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- たんぱく質の定義
- たんぱく質の機能
- たんぱく質の消化、吸収、代謝
- エネルギーのたんぱく質節約作用
- 運動によるたんぱく質必要量
- たんぱく質摂取の推奨量、目標量
- たんぱく質と生活習慣病
- たんぱく質摂取と発症予防
- ネットニュースによる関連情報
たんぱく質の定義
・たんぱく質とは、20種類のL-アミノ酸がペプチド結合してできた化合物。
・たんぱく質は、生物の重要な構成成分の一つであり、構成するアミノ酸の数や種類、またペプチド結合の順序によって種類が異なり、分子量4,000前後のものから、数千万から億単位になるウイルスたんぱく質まで多種類が存在する。
・ペプチド結合したアミノ酸の個数が少ない場合にはペプチドという。
・たんぱく質を構成するアミノ酸は20種であり、直接コドンに暗号化されている。
※コドン
コドンとは、核酸の塩基配列がタンパク質を構成するアミノ酸配列へと生体内で翻訳されるときの各アミノ酸に対応する3つの塩基配列のことで、特にmRNAの塩基配列を指す。
●必須アミノ酸
・たんぱく質を構成する20種のアミノ酸のうち、ヒトは11種を他のアミノ酸又は中間代謝物から合成することができる。
それ以外の9種は食事によって摂取しなければならず、それらを必須アミノ酸という。
・必須アミノ酸はヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリンである。
・たんぱく質は、生物の重要な構成成分の一つであり、構成するアミノ酸の数や種類、またペプチド結合の順序によって種類が異なり、分子量4,000前後のものから、数千万から億単位になるウイルスたんぱく質まで多種類が存在する。
・ペプチド結合したアミノ酸の個数が少ない場合にはペプチドという。
・たんぱく質を構成するアミノ酸は20種であり、直接コドンに暗号化されている。
※コドン
コドンとは、核酸の塩基配列がタンパク質を構成するアミノ酸配列へと生体内で翻訳されるときの各アミノ酸に対応する3つの塩基配列のことで、特にmRNAの塩基配列を指す。
●必須アミノ酸
・たんぱく質を構成する20種のアミノ酸のうち、ヒトは11種を他のアミノ酸又は中間代謝物から合成することができる。
それ以外の9種は食事によって摂取しなければならず、それらを必須アミノ酸という。
・必須アミノ酸はヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリンである。
たんぱく質の機能
・たんぱく質は、酵素やホルモンとして代謝を調節し、ヘモグロビン、アルブミン、トランスフェリン、アポリポたんぱく質などは物質輸送に関与する。
・γ-グロブリンは抗体として生体防御に働いている。
・たんぱく質を構成しているアミノ酸は、たんぱく質合成の素材であるだけでなく、神経伝達物質やビタミン、その他の重要な生理活性物質の前駆体ともなっている。さらに、酸化されるとエネルギーとしても利用される。
・たんぱく質が欠乏すると、カシオコアとなる。
・たんぱく質の過剰症は報告されていない。
・γ-グロブリンは抗体として生体防御に働いている。
・たんぱく質を構成しているアミノ酸は、たんぱく質合成の素材であるだけでなく、神経伝達物質やビタミン、その他の重要な生理活性物質の前駆体ともなっている。さらに、酸化されるとエネルギーとしても利用される。
・たんぱく質が欠乏すると、カシオコアとなる。
・たんぱく質の過剰症は報告されていない。
・糖質の摂取が少ないとき、エネルギーになる。ブドウ糖にもなって血糖を補う。 ※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』
たんぱく質の消化、吸収、代謝
①たんぱく質→遊離アミノ酸とオリゴペプチドに分解
摂取した食品中のたんぱく質は、胃の胃酸やペプシン、膵液中のエンドペプチダーゼ(トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ)とエキソペプチダーゼ(カルボキシペプチダーゼ)の働きにより遊離アミノ酸とオリゴペプチドに分解される。
②オリゴペプチド→トリペプチド、ジペプチド、遊離アミノ酸
オリゴペプチドは、小腸上皮細胞の刷子縁膜に局在するオリゴペプチダーゼの働きでトリペプチド、ジペプチド、遊離アミノ酸にまで分解される。
③小腸における遊離アミノ酸の吸収
小腸における遊離アミノ酸の吸収は、複数の輸送担体により行われる。
この輸送担体にはNa+依存性とNa+非依存性のものがある。
④ジペプチド、トリペプチドの分解
ジペプチドやトリペプチドはアミノ酸輸送系とは異なるペプチド輸送担体によって小腸細胞内に取り込まれ、細胞内ペプチダーゼによって加水分解される。
ペプチド輸送担体は、H+依存性である。
⑤遊離アミノ酸→肝臓→血液
腸管より吸収された遊離アミノ酸は、門脈を経て肝臓に入り、そこで肝たんぱく質や血清たんぱく質などが合成され、一部は可欠アミノ酸(非必須アミノ酸)に変化し、一部はそのまま血液中に送出される。
⑥血液中のアミノ酸
血液中のアミノ酸は、各組織に取り込まれ組織たんぱく質の供給源として、また、ホルモンや生理活性物質、核酸などの構成成分となる。
さらに、酸化されるとエネルギーとしても利用される。
○食事からの摂取、動的平衡、排出
体たんぱく質は、合成と分解を繰り返しており、動的平衡状態を保っている。たんぱく質の種類によりその代謝回転速度は異なるが、いずれも分解されてアミノ酸となり、その一部は不可避的に尿素などとして体外に失われる。
したがって、成人においてもたんぱく質を食事から補給する必要がある。
成長期には、その上に新生組織の蓄積に必要なたんぱく質を摂取しなければならない。
摂取した食品中のたんぱく質は、胃の胃酸やペプシン、膵液中のエンドペプチダーゼ(トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ)とエキソペプチダーゼ(カルボキシペプチダーゼ)の働きにより遊離アミノ酸とオリゴペプチドに分解される。
②オリゴペプチド→トリペプチド、ジペプチド、遊離アミノ酸
オリゴペプチドは、小腸上皮細胞の刷子縁膜に局在するオリゴペプチダーゼの働きでトリペプチド、ジペプチド、遊離アミノ酸にまで分解される。
③小腸における遊離アミノ酸の吸収
小腸における遊離アミノ酸の吸収は、複数の輸送担体により行われる。
この輸送担体にはNa+依存性とNa+非依存性のものがある。
④ジペプチド、トリペプチドの分解
ジペプチドやトリペプチドはアミノ酸輸送系とは異なるペプチド輸送担体によって小腸細胞内に取り込まれ、細胞内ペプチダーゼによって加水分解される。
ペプチド輸送担体は、H+依存性である。
⑤遊離アミノ酸→肝臓→血液
腸管より吸収された遊離アミノ酸は、門脈を経て肝臓に入り、そこで肝たんぱく質や血清たんぱく質などが合成され、一部は可欠アミノ酸(非必須アミノ酸)に変化し、一部はそのまま血液中に送出される。
⑥血液中のアミノ酸
血液中のアミノ酸は、各組織に取り込まれ組織たんぱく質の供給源として、また、ホルモンや生理活性物質、核酸などの構成成分となる。
さらに、酸化されるとエネルギーとしても利用される。
○食事からの摂取、動的平衡、排出
体たんぱく質は、合成と分解を繰り返しており、動的平衡状態を保っている。たんぱく質の種類によりその代謝回転速度は異なるが、いずれも分解されてアミノ酸となり、その一部は不可避的に尿素などとして体外に失われる。
したがって、成人においてもたんぱく質を食事から補給する必要がある。
成長期には、その上に新生組織の蓄積に必要なたんぱく質を摂取しなければならない。
・組織の細胞では、筋肉やつめなどになる新しいタンパク質がアミノ酸から作られ、同時に同量の古いタンパク質が分解されて血液に出される。 ・分解物の75~80%は肝臓でまた新しいアミノ酸に作り替えられて血液中に出て行く。 ※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』
エネルギーのたんぱく質節約作用
・たんぱく質利用効率は、たんぱく質、アミノ酸、総窒素の摂取量により変化する。
また、窒素化合物以外の栄養素の摂取量によりたんぱく質代謝は影響を受ける。
・エネルギー摂取量のたんぱく質代謝に対する効果は、エネルギーのたんぱく質節約作用として古くから知られている。
エネルギー不足はたんぱく質利用効率を低下させ、逆にエネルギー摂取が増すと窒素出納は改善される。
これにはインスリン分泌の増加によるたんぱく質合成の促進、分解の抑制が寄与している。
また、窒素化合物以外の栄養素の摂取量によりたんぱく質代謝は影響を受ける。
・エネルギー摂取量のたんぱく質代謝に対する効果は、エネルギーのたんぱく質節約作用として古くから知られている。
エネルギー不足はたんぱく質利用効率を低下させ、逆にエネルギー摂取が増すと窒素出納は改善される。
これにはインスリン分泌の増加によるたんぱく質合成の促進、分解の抑制が寄与している。
運動によるたんぱく質必要量
・不活発な人、高齢者などでは、食事に注意しないとたんぱく質、その他の栄養素不足を招きやすい。
・たんぱく質必要量と身体活動の関係について、運動不足は体たんぱく質異化状態を招き、適度の運動は食事性たんぱく質の利用を高め、一方、激しい運動はたんぱく質分解を亢進させることから、運動強度に応じてたんぱく質必要量はU字型を描く。
・一般に、運動時には発汗による経皮窒素損失量が増大し、アミノ酸の異化亢進、体たんぱく質の合成低下と分解上昇がみられる。しかし、運動終了時以降に、体たんぱく質の合成が分解を上回るようになり、損失を取り戻すことが多い。
なお、軽度ないし中等度の運動(200~400 kcal/日)を行った場合には、たんぱく質必要量は増加しないことが報告されている。
・たんぱく質必要量と身体活動の関係について、運動不足は体たんぱく質異化状態を招き、適度の運動は食事性たんぱく質の利用を高め、一方、激しい運動はたんぱく質分解を亢進させることから、運動強度に応じてたんぱく質必要量はU字型を描く。
・一般に、運動時には発汗による経皮窒素損失量が増大し、アミノ酸の異化亢進、体たんぱく質の合成低下と分解上昇がみられる。しかし、運動終了時以降に、体たんぱく質の合成が分解を上回るようになり、損失を取り戻すことが多い。
なお、軽度ないし中等度の運動(200~400 kcal/日)を行った場合には、たんぱく質必要量は増加しないことが報告されている。
たんぱく質摂取の推奨量
●成人のたんぱく質推奨量
推奨量(g/日)=0.9×参照体重(kg)
●高齢者のたんぱく質推奨量
推奨量(g/日)=0.9×参照体重(kg)
●高齢者のたんぱく質推奨量
推奨量(g/日)=1.06×参照体重(kg)
加齢によって骨格筋のたんぱく質代謝が低下するため、必要量が多くなる。
●小児(1~17歳)
成長に伴い蓄積されるたんぱく質蓄積量も加わるので、成人の場合より複雑な式となる。
●たんぱく質の目標量
・目標量の下の値は、推奨量以上とし、エネルギー産生栄養素バランスとして13%。
・たんぱく質には耐容上限量は与えられていないが、成人においては各種代謝変化に好ましくない影響を与えない摂取量、高齢者においては高窒素血症の発症を予防する観点などにより、成人、特に高齢者においては2.0g/kg体重/日未満に留めるのが適当ではないかとする考えがある。
これは、参照体重を身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いれば、成人(18~69 歳)で19~22%エネルギー、高齢者(70歳以上)で22~23%エネルギーの範囲となる。
・上記の理由並びに上述の試算より、たんぱく質のエネルギー産生栄養素バランスを13~20%としている。
たんぱく質と生活習慣病
※%E(エネルギー比率) 総エネルギー摂取量に占める割合 ●たんぱく質の摂取不足 ・たんぱく質の摂取不足が脳卒中のリスクとなる可能性が指摘されており、疫学的にもたんぱく質摂取量と脳卒中発症率との間に有意な負の関連を認めた研究が存在する。 ●たんぱく質の過剰摂取 ・健康な人でも、たんぱく質を過剰に摂取すると、1週間程度の短期では腎血行動態に変化をもたらして尿中アルブミンが増加するが、中期的には腎機能へ与える影響はほとんどない。 しかし、日本人を含む調査によれば、たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加につながる可能性がある。 ●たんぱく質エネルギー比率が20%Eを超えた場合の健康障害 ・糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、BMIの増加などが挙げられている。 最近の系統的レビューでは、これらのどの事象についても明らかな関連を結論することはできないとしながら、たんぱく質エネルギー比率が20%Eを超えた場合の安全性は確認できないと述べ、注意を喚起している。 ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
たんぱく質摂取と発症予防
●糸球体濾過量の低下 ・アメリカ人女性を対象として検討したコホート研究によると、腎機能が正常な集団ではたんぱく質摂取量の違いは推定糸球体濾過量の低下と関連しなかったが、腎機能が軽度に低下していた集団ではたんぱく質摂取量が多い群(中央値:92g/日)で推定糸球体濾過量の有意な低下が観察された。 ●糖尿病の発症 ・アメリカ人男性で検討したコホート研究では、低炭水化物食でかつ高動物性たんぱく質食の群ほど、そうでない群に比べて糖尿病の発症が有意に多く、低炭水化物食でかつ高植物性たんぱく質食の群ではこのような結果は認められなかったと報告している。 ●総死亡率 ・アメリカ人男性のコホート研究では動物性食品の摂取に基づく低炭水化物食群では総死亡率が有意に高く、逆に、植物性食品の摂取に基づく低炭水化物食群では総死亡率と循環器疾患の死亡率が有意に低かったと報告されている。アメリカ人女性のコホート研究でも同様の結果が得られている。 ●循環器疾患の発症率 ・スウェーデン人女性を対象として、低炭水化物食(=高たんぱく質食)と循環器疾患の発症率との関連を検討したコホート研究では発症率の有意な上昇を報告している。 ●高齢者の虚弱 ・高齢者(65~79歳)を対象としたアメリカにおけるコホート研究では、たんぱく質摂取量と虚弱の発生とは有意かつ直線的な負の関連が示されている。この研究ではたんぱく質摂取量によって5群に分けて虚弱の発生との関連が検討されており、最低群の摂取量は12.4%E、最高群のそれは16.0%Eであった。 ・日本で65歳以上の高齢者女性2,108人を対象としてたんぱく質摂取量と虚弱との関連を検討した横断研究では、たんぱく質摂取量が16.1%E以上の群で虚弱のリスクが有意に低かったと報告している。 ●たんぱく質摂取と重症化予防 ○循環器疾患とメタボリックシンドローム ・高たんぱく質食(多くは30%E)の影響を通常のたんぱく質食(多くは15%E)を対照として検討した介入試験のうち、介入期間が12か月間以上に及ぶ研究に限ってその結果をまとめたメタ・アナリシスによると、体重、腹囲、血清LDL、中性脂肪、収縮期血圧、拡張期血圧、空腹時血糖、HbA1cの変化には有意な差を認めなかった。 ・中年の肥満者を用いた2年間にわたる介入試験によると、高たんぱく質食群(25%E)と通常たんぱく質食群(15%E)の間で体重の変化には有意差は認められなかった。 ○糖尿病 ・肥満を有する糖尿病患者を対象として、高たんぱく質食(30%E)の効果を12か月間にわたって検討した介入試験によると、体重減少は認めたが空腹時血糖・HbA1cには有意な効果は認めなかったとする報告、体重減少・空腹時血糖・HbA1c全てで有意な効果は認められなかったとする報告がある。 ・介入期間が比較的短い試験(平均12週間)も含めて高たんぱく質食(30%E)の効果を検討した介入試験をまとめたメタ・アナリシスによると、体重、体脂肪、中性脂肪で有意な改善を認めたと報告している。 ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
ネットニュースによる関連情報
●筋肉を増やすには三食均等にたんぱく質を摂取 ・たんぱく質を朝・昼・晩と均等に配分した食事を食べた人の方が筋たんぱく質合成量が高かった ・たんぱく質の摂取量にムラのある食事より、均等に配分した食事の方が、たんぱく質を合成する時間が増え、筋肉量や筋力を維持する上で効果が大きいようだ。
●高たんぱく質食で腎臓疾患のリスクが増大? ・20匹のウィスター系ラットを用い、10匹ずつ2群に分け、一方は高たんぱく食群(餌重量の45%がたんぱく質)、他方は普通食(餌重量の10%がたんぱく質)の対照群とし、12週間にわたって実験を行った。 ・その結果、高たんぱく群は体重が10%低下したが、血中脂質の改善はみられなかった。また、尿中クエン酸が88%低下し、尿の酸度が15%増した。腎臓の重量も22%増加した。 ・研究チームは、腎臓結石やその他の腎疾患のリスクを高めるなど深刻な悪影響をもたらす潜在的危険性があるので、注意深くモニターされなければならないと警告している。