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カリウムの概要
・カリウムは細胞内液の主要な陽イオンであり、体液の浸透圧を決定する重要な因子。また、酸・塩基平衡を維持する作用がある。神経や筋肉の興奮伝導にも関与している。
・日本人はナトリウムの摂取量が諸外国に比べて多いため、ナトリウムの摂取量の低下に加えて、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と考えられる。
・カリウム摂取量を増加することによって、血圧低下、脳卒中予防につながることが動物実験や疫学研究によって示唆されている。
・日本人はナトリウムの摂取量が諸外国に比べて多いため、ナトリウムの摂取量の低下に加えて、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要と考えられる。
・カリウム摂取量を増加することによって、血圧低下、脳卒中予防につながることが動物実験や疫学研究によって示唆されている。
・細胞内の化学反応に重要であり、細胞への栄養素の輸送を調節する。 ・身体の水バランス調節を助け、細胞内でナトリウムとの体液バランスをとり、細胞膜内外に体液を分配する。 ・電解質であり、心臓や筋肉の収縮維持や神経伝達に重要な役割を果たす。 ・赤血球が酸素を輸送するのを助け、腎臓からの余分な水分の排泄を防ぐ。 ・適正な炭水化物代謝や筋肉・肝臓でのエネルギー貯蔵に必要とされる。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
カリウムの吸収
・カリウムの吸収は受動的であるが、回腸や大腸ではカリウムが能動的に放出される。大腸でカリウムが吸収されるのは大腸内カリウム濃度が25mEq/L以上のときである。
カリウムを多く含む食品
・バナナ、アンズ、レタス、ブロッコリー、ジャガイモ、新鮮な果物や果汁、ナッツ類、カボチャ、魚など。
・カリウムは野菜や果物などに多く含まれているが、加工や精製度が進むにつれて含量は減少する。
・カリウムは野菜や果物などに多く含まれているが、加工や精製度が進むにつれて含量は減少する。
カリウム不足の問題
・カリウムは多くの食品に含まれており、通常の食生活で不足になることはない。
・健康な人において、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合以外は、カリウム欠乏を起こすことはまずない。
●目標量
・2012年にWHOから提案された成人を対象とした高血圧予防のための望ましい摂取量3,510mg/日を、カリウム摂取の目標と考える。
・しかし、日本人の現在のカリウム摂取量はこれらよりもかなり少ない。
・健康な人において、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合以外は、カリウム欠乏を起こすことはまずない。
●目標量
・2012年にWHOから提案された成人を対象とした高血圧予防のための望ましい摂取量3,510mg/日を、カリウム摂取の目標と考える。
・しかし、日本人の現在のカリウム摂取量はこれらよりもかなり少ない。
カリウム過剰摂取のリスク
・カリウムは多くの食品に含まれているが、腎機能が正常であり、特にカリウムのサプリメントなどを使用しない限りは、過剰摂取になるリスクは低いと考えられる。
カリウムと生活習慣病との関連
※高血圧との関連については以下の記事参照。
高血圧と食塩、食事、肥満との関連の”DASH食、カリウム、カルシウム、マグネシウムとの関連”
高血圧と食塩、食事、肥満との関連の”DASH食、カリウム、カルシウム、マグネシウムとの関連”
・研究では、カリウムが高血圧、アレルギー、小児の疝痛を緩和し、心臓発作の予防に役立つとしている。 ・脳卒中のリスクを低減させるかもしれない。高血圧な人を対象にした研究によると、1日に少なくとも1杯のカリウム豊富な食事を摂取していた人では、致死的な脳卒中発作が40%も低かったとしている。 グリーンらによる研究結果は、バナナやカリウムの豊富な食事をとっている人では脳卒中の危険性が低いことを示している。 5600人以上の高齢者を対象とした研究では、カリウム摂取が最も低い人たちは、その後8年間以内に脳卒中を起こす確率が1.5倍になることを明らかにした。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
ネットニュースによる関連情報
●カリウムの摂取量が多い女性は、脳卒中や死亡リスクが低くなる? ・カリウムを最も多く食べている女性は、殆ど食べない女性よりも脳卒中となる可能性が12%低く、虚血性脳卒中となる可能性が16%低かった。 ・カリウムを最も多く食べている女性は、殆ど食べない女性よりも死亡する可能性が10%低かった。 ・高血圧ではない女性でカリウムを最も多く食べた人は、日常の食事中にカリウムを殆ど食べない女性と比較し、虚血性脳卒中リスクが27%低く、全脳卒中タイプのリスクが21%低かった。 ・高血圧症の女性でカリウムを最も多く食べた人は死亡リスクが低かったが、カリウム摂取で脳卒中リスクが低下することはなかった。