レム睡眠とノンレム睡眠の特徴

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 睡眠の段階
  2. レム睡眠
  3. ノンレム睡眠


※レム睡眠、ノンレム睡眠と記憶の関係については以下の記事参照。
睡眠と記憶の関係

睡眠の段階

・以下のように睡眠の段階は、ノンレム睡眠とレム睡眠に分かれ、ノンレム睡眠はステージ1~4に分けられる。
①ノンレム睡眠
・ステージ1:眠りに落ちる段階。
・ステージ2:睡眠紡錘波。眠りが深くなった状態。
・ステージ3、4:徐波睡眠(SWS)、深い眠り。
 
②レム睡眠
・レム睡眠の長さと徐波睡眠の長さが反比例の関係で変化する。眠りについたばかりは徐波睡眠が長くてレム睡眠が短い。
・ノンレム睡眠の間は、脈拍数と体温はわずかに下がるが体に関する変化はそのほかにあまりない。
 
※参考資料『ペネロペ・ルイス(2015)眠っているとき、脳では凄いことが起きている インターシフト』

 

・入眠→ノンレム睡眠→レム睡眠を90分ごとに繰り返す。
・睡眠の約75%はノンレム睡眠。
 
※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』

 

・ノンレム睡眠から始まり、90分周期でレム睡眠が入り込んでくる。
 
○レム睡眠
・筋肉を弛緩させエネルギー消費を抑えて体を休める。
 
○ノンレム睡眠
・ステージ3、4が深睡眠、徐波睡眠。
・脳代謝を落として、大脳皮質を冷却・休養させる。
・睡眠の初期に深い睡眠が多く観察され、その後はステージ2よりも浅いノンレム睡眠が増える。
 
※参考資料『三島和夫,川端裕人(2014)8時間睡眠のウソ。 日経BPマーケティング』

レム睡眠

・脳は、覚醒時と同等またはそれ以上に強く活動。
・感覚系(視床でカット)や運動系(脊髄でカット)が遮断されているため、身体は眠った状態。
→レム睡眠時、大脳皮質は覚醒時よりも強く活動しているので、脳を外界と遮断しておかないと身体の機能が暴走して眠ったまま動き出してしまう?
・眼球だけは不規則に様々な方向に動いている。
・交感神経と副交感神経の両方が活性化されている。そのために心拍数、呼吸数が増えるとともに陰茎の勃起が起こる。
・体温調節機能は、ほぼその機能を停止する。
・脳幹の橋の橋被蓋(レム睡眠を駆動する中枢、アセチルコリン)で活動が高くなる。
・扁桃体や海馬が活動する。
 
※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』

 

・夢の中で、喜怒哀楽を感じるのは大脳辺縁系が目覚めているから。
・視覚を担う後頭葉が目覚めているためか、眼球が何かを探すように上下左右にきょろきょろと忙しく動き回っている。
・自律神経の嵐。交感神経と副交感神経が入り乱れる。
 
※参考資料『大塚邦明(2014)眠りと体内時計を科学する 春秋社』

 

・レム睡眠はいくら長く起きていた後でも増えることはなく、睡眠が進むにつれて増え、とくに睡眠の最後の頃にもっとも顕著になる。
 レム睡眠は、覚醒状態からの回復には関係なく、睡眠からの覚醒に関係。
 
・レム睡眠は体内時計に影響を受けており、睡眠の終わりに増加する理由の一部は、これにつれて体温が一日の谷底から上昇する事にある。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

ノンレム睡眠

・大脳皮質のニューロンの活動が低下し、だんだんと同期して発火。
・脳が全身の筋肉に指令をする事も少なくなるので、筋の活動は少なくなる。必要に応じて寝返りなど、運動をすることは可能な状態。
・体温も下がり、エネルギー消費も少なくなる。
・交感神経が弱まり、副交感神経の機能が亢進する。そのため、血圧や心拍数は下がり、消化器系の機能が亢進する。
・脳の中では、睡眠中枢(視床下部の視索前野)のみ活動が高くなる。
・言語中枢を含む左側頭葉や左前頭葉の領域の活動低下が強く現れる。
→覚醒中によく使われた部位に強い睡眠。
→ローカルスリープ(局所睡眠)、大脳皮質のコラム構造単位で制御
 
※参考資料『櫻井武(2010)睡眠の科学 講談社』

 

・長く起きていればいただけ深い睡眠は多くなる(特に始めの一つか二つの睡眠サイクル)。体内時計の影響はほとんど受けない。
 深い睡眠は大脳皮質の回復と密接に関係。特に前頭葉。
 
※参考資料『ジム・ホーン(2011)眠りの科学への旅 化学同人』

 

●睡眠と疲労
 
・徐波睡眠のときに脳の疲労回復が進められる。
・眠っている間は大脳も自律神経も昼間と比べて活動量が落ちるので、疲労回復因子の働きが疲労因子を上回り、脳の疲労が回復する。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

 

●加齢と睡眠
 
・加齢とともに徐波睡眠が減少する。
・徐波睡眠の減少は、成長ホルモン分泌の低下と関連している。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

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