人類の進化とミトコンドリア

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 分子進化の中立説
  2. ミトコンドリアDNAの母系遺伝

分子進化の中立説

・DNA変異が次世代に受け継がれることについては、種の淘汰や適応などとはまったく無関係に蓄積されてゆく。
→時間とともに一定の割合で変異が起こるのであれば、変異の頻度を調べる事によって生物の進化の系統樹を描くことができる。
 二つの生物のDNAを比較した場合、変異の度合いが大きければ大きいほど、古い時代に分岐した種だということになる。
 
・ミトコンドリアDNAもこの中立的な変異が起こるが、活性酸素の攻撃を受けやすいので、核DNAより10倍早い。分子進化学の立場ではミトコンドリアDNAの方が10倍細かい目盛りを持つ時計。
 
※参考資料『瀬名秀明,太田成男(2007)ミトコンドリアのちから 新潮社』

ミトコンドリアDNAの母系遺伝

・哺乳類の場合、卵子の中には約10万個、精子の中には約100個のミトコンドリアがあるが、精子が卵子の中に入ると精子のミトコンドリアはすぐに分解されてしまう。
 精子が泳いでゆくとき、鞭毛が激しく運動するためにはたくさんの活性酸素が生じて、ミトコンドリアDNAはかなり損傷を受けて短くなってしまうことがある。
 ↓
このようなミトコンドリアDNAをそのまま子に伝えてしまったら健康な受精卵を育てることはできない。
 
※参考資料『瀬名秀明,太田成男(2007)ミトコンドリアのちから 新潮社』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください