれる 小学館』
●喫煙と過去の疾患を考慮すると小太りの人より普通体重の人の方が死亡リスクが低かった ・ノルウェイの研究で、トータルで3030万人の参加者と374万件の死亡データを含んだ230件の前向き研究のメタ分析を行った結果、全く喫煙をしなかった者だけを対象にすると、最も死亡リスクの低いBMIは23-24であることが明らかになった。 ・重大な疾患に罹ったことがない、全く喫煙をしなかった者だけを対象にすると、最も死亡リスクの低いBMIは22-23であった。 ・さらに、研究のうちで20-25年にわたって追跡調査をしていたものだけに絞って解析すると(これで隠れた疾患の影響がさらに弱まる)、最も死亡リスクの低いBMIは20-22であった。
●やはり普通体重の方が小太りより長生き? ・32か国の1970-2015年にかけての239件の大規模疫学研究の1千万人以上のデータを解析した。 今までの研究では、因果の逆転として、低体重が原因というよりもむしろ疾患があることで体重減少が起こっていること、喫煙をすることで体重が減少していることが考慮されていなかったため、今回の研究では、これらのバイアスを除いてBMIと死亡との関連を研究するために、喫煙のない者で、慢性疾患の罹患がない者を解析対象とした。 ・その結果、BMI22.5-25が死亡リスクが最も低く、25-27.5で7%の、27.5-30で20%の、30-35で45%の、35-40で94%の、そして40-60以上の超高度肥満者では3倍近くの死亡リスクの上昇をみとめた。
BMIが低すぎると
●肥満度(BMI)とがん全体の発生率との関係について ・調査開始時の身長と体重から肥満度(BMI)を算出し、それを7グループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較した。 ○がんの発生率の結果 ・男性では、BMIが21-29では、がん全体の発生率はほとんど同じだったが、BMIが21未満のやせているグループと30以上の非常に太っているグループで発生率が高くなるU字型の傾向がみられた。 特に、非常にやせているグループでのがん全体の発生率の増加は顕著で、BMIが19未満の最もやせているグループの発生率は、BMIが23-24.9のグループと比較して、約30%高くなっていた。 よく、がんになった結果やせたのではないか、といわれるが、研究が始まって数年間以内にがんにかかった人を除いても同じ結果だったので、もともと非常にやせているということで、将来がんになりやすいのではないかと考えられる。 ・女性では、太っていてもやせていても、その後のがん全体の発生率には特に違いがみられなかった。 ○がんの死亡率の結果 ・やせているグループと太っているグループでがんの死亡率が増加するU字型の傾向で、罹患率との関係よりもやせによる死亡率の増加がより顕著だった。 ○推察 ・日頃から非常にやせている人はそれほどやせていない人と比べてがんになりやすいと同時に、がんになった後の回復力も弱いのではないかと推察される。 ※多目的コホート研究(JPHC Study)とは?