メラトニンの働き、睡眠や生体リズムとの関係

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  1. メラトニンの働きの概要
  2. メラトニンと生体リズム、睡眠
  3. 加齢の影響
  4. 食べ物、運動との関連
  5. 認知症との関連
  6. ネットニュースによる関連情報

メラトニンの働きの概要

・太陽光、食事とともに生体リズムを守る三要素の一つ。
・睡眠の質を改善し、寝つきをよくする。
・松果体から分泌され、24時間のリズムがある。
・脳にある体温中枢に働きかけ、脳の温度を下げ、眠りにつきやすい環境を作る。
・加齢とともに低下。
・メラトニンが不足すると心筋梗塞や脳梗塞が増える。
 悪玉のホルモン(アルドステロンなど)が増え、ミネラルの量がアンバランスになるのが原因
・全身の血管にはたらきかけ、血圧を下げ、夜の隠れ高血圧を改善。
・心臓と、心臓の血管に作用して、昼間に傷ついた部位を修復、脳梗塞を予防。
・骨に働きかけ、骨粗鬆症も治す。
・自律神経を調節し、免疫機能を賦活し、発がんを抑える。老化の速度を遅らせる。
・夜間に光にあたると分泌が抑制される。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

メラトニンと生体リズム、睡眠

●冬季の気分、睡眠時間
 
・日照時間が短くなってくるとともに睡眠時間は長くなる。
冬に意欲が低下し、不安感や抑うつ気分が強くなるのは、メラトニンが減り、昼夜の気温差が変化する事に起因している。これが睡眠時間が長くなる事につながっている。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

 

・松果体中に大量に存在し、眼からの光が概日リズムを合わせるのを助けるメカニズムにかかわる。
・生物時計のある視交叉上核と松果体は連結していて、メラトニンの放出は視交叉上核の一種の調節因子とみなすことができる。
・老人では松果体は石灰化して能力が低下、メラトニンの産生が減少、概日リズムが低下(平板化)する。
・メラトニンは夜間に血液中に放出、体温のリズムの逆になっていて、午前4時の体温が一番低い時間にピーク。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

 

・メラトニンは夜間に多く分泌される。
・メラトニンは睡眠ホルモンとして知られているが、実際には24時間のリズムの調整にも役立っている。
・太陽が沈むと分泌され、睡眠に備えて体の機能の速度を落とし、血圧を下げ、深部体温(核心体温)を下げる。
 メラトニンの量が増えると、深く眠ることができ、ひいては、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、男女の性ホルモンを健康的なレベルに保つことができる。
 
※参考資料『デイビッド・B.エイガス(2013)ジエンド・オブ・イルネス 日経BP社』

 

・朝、体内時計がリセットされてから14~16時間くらいして周囲が暗くなると、脳内でメラトニンが、セロトニンから作られる。
・明るいうちはセロトニンからメラトニンを合成する酵素の働きがブロックされているが、暗くなるとこのブロックが解除されてメラトニンが生じる。
・人は深部体温が下がると眠りやすくなるが、メラトニンには深部体温を下げる働きがある。それと同時に、副交感神経が優位となり、体温や血圧を下げて休息モードへと誘導する。
・パソコンやタブレットが発するブルーライトは少量でもメラトニン分泌を抑制するので注意する。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社

 

●ブルーライトの悪影響
 
・スマホやパソコンから出ているブルーライトは、黒目を通り抜けて、網膜にまでダメージを与えてしまう。加齢黄斑変性症という病気を増やしてしまう。
・ブルーライトが網膜に当たるとメラトニンの分泌が抑えられてしまう。
太陽光に含まれるブルーライトを朝に浴びると体内時計がリセットされるが、夜寝る前にブルーライトを浴びると目がさえてしまい眠れなくなってしまう。
 
※参考資料『松井宏夫(2016)長生きできる人とできない人の習慣 日刊スポーツ連載』

加齢の影響

・加齢に伴って、成長ホルモン、性ホルモンなどのホルモンやドーパミン、セロトニン、メラトニン、エンドルフィンなどの神経伝達物質の合成や分泌が徐々に減少する。
 
※参考資料『室伏きみ子(2005)ストレスの生物学 オーム社』

 

・老人では松果体は石灰化して能力が低下、メラトニンの産生が減少、概日リズムが低下(平板化)する。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

食べ物、運動との関連

・糖質とともに、メラトニンを作るトリプトファンという必須アミノ酸が多く含まれる良質のたんぱく質とビタミンB6の摂取が有効。
 
※トリプトファンを多く含む食品
肉類(牛肉レバー、鶏肉、豚肉)、魚介類(まぐろ、かつお、いわし、鮭など)、牛乳などの乳製品、豆乳
 
※ビタミンB6を多く含む食品
マグロ、かつお、いわし、大豆、納豆、のり
 
・ゴマや胡桃などの植物種子や青魚に含まれる不飽和脂肪酸を十分に摂るとメラトニンが大幅に増える。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

 

●適度な運動を習慣づける
 
・メラトニンは、脳の松果体だけではなく、小腸や胃、そして卵巣や精巣、脊髄や骨や皮膚などでも作られている。
 そしてメラトニンの信号を受ける受容体は心臓、血管、肺、肝臓、腎臓など全身にある。
昼間に運動すると、これら松果体以外の部位でメラトニンが多く作られ、これが快眠につながる。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

認知症との関連

睡眠と認知症の”メラトニン、生体リズムと認知症”参照。

ネットニュースによる関連情報

●メラトニンサプリの小児への使用に対する警告
 
・メラトニン・サプリメントを小児に使用することは、彼らの成長後に深刻な副作用をもたらす可能性がある。
・小児や思春期における睡眠障害に対するメラトニンの使用には確かで長期にわたる安全性を確認した研究が存在しない。
・メラトニンが与える恩恵はわずかであることと、体内での作用を考えれば、子供たちの安全性を脅かしてまで使う価値があるとは思えない。

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