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- ブロッコリー
- カリフラワー
- かいわれだいこん
- もやし
ブロッコリーの効能の概要
・アブラナ科の野菜には、グルコシノレート類と呼ばれる抗がん作用のある生理機能成分が含まれていることから、がん予防が期待できる食べ物の上位にランクづけられている。 アメリカの国立ガン研究所が作成したがん予防効果が期待できる食品リストには、ブロッコリーが上位にランクづけられている。 ・ブロッコリーの抗がん性物質としてはスルフォラファンがよく知られるようになった。とくに、ブロッコリーの発芽部分に多く、成熟したブロッコリーの20倍も含むものがあり、もやし状のものがスプラウトの名で出回り、健康食品として人気を博している。 ・ブロッコリーは抗酸化性ビタミンや食物繊維による抗がん作用もある。 ・100g中にたんぱく質が4.3gと野菜としては多く、牛乳130mlに相当する。しかも、穀類に不足しがちな必須アミノ酸のリジンもバランスよく含み、良質のたんぱく質である。 ・ミネラルでは、カリウムが多く、リンや鉄も比較的多く含まれる。 ・ビタミンは、カロテン、E、Cがともに多い。Cの量は、ほうれんそうやこまつなの約3倍。 そのほかに、ビタミンK、B1、B2、ナイアシン、B6、パントテン酸、葉酸なども豊富。 ・不溶性の食物繊維が多く、水溶性の食物繊維も多く含まれている。 ・栄養価の高いブロッコリーを効果的に利用するには、ゆでると有効成分の減少が大きいので、少量の水での蒸しゆでや蒸し煮がよい。水を使わず、生を炒めたり揚げるのも成分の損失が少ない。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・ケルセチンは、活性酸素の発生を防ぐ働きがある。 ※ケルセチンについては以下の記事参照。 ポリフェノールの概要、効果、健康影響の"ケルセチン" ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・ブロッコリーは、遺伝子発現に影響を与え、がんや心臓病などの予防に大きな役割を果たす。 ・抗酸化物質(アンチオキシダント)、ビタミン、食物繊維を豊富に含む。 ①がんと心臓病の予防に効果 ②関節炎とぜんそく症状を和らげる。 ③視力の維持に役立つ。 ④免疫システムを強化する。 ※参考資料『トム・ラス(2015)座らない! 新潮社』
・アブラナ科の野菜に特徴的な硫黄を含む栄養素が豊富。 ・ブロッコリーをたくさん食べている人は、膀胱がんと前立腺がんの発生率が低減するという研究結果がある。 ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
・スルフォラファンを含み、がん予防効果が期待される。 ・1990年、アメリカの国立がん研究所が発表した"がん予防効果が期待できる食品群"に含まれ、胃潰瘍の原因とされるピロリ菌を抑制する作用も優れている。 老化を予防する抗酸化作用が長く続くことでも知られ、その持続時間は約3日と言われる。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
スルフォラファン
・体内の解毒酵素の働きを高めて、グルタチオン・S・トランスフェラーゼの生成を促進する働きがあり、肝臓の解毒作用を促進させる。 ・胃がんの原因であるピロリ菌に対する殺菌効果も認められる。 ※参考資料『佐竹元吉(2016)機能性野菜の科学 日刊工業新聞社』
・アブラナ科の野菜に多く含まれるスルフォラファンには、強い抗酸化作用に加えて、シミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制する効果が知られている。 ・ブロッコリースプラウトには、成長したブロッコリーの20~50倍ものスルフォラファンが含まれている。 ・強い抗酸化力で細胞の老化を防ぐうえ、発がん物質を無毒化する酵素をサポートする働きもある。 ・花粉症等のアレルギー反応の抑制にも役立つと言われている。 ・肝臓のダメージを軽減する働きや、胃がんや胃潰瘍の原因となるピロリ菌に対する殺菌作用や炎症を抑える働きもあることが分かっている。 ※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』
ネットニュースによる関連情報
●スルフォラファンとがんとの関係 ・咽頭がん多発性の素因を持つマウスを用いて、スルフォラファンを数か月にわたって投与した結果、腫瘍の発生率と数が有意に減少することを発見した。
スプラウト
・ブロッコリーや大根等のアブラナ科のスプラウトに、がん予防に効果的なスルフォラファンが含まれていることが分かった。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
・発芽したばかりの新芽を食べる野菜の総称。 ・植物は発芽する際に多くの栄養素や成分を合成するため、スプラウトは各種のビタミン、ミネラルを豊富に含んでいる。 ※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』
カリフラワーの効能の概要
・ブロッコリーなどとともにアブラナ科の野菜の抗がん性に期待が寄せられている。 その作用物質についてはビタミンCも関係しているが、肝臓の解毒作用を強化する成分や生体内で腫瘍壊死因子をつくる成分などによるものとされている。 ・ビタミンCが多く、生ではみかんの2倍、ゆでても1.5倍含まれている。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・カリフラワーに含まれるビタミンCは、ゆでても損失が少なくてすむ。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・スルフォラファンやグルコラファニンを含むため、膀胱がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん、卵巣がんのリスクを低減する。 ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
・アブラナ科野菜特有の成分、アリルイソチオシアネートとビタミンCとの相乗効果によるがん予防の効果も注目される。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
かいわれだいこんの効能の概要
・だいこんやクレソン、からしなどと同じ辛味成分が含まれている。 この辛味は含硫化合物で、生で利用すると酵素が作用して辛味成分が生じる。生じた辛味成分は抗酸化作用がある。また、辛味に変化しなかった元の成分にも肝臓の機能を高めて発ガンを抑制する作用があることが確認されている。 ・カロテン、ビタミンCが豊富。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
もやしの効能の概要
・アスパラギン酸というアミノ酸が多く含まれている。アスパラギン酸は代謝を高め、アンモニアの排泄を促す作用がある。 ・もやしの種類によって栄養価に差があり、大豆もやしは豆も食べるので良質の大豆タンパク質が含まれている。タンパク質の含有量は木綿豆腐の半分強。 ・大豆もやしはカリウムのほかビタミンE、K、B1、パントテン酸や食物繊維もかなり含み栄養価が高い。 ・ブラックマッペもやし(けつるあずき)と緑豆もやしは、栄養価に大差が無く、いずれの栄養素もとくに多いものはない。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・植物性たんぱく質をはじめ、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄など豊富な栄養素を多量に含む。 ・スタミナ増強に役立つアスパラギン酸も含まれている。 ・デンプンの消化を助ける酵素のアミラーゼも含み、胃腸を整える効果がある。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・発芽時に生成されるアミラーゼは、消化を助ける働きをもつ。 ・消化酵素アミラーゼは、デンプンをブドウ糖などに分解する酵素。消化を助けて胃腸を整える働きがあり、食欲不振を改善する効果がある。 熱に弱いので、食べるときはサッと湯通しする程度にするのがよい。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
大豆もやし
・もやしのイソフラボン含有量は、大豆もやしが緑豆もやしの2.4倍あることが判明。この結果を利用して大豆もやしは機能性表示食品の申請が認められた。 ※参考資料『佐竹元吉(2016)機能性野菜の科学 日刊工業新聞社』