エクササイズ、運動トレーニング

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  1. トレーニング方法とその効果
  2. トレーニングを行うタイミング
  3. アミノ酸サプリメント
  4. シューズ、裸足
  5. ネットニュースによる関連情報

トレーニング方法とその効果

●筋肉の収縮速度、インターバルと効果
 
・筋肉を速く動かすか、ゆっくり動かすかについては、どちらでも効果はあるが、筋肉の成長を促す反応は異なっている。
 
○ゆっくり動かす(スロトレ)
・比較的軽い負荷でゆっくり動かすトレーニング。筋発揮張力維持スロー法
・ゆっくりと動かして筋肉の張力を維持
→筋肉内の血流が制限されて、筋肉が酸欠状態になる
→筋肉内で様々な化学反応が起こり、筋肉内に乳酸が蓄積されはじめる
→脳内から成長ホルモンが分泌
→筋肉が成長
・スロトレはホルモンの分泌を促して、間接的に筋肉を刺激する。この刺激をケミカルストレスという。
・乳酸が溜まって筋肉内の環境が悪くなればなるほと、このホルモンがたくさん出ることが分かっている。
 
○速く動かす(速トレ)
・素早く動作を切り返すほど、筋肉や腱に弾性エネルギーというものが蓄積し、それを利用すると、一瞬、負荷重量以上の大きな刺激が筋肉に与えられ、筋肉に微細な損傷が起こる。それがトリガーとなり、筋肉が成長する。
・上記のような刺激がメカニカルストレス
・メカニカルストレスを受ける分、筋肉が損傷し、それを収縮しようとして筋肉が成長する。
 
○インターバル
・インターバルが短いと、筋肉の代謝産物のクリアランスやエネルギー補給の時間が短いということになるので、筋肉環境が悪くなり、成長ホルモンがたくさん分泌されるという研究データもある。
・最近の研究では、インターバルを長くするか、短くするかで、長期的に見た筋トレの効果自体は変わらないということも分かってきた。
 
※参考資料『比嘉一雄(2016)忙しい人のための「自重筋トレ」 光文社』

 

●運動と成長ホルモン
 
・重量挙げやレジスタンス運動等高強度の運動を週に2,3回行うと成長ホルモン濃度が上がる。
・成長ホルモン濃度に関する限り、下半身のトレーニングが最も効果的で、少なくともトレーニング時間の半分を脚に割り当てると良い。
・長距離走はあまり効果が無く、成長ホルモン濃度は特に強く激しい運動に反応して分泌されるらしい。
 
●高強度運動
 
・筋力トレーニングのような短時間で高強度の運動では、脳内ホルモンと内分泌系に強力な影響を及ぼし、血中へのヒト成長ホルモンの放出を増加させ、IGF-1のレベルを200~400%増加させることが証明されている。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

トレーニングを行うタイミング

●食前、食後のどちらが良い?
 
○食前
・空腹時は、筋肉内に蓄えられている糖質から消費されていくので、体内に糖質が少ない状態で筋トレを行うと、筋肉を分解し、どうにか糖質を供給して燃焼するようになる。
→筋トレをしても、筋肉が分解過多になってしまう。
 
○食後
・食後は、副交感神経が優位になり、身体がリラックスモードになっている。この時は筋力発揮が弱まるので、筋トレの効果も低くなってしまう。
 
○最適なのは?
・食前・食後以外。
・副交感神経が優位なリラックス状態も過ぎていつでも力が発揮できる状態で、かつ体内にエネルギーが十分に補充されているときが理想。
 
●有酸素運動と筋トレを行うタイミング
 
・筋トレをすると成長ホルモンやノルアドレナリンといった、交感神経を活発にするホルモンが分泌されるが、この二つは脂肪を分解する作用も持っている。
・脂肪が有酸素運動で燃焼するには、まず、元々血中にある遊離脂肪酸と糖質が消費されなければならず、その後になってから脂肪細胞の中性脂肪が遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、燃焼する準備が整う。それには20分程度の時間を要すると言われている。
→筋トレを先に行って、分泌された成長ホルモンやノルアドレナリンによってあらかじめ脂肪が分解されていれば、その後の有酸素運動の開始直後から脂肪が燃焼し始める。
・有酸素運動をして脂肪が分解された状態、遊離脂肪酸が血液中にたくさんある状態から筋トレをすると、成長ホルモンが出づらくなり、筋肉が成長しにくくなってしまう。
 
※参考資料『比嘉一雄(2016)忙しい人のための「自重筋トレ」 光文社』

アミノ酸サプリメント

○プロテインのサプリメント
・多くは乳清(ホエイ)が原料。
 
○BCAA(分岐アミノ酸)
・バリン、ロイシン、イソロイシン
・BCAAは筋肉タンパク質の約35%を占め、筋肉の主要な成分となっており、より強くタンパク合成を刺激する。
・BCAAには、乳酸をつくりにくくする性質もある。
・筋損傷を防止する性質を持ち、筋肉痛になりにくくなったり、筋出力持続が長くなるといった様々なメリットがある。
・近年、BCAAの三種のアミノ酸の中で、ロイシンが最も強く筋肉の合成を高めることが確認され、"ロイシン・リッチ"という言葉も使われている。
・バリン:ロイシン:イソロイシンを1:4:1の割合で配合したサプリメントの方が、より強力に筋肉に作用することが最近の研究で確認されている。
 
○クレアチン
・クレアチンは、筋肉の中に存在する有機酸の一種で、筋肉にエネルギーを供給するために働く酵素。
・これを多いと、筋肉のガソリンである糖質のエネルギーが発揮されやすくなるので、瞬発力が上ったり、力を一気に出しやすくなる。
 
※参考資料『比嘉一雄(2016)忙しい人のための「自重筋トレ」 光文社』

シューズ、裸足

●ミッドフット、フォアフット着地
 
・足を前に出して踵で着地する従来の走法と違って、この走法では着地を体の真下に保ち、より短い歩幅で穏やかに走る。
・歩幅を広く保ち踵で着地するストライド走法は、クッションがよく効いたシューズが開発されて初めて可能になった。
 ただこの走り方だと踵はシューズで保護できても、踵に加わる力がそのままくるぶし、膝、腰に伝わり、そうした力を吸収するようにできていない各部の故障を招く。
 
※参考資料『ジョン・J.レイティ(2014)GO WILD野生の体を取り戻せ! NHK出版』

 

●シューズ、裸足
 
・毎年、全ランナーの65~80%が負傷する。誰であろうと、どれだけの距離を走ろうと、けがをする確率は変わらない。
 
○柔軟体操
・オランダの運動選手を対象とした1993年の研究。一方のランナーのグループは準備運動とストレッチのやり方を教えられたのに対し、もう一つのグループは"怪我の予防法"の指導を受けなかった。
→両グループの負傷率は全く同じだった。
・翌年、ハワイ大学で実施された後続研究によれば、ストレッチをするとかえって逆効果で、ストレッチをしたランナーは、怪我をする確率が33%も高いことが判明している。
 
○シューズの負傷予防
・2008年、オーストラリアのニューカッスル大学のクレイブ・リチャーズによると、ランニングシューズによってけがをしにくくなることを確かな根拠で示した研究はひとつもないことを明らかにした。
・スイスのベルン大学のベルナルト・マルティの研究によると、最高級シューズを履くランナーは安価なシューズのランナーに比べてけがをする確率が123%も大きい。(9.6マイルのロードレース、ベルングランプリに出場した4358人ランナーを分析)
 保護機能(高いクッション性、"プロレーション矯正"など)がついた高価なランニングシューズを履く者は、安価な(40ドル未満)シューズを履くランナーよりも怪我をする頻度が著しく大きい。
・クッション材は衝撃を緩和する役には立たない。ランニングによる脚への衝撃は体重の12倍にもなるので、クッション材の物理的な保護効果は微々たるもの。
・オレゴンの研究者が1988に報告した研究では、ランニングシューズがすり減ってクッション材が硬くなると、ランナーの足は安定してふらつきにくくなることが明らかにされている。
・足の下にクッション材のようにふわふわしたものがあるのを感じると、脚と足は本能的に強く踏ん張る。
・シューズが仕事をすれば、腱は硬くなり、筋肉はしなびる。
 
○プロネーション、内転
・プロネーションはすっかり悪い言葉になってしまったが、本来、それは足の自然な動きにすぎない。足は内転(プロネート)するようにできている。
 裸足で硬い路面を走ると、自動的に自己防衛モードに切り換わる。
→無意識のうちに足の外側で着地し、小指から親指にかけてそっと転がすようにして、足をフラットにする。ショックを吸収するこの穏やかなひねりがあるから、土踏まずは縮まるといえる。
・過度のプロネーションは踵で着地するから生じるのであって、シューズのクッションがなければ、踵で着地することはない。
 
○クッション性のシューズがない時代の走法
・背筋を伸ばし、膝を曲げ、腰の真下で足が地面を後ろにかくようにして走っていた。衝撃を吸収するのは、脚を縮める動きと中足部の厚い脂肪しかなかったので、他に選択肢はなかった。
・前足部がトラックに向かって下へ、後ろへと"なでるような"動作(たたきつけるのでも強く踏みしめるのでもなく)で動き、指の付け根の外側が最初にトラックに接する。
 
※参考資料『クリストファー・マクドゥーガル(2010)BORN TO RUN走るために生まれた 日本放送出版協会』

ネットニュースによる関連情報

●レジスタンストレーニングによって骨形成が促進
 
・25~60歳の男性で骨量が低い者を2群に分けて検討した。
 第1群ではランジやスクワットなどのウェイトトレーニングをフリーウェイトを用いて行わせ、第2群ではシングルレッグ、ダブルレッグでの様々な種類のジャンプ運動を行わせた。
・その結果、両群ともに、骨形成阻害作用を持っている骨中たんぱくスクレロスチンの分泌量が低下し、骨成長に関わるホルモンであるIGF-1が増加するということが明らかとなった。
・スイミングやサイクリングなどは全般的な健康維持のために有益であるが、これらの運動は骨に対して負荷を加えないという点で、骨格を強化することは期待できない。本研究で用いられたようなレジスタンストレーニングが推奨される。

 

●BCAAサプリメントは単独の摂取では期待ほどの効果はない?
 
・重量挙げ選手を対象にジムでの筋力トレーニングセッション後、BCAA5.6gを含むサプリメントとプラセボのいずれかを摂取してもらい比較。
・その結果、BCAAサプリメントはプラセボと比べると、わずかに筋成長反応を高めたが、他のアミノ酸も含むホエイプロテインサプリメントを摂取した場合は、筋肉の反応が倍以上に増えた。
・BCAAサプリメントだけを摂取する一般的なやり方は、筋たんぱくの合成(筋肉の増強をもたらす代謝メカニズム)を活性化するものの、総合的な反応は最大にはならないことが示された。BCAAサプリメントには最大の反応に必要な、他のアミノ酸が含まれていないからと研究者は述べている。

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