自律神経系の乱れと免疫

自律神経系の乱れと免疫の関わりについてメモ書きしています。

●自律神経系の乱れと免疫細胞
 
・交感神経が優位になると顆粒球の数が増え、リンパ球の数が減る。副交感神経が優位になると逆になる。
 
○交感神経が優位 顆粒球
 
・顆粒球は、怪我などで血管内に侵入してきた比較的大きな細菌を食べて殺してくれる免疫細胞。全身免疫。
 
・強いストレスや緊張で交感神経の働きが強くなると、けがをしていないのに顆粒球の数が増えてしまう。
 病原菌ではなく自分の体の細胞を顆粒球が出す活性酸素によって攻撃されてしまい、からだの中でも特にデリケートな粘膜の細胞が真っ先に炎症を起こしてしまう。
→胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎などの炎症疾患
 
・顆粒球による自身の細胞に対する攻撃がさらに続くと、突然変異によるガン細胞の発生率が上がる。
 
○副交感神経が優位 リンパ球
 
・リンパ球が増えすぎると免疫システムに異常が起き、外敵や異物に対して過剰な反応をするようになる。
→花粉症、アトピー、喘息、食物アレルギーなどのアレルギー疾患
 
最悪の場合は、自身の健全な細胞まで敵、異物として誤検知して攻撃してしまうようになる。
→クローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチをはじめとする膠原病などの自己免疫疾患
 
※参考資料『澤田幸男,神矢丈児(2015)著腸が寿命を決める 集英社』

 

・交感神経や副交感神経は、免疫を担当している器官(胸腺、リンパ節、骨髄、脾臓など)にも分布しており、これらの器官の血流を調節する。それだけでなく、白血球にも直接作用して免疫反応を調節する。
 
①交感神経
 
・アドレナリンβ受容体を介して調節を受け、NK細胞活性低下
・グルココルチコイド分泌→リンパ球衰弱、マクロファージの活性低下
・顆粒球の数、活性を調節。生体が活動するときは、細菌などの外敵に出会うことが多いため?
・消化管運動、消化液分泌を抑制
 
②副交感神経
 
・リンパ球が活性化。食事をするようなときに副交感神経が働くが、消化吸収に伴って異物が組織に侵入する可能性があるため?
 
※『室伏きみ子(2005)ストレスの生物学 オーム社』

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