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トランス脂肪酸とは?
・不飽和脂肪酸には、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があり、天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素の二重結合がすべてシス(cis)型。
これに対して、トランス(trans)型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめて”トランス脂肪酸”と呼ぶ。
これに対して、トランス(trans)型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめて”トランス脂肪酸”と呼ぶ。
トランス脂肪酸の生成
・常温で液体の植物油や魚油から半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つである”水素添加”によってトランス脂肪酸が生成する場合がある。
・水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれている。
・工業由来のトランス脂肪酸を含む油脂を摂取すると、冠動脈疾患のリスクになることが幾つかの大規模コホート研究で示されている。
・自然界に存在するトランス脂肪酸(大部分はバクセン酸)は、反芻動物の胃で微生物により生成され、乳製品、肉の中に含まれているが、冠動脈疾患のリスクにはならないことが多くの研究で示されている。
・個々の食品で工業由来のトランス脂肪酸含有量は大きく異なり、ショートニングでは1~31%の幅がある。
・水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれている。
・工業由来のトランス脂肪酸を含む油脂を摂取すると、冠動脈疾患のリスクになることが幾つかの大規模コホート研究で示されている。
・自然界に存在するトランス脂肪酸(大部分はバクセン酸)は、反芻動物の胃で微生物により生成され、乳製品、肉の中に含まれているが、冠動脈疾患のリスクにはならないことが多くの研究で示されている。
・個々の食品で工業由来のトランス脂肪酸含有量は大きく異なり、ショートニングでは1~31%の幅がある。
●食用油脂、合成油脂 ・植物油に水素を結合させると固体になる。食用油脂、合成油脂 ・食用油脂は、原料油脂の選択、水素の結合の量を調節すれば固さを調節できる。 ・食用油脂は添加物ではなく、食品なので非表示。 ・この油脂に動植物油脂、乳化剤等を加えてショートニングを作ることもある。サクサク感、砕けやすさがでる。 ※参考資料『小薮浩二郎(2010)悲しき国産食品 三五館』
トランス脂肪酸の摂取状況
・平成15年~平成19年の国民健康・栄養調査の結果を用いて算出すると、工業由来のトランス脂肪酸摂取量の中央値は、男性で0.292g/日(0.13%E)、女性で0.299g/日(0.16%E)、年齢別では若年層に多く、男性15~19歳で0.439g/日(0.17%E)、女性7~14歳で0.409g/日(0.20%E)であった。
アメリカのNHANES Ⅲ 1988~1994年の調査では、20~59歳のトランス脂肪酸摂取量の平均値は5.6g/日(2.2%E)で、日本人のトランス脂肪酸摂取量はアメリカ人に比べかなり少ない。
アメリカのNHANES Ⅲ 1988~1994年の調査では、20~59歳のトランス脂肪酸摂取量の平均値は5.6g/日(2.2%E)で、日本人のトランス脂肪酸摂取量はアメリカ人に比べかなり少ない。
トランス脂肪酸と循環器病(動脈硬化、心疾患、脳卒中、糖尿病)
・日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクを高めることが示されている。
・脂肪酸は人の細胞膜を構成する成分で、健全な細胞膜はシス型の脂肪酸を持っている。トランス脂肪酸を摂取するとトランス型の脂肪酸が細胞膜に取り込まれ、動脈硬化を促進。 ※参考資料『小薮浩二郎(2010)悲しき国産食品 三五館』
●トランス脂肪酸と炎症 ・炎症性サイトカインIL-1β(インターロイキン1β)やTNF-αを増加させ、慢性炎症を引き起こし、動脈硬化、肥満、糖尿病を増加させる。 ※参考資料『金子義保(2012)炎症は万病の元 中央公論新社』
※%E(エネルギー比率) 総エネルギー摂取量に占める割合 ○冠動脈疾患との関連 ・2011年のコホート研究のメタ・アナリシスで、工業由来のトランス脂肪酸の最大摂取群は最小摂取群に比較し冠動脈疾患罹患の相対危険が1.30倍増加することが示されている。 しかし、喫煙、糖尿病、高血圧症など他の主要な冠動脈疾患危険因子のオッズ比が日本人で3~8倍程度であることに比べると、トランス脂肪酸の冠動脈疾患リスクはかなり小さい。 ○糖尿病との関連 ・四つの大規模観察研究の中でNurses’Health研究のみが糖尿病罹患のリスクになることを示していて、他の三つの研究では関連は見いだされていない。 ・2012年に発表された介入研究のメタ・アナリシスでは、トランス脂肪酸摂取量を2.6~9.0%E増加させても、インスリンや血糖値の増加は認められていない。 ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
ネットニュースによる関連情報
●トランス脂肪酸の摂取が多いと記憶機能が低下? ・1,018名の男女を対象に食事調査と記憶力試験(単語の思い出し)を実施したところ、45歳以下の男性の場合、平均で86語の単語を思い出すことができたが、トランス脂肪酸の1日摂取量が1g高まるごとに成績が0.76語ずつ低下した。
トランス脂肪酸とコレステロール値
・トランス脂肪酸は血清LDL濃度を上昇させると同時にHDL濃度を低下させるために、その比を上昇させ、この作用は同量の飽和脂肪酸よりも強いことが知られている。 ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書