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鉄の概要
・鉄は赤血球のヘモグロビンと結合して、酸素の運搬や細胞呼吸において重要な役割を担っている。
・各種酵素を構成し、その欠乏は貧血や運動機能、認知機能等、免疫機能の低下を招くことがある。
・体内の鉄の約2/3が、酸素を組織に輸送する赤血球のタンパク質であるヘモグロビン中に存在する。
筋肉への酸素供給を助けるタンパク質であるミオグロビンや、生化学反応を補助する酵素の中にも少量の鉄がある。
・各種酵素を構成し、その欠乏は貧血や運動機能、認知機能等、免疫機能の低下を招くことがある。
・体内の鉄の約2/3が、酸素を組織に輸送する赤血球のタンパク質であるヘモグロビン中に存在する。
筋肉への酸素供給を助けるタンパク質であるミオグロビンや、生化学反応を補助する酵素の中にも少量の鉄がある。
○アンチエイジングで期待されている効果 ・筋力や運動能の改善、倦怠感の予防にも用いられる。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
鉄の吸収
●鉄吸収量
・鉄吸収量とは、体が食品から得て利用する食事由来の鉄の量のこと。
・食品から摂取した鉄は小腸で吸収されるが、その吸収量は1日に1~1.5mgと極めてわずかで、食物中の鉄の大部分(10~20mg)は糞中にそのまま排泄されてしまう。
・吸収率は体内の貯蔵鉄量や一緒に摂取する食物成分により大きく変わる。
●鉄貯蔵と鉄吸収
・鉄代謝には恒常性維持機構が強く働いており、体内鉄が減少すると、吸収率は高くなり排泄量は少なくなる。
・鉄貯蔵量は腸管からの鉄吸収によって調節されている。
・鉄吸収量は体内の鉄貯蔵量が少ないと増加する。
・鉄貯蔵量が多ければ、過剰摂取による毒性作用を防ぐために吸収が低下する。
●食事由来の鉄の種類と鉄吸収率
・食品中の鉄の主な形態は、たんぱく質と結合したヘム鉄と無機鉄である非ヘム鉄に分けられる。
○ヘム鉄
・食肉タンパク質由来のヘム鉄は効率よく吸収される。
・ヘム鉄の吸収率は15%~35%。
・食事内容による影響をあまり受けない。
○非ヘム鉄
・米、トウモロコシ、黒豆、大豆、小麦などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収率は2%~20%。
・非ヘム鉄の吸収率は、食品中のさまざまな成分によって大きく左右される。
・食肉たんぱく質、アミノ酸、ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を向上させる。
・タンニン(お茶に含まれる)、カルシウム、ポリフェノール類、フィチン酸塩(豆科植物および全粒穀物に含まれる)、シュウ酸は非ヘム鉄の吸収を低下させる。大豆に含まれるたんぱく質の一部も非ヘム鉄の吸収を阻害する。
・鉄吸収量とは、体が食品から得て利用する食事由来の鉄の量のこと。
・食品から摂取した鉄は小腸で吸収されるが、その吸収量は1日に1~1.5mgと極めてわずかで、食物中の鉄の大部分(10~20mg)は糞中にそのまま排泄されてしまう。
・吸収率は体内の貯蔵鉄量や一緒に摂取する食物成分により大きく変わる。
●鉄貯蔵と鉄吸収
・鉄代謝には恒常性維持機構が強く働いており、体内鉄が減少すると、吸収率は高くなり排泄量は少なくなる。
・鉄貯蔵量は腸管からの鉄吸収によって調節されている。
・鉄吸収量は体内の鉄貯蔵量が少ないと増加する。
・鉄貯蔵量が多ければ、過剰摂取による毒性作用を防ぐために吸収が低下する。
●食事由来の鉄の種類と鉄吸収率
・食品中の鉄の主な形態は、たんぱく質と結合したヘム鉄と無機鉄である非ヘム鉄に分けられる。
○ヘム鉄
・食肉タンパク質由来のヘム鉄は効率よく吸収される。
・ヘム鉄の吸収率は15%~35%。
・食事内容による影響をあまり受けない。
○非ヘム鉄
・米、トウモロコシ、黒豆、大豆、小麦などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収率は2%~20%。
・非ヘム鉄の吸収率は、食品中のさまざまな成分によって大きく左右される。
・食肉たんぱく質、アミノ酸、ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を向上させる。
・タンニン(お茶に含まれる)、カルシウム、ポリフェノール類、フィチン酸塩(豆科植物および全粒穀物に含まれる)、シュウ酸は非ヘム鉄の吸収を低下させる。大豆に含まれるたんぱく質の一部も非ヘム鉄の吸収を阻害する。
・鉄とリン酸が水に不溶性の塩を形成するので、リン酸含量の多い食品は避けたほうがよい。とくに、食品添加物にリンが多量に含まれている場合があるので注意する。 ・ビタミンCなどの還元性物質があると鉄の吸収が促進される。 ※参考資料『谷腰欣司(2006)トコトンやさしいミネラルの本 日刊工業新聞社』
鉄を多く含む食品
・鉄摂取に有効的な食品として、豆類・種実類・藻類・肉類などが挙げられる。
ほしひじき、焼き海苔、いりゴマ、切り干し大根、カットわかめ
豚のレバー、鶏のレバー、卵黄
ほしひじき、焼き海苔、いりゴマ、切り干し大根、カットわかめ
豚のレバー、鶏のレバー、卵黄
鉄不足の問題
・急激な成長を伴う年長乳児や幼児、月経血損失のある女性、鉄要求量の増加する妊婦・授乳婦で鉄不足が多く見られる。
・鉄不足は食物からの摂取不足、出血による鉄の喪失、吸収障害などによって起こる。
・鉄不足の代表的な症状は貧血で、運動機能や認知機能の低下、体温保持機能の低下、免疫機能の低下などがみられることがある。
・鉄不足は食物からの摂取不足、出血による鉄の喪失、吸収障害などによって起こる。
・鉄不足の代表的な症状は貧血で、運動機能や認知機能の低下、体温保持機能の低下、免疫機能の低下などがみられることがある。
○激しい運動による鉄不足 ・ジョギング、競泳、サイクリングなどの激しい運動を定期的に行っている人の多くでは、体内の鉄量が基準値ぎりぎりであるかまたは不足している。 ・原因としては、ランニング後の消化管失血や赤血球の代謝周期が加速することなどが考えられる。また、ランニング中に足の中で赤血球が破裂する可能性もある。 従って、定期的に激しい運動を行う人の鉄必要量は30%増加すると考えられる。 ※参考情報 鉄 | 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
鉄過剰摂取のリスク
・健康な人が通常の食事によって鉄の過剰症を起こすことはほとんどない。
・鉄は過剰摂取によって毒性が認められるため、食事摂取基準でも上限量が設けられている。
・鉄は過剰摂取によって毒性が認められるため、食事摂取基準でも上限量が設けられている。
鉄と生活習慣病との関連
○鉄欠乏の骨への影響 ・スペインの若い女性を対象とした研究では、鉄欠乏状態では、カルシウム摂取量が適正であっても骨吸収(破骨細胞により古くなった骨が分解され破壊されていく現象)が高まり、骨の健康に負の影響を及ぼすことが示されている。 ○鉄過剰摂取と炎症、心疾患 ・鉄の過剰摂取によって体内に蓄積した鉄は、酸化促進剤として作用し、組織や器官に炎症をもたらし、肝臓がんや心臓血管系疾患のリスクを高める。 特に、赤身肉からのヘム鉄の過剰摂取がメタボリックシンドロームや心臓血管系疾患のリスクを上昇させるという報告がある。 ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
ネットニュースによる関連情報
●鉄不足と血栓、脳卒中との関連 ・この数年、鉄欠乏が成人・子どもを問わず虚血性脳卒中の危険因子になることが、いくつもの研究で示されている。 ・鉄欠乏により血小板の粘着性が増加し、さらに血小板同士がくっつくことで血液が固まり始めることを発見した。