●牛乳の種類
　
①生乳のみ使用したもの
　
○牛乳
・生乳を加熱殺菌しただけ。
　
○成分調整牛乳
・生乳から水分、乳脂肪分、ミネラルなどの一部を減らしたもの。
　
○低脂肪牛乳
・生乳から乳脂肪分のみ減らしたもの。
　
○無脂肪牛乳
・生乳からほとんどの乳脂肪分を除去したもの。
　
②加工乳
　
・生乳に脱脂乳、脱脂粉乳、濃縮乳、クリーム、バターなどの乳製品を加えたもの。
・低脂肪タイプと濃厚タイプがある。
　
③乳飲料
　
・生乳に乳製品と乳製品以外のものを加えたもの。
・カルシウムや鉄などのミネラルやビタミンを加えた栄養強化タイプ、コーヒーや果汁などと加えたもの、乳糖を酵素で分解した乳糖分解タイプがある。
　
●各種類の特徴
　
・加工乳は生乳を主原料とし、その他の乳製品を加えて作るが、乳飲料は主原料に生乳だけでなく乳製品も入る。
　
・少しでも加工し、成分に調整を加えたものは”加工乳”となり、その中でも特に脂肪分をカットしたものが”低脂肪乳”。
　
・取り除かれた乳脂肪が、より価値の高いチーズやバターといった商品に利用されるため、”低脂肪乳”の価格を安く出来る。
　
●”低脂肪牛乳”と低脂肪の”乳飲料”、”加工乳”、低脂肪・低たんぱく質の”乳飲料”
　
・”種類別名称”が”低脂肪牛乳”の場合は、生乳が原料で乳脂肪分のみ減少したものとなっているが、”種類別名称”が”乳飲料”で、”さわやか○○”、”○○低脂肪”、”すっきり○○”と表示されている商品は、生乳以外のものが加えられていたり、たんぱく質の量も少なくなっているものがあるので注意。
　
○明治おいしい低脂肪乳
・種類別名称：低脂肪牛乳
・原材料：生乳100%
・栄養成分：脂質2.4g、たんぱく質7.8g（200mlあたり）
　
○すっきりＣa鉄（雪印メグミルク）
・種類別名称：乳飲料
・原材料：乳製品、生乳（50％未満）、ホエーチーズ／炭酸カルシウム、乳化剤、ピロリン酸鉄、葉酸、ビタミンＤ、ビタミンＢ12
・栄養成分：脂質1.2g、たんぱく質6.0g（200mlあたり）
　
○低脂肪乳（タカナシ販売）
・種類別名称：加工乳
・原材料：脱脂濃縮乳、生乳（50％未満）、クリーム
・栄養成分：脂質1.8g、たんぱく質6.4g（200mlあたり）
　
○”さわやか○○”、”○○低脂肪”、”すっきり○○”と表示されている100円前後の商品の例
・種類別名称：乳飲料
・原材料：乳、乳製品、乳糖、ビタミンＤ
・栄養成分：脂質1.4g、たんぱく質3.7g（200mlあたり）

・たんぱく質、炭水化物、脂質に加え、ミネラルやビタミンをバランスよく含んでいる。
・牛乳の炭水化物の99%は乳糖。乳糖には整腸作用があり、便秘の解消に効果的。
・カルシウムが豊富で、小魚や野菜のカルシウムより吸収されやすい。
・ビタミンB群が比較的多く、生活習慣病や老化を防ぐとされるビタミンB2が豊富。
　

・牛乳は子供たちの食生活において、飽和脂肪の最大の供給源で、4分の1を占めている。
　
※参考資料『エリック・シュローサー(2010)フード・インク 武田ランダムハウスジャパン』
  

●メラトニンと牛乳
　
・牛乳にはトリプトファンというアミノ酸の一種が含まれているが、これを摂取することで脳内でのメラトニンの生成を助ける。
メラトニンが多く分泌されると眠くなる。
　
●加齢と乳糖の分解
　
・日本人は年齢が上がるにつれて"ラクターゼ酵素"という乳糖を分解する酵素が働かなくなる人が多く、乳糖が腸内で分解されず、発酵を起こしてしまうために下痢を起こしたりする場合がある。
　
※参考資料『石川みゆき,南清貴(2011)ママのための食品添加物事典 主婦の友社』
  

●牛乳を飲むとビタミンEの吸収が良くなる？
　
・メタボ患者は、健常者に比べてビタミンEの吸収が有意に低い。
・牛乳を一緒に摂ることで、健常者の場合ビタミンEの生体利用率は29.5%高まったが、メタボ患者の場合は26.1%に留まった。

　

●有機の肉、牛乳の栄養素と非有機との違い
　
・有機の牛乳は、およそ50%多めに有益なオメガ-3脂肪酸を含み、脂肪プロファイルが望ましかった。
・有機牛乳は、共役リノール酸(CLA)が40%多めで、鉄、ビタミンE、いくつかのカロテノイドの濃度がわずかに高かった。
・非有機の牛乳は、必須ミネラルのヨウ素がより多く、セレンがわずかに少なめであった。