ポリフェノールの概要、効果、健康影響

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  1. ポリフェノールの概要
  2. 主なポリフェノールと特徴
  3. フラボノイド
  4. アントシアニン
  5. クルクミン
  6. そば、ルチン
  7. ケルセチン
  8. ヘスペリジン
  9. ネットニュースによる関連情報

ポリフェノールの概要

●ポリフェノールとは?
 
・たくさんの(ポリ)フェノール(水酸基)という意味で、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を持つ植物成分の総称。
・ほとんどの植物に含有され、その数は5,000種以上に及ぶ。
 
○ポリフェノールと鉄の吸収の阻害
以下の記事参照。
ミネラル 鉄の概要の”鉄の吸収”
 

・複数の水酸基が結合したベンゼン環を持つ化合物の総称で多価フェノールともいい、多くは配糖体という形で存在する。
・強力な抗酸化作用がある。
・ポリフェノールの多くは水に溶けやすい形で含まれているため、吸収されやすく、摂ってから約30分後には効果が出始める。
 即効性はあるが長続きしないので、毎食野菜を食べると常に効果を得ることができる。
 
※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』

 

・種類は知られているものだけでも5000種類以上。
・化学構造は、単純なものから非常に複雑なものまで千差万別。体内に摂取したときの生理活性(機能)は化学構造で変わるため、それぞれ異なる機能を示す。
・生理活性の作用の仕組みを考えると、単に総ポリフェノール量で判断するのではなく、一つ一つのポリフェノールが、その化学作用に基づいてどのような生理活性をどのような強さで発現しているのかを明らかにしなければならない。
 
※参考資料『阿部尚樹,上原万里子,中沢彰吾(2015)食をめぐるほんとうの話 講談社』

 

・緑茶、紅茶に存在する強力な抗酸化物質。
・ポリフェノール、特にフラボノイドは、最も強力な植物性の抗酸化物質であり、ビタミンEのような他の抗酸化物質を保護し、再利用する。
・多くの疫学研究により、ポリフェノールの多量摂取はがん発生率の低下と強く相関していることが分かっている。
・ポリフェノールはまた、心疾患を予防することでも知られている。
 ポリフェノールの心保護作用の一つは、血管を収縮させ心臓への酸素供給を減少させるタンパク質、エンドセリン-1の産生を下げることによる。
・ポリフェノールは、鉄、鉛、銅のような金属イオンとキレートを形成する。これにより、フリーラジカルの産出を促す金属が体内へ吸収されるのを防いでいる。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

主なポリフェノールと特徴

・大きく分類すると淡黄色や無色の色素であるフラボノイド系のものと、ノンフラボノイド系のものに分けられる。
・種類によって抗酸化以外の機能がある。
 
※フラボノイド系は、フラボノイド参照。
 
○フェルラ酸
・フィトケミカルとして植物の細胞壁などに存在する有機化合物。
・玄米など。
・しみ予防。
 
○ショウガオール
・ショウガの辛味成分であり、ショウガを乾燥したり加熱した時に生産される。
・殺菌作用、胃液の分泌促進。
※以下の記事も参照。
根菜類の効用の"しょうが"
 
○クルクミン
クルクミン参照。
 
※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』

 
●ポリフェノールを含む主な食品
 
以下のページ参照。
○野菜
根菜類の効用
茎菜類の効用
果菜類の効用
 
○果物
果物の効用
 
○ナッツ類
ナッツ類
 
○コーヒー
コーヒーの健康効果

フラボノイド

●フラボノイドとは?
 
・2個のベンゼン環を3つの炭素鎖で結びつけた骨格を持つ化合物の総称。
・現在2000種類以上のフラボノイドが知られている。
 
●狭義のフラボノイド
 
・フラボン、フラボノール、フラバノン、イソフラボンとその誘導体が含まれる。
・フラボン、フラボノール、フラバノンは野菜、果物中に多く、イソフラボンは主に大豆に含まれている。
 
○代表的なフラボノイド(狭義)
・ケンフェロール:ブロッコリー
・ケルセチン:レタス、たまねぎ、パセリ
ケルセチン参照。
・ルチン:そば
そば、ルチン参照。
・ヘスペリジン:柑橘類
ヘスペリジン参照。
・ナリンギン:柑橘類
・イソフラボン(ダイゼニン、ゲニステイン):大豆
※イソフラボンについては以下の記事参照。
大豆製品、イソフラボンの健康影響
 
●広義のフラボノイド
 
・カテキン、アントシアニン、カカオポリフェノールなども含む。
※以下参照。
・カテキン
緑茶、紅茶の健康効果
アントシアニン
・カカオポリフェノール
チョコレート、ココアの健康効果

・ポリフェノールの一種で、植物に含まれるおもに淡黄色色素。
・レタスや春菊などの緑色の野菜や玉ねぎなどの白い野菜、大豆、緑茶、かんきつ類の皮などに多く含まれている。
・毛細血管の浸透圧を向上させる。そのため血圧を適正にコントロールしたり、高血糖になりにくくするという作用が期待できる。
 
○主な種類
・フラボン類(アピゲニン、レテオリン)
・フラボノール類(ルチン、ケンフェノール)
・フラバノン類(ヘスペリジン)
・イソフラボン類(ダイゼイン)
・カテキン類(カテキン、エピカテキン)
・アントシアニジン類(シアニジン、デルフィニジン)
 
※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』

アントシアニン

・多くの花や果実の赤、紫、青の色素のポリフェノール。
・赤ワイン、ビルベリー、ブルーベリー、アセロラ、カシスなどに含まれている。
・抗酸化作用に加え、LDLの酸化抑制作用を介した動脈硬化性疾患の予防、血小板凝集抑制作用、血管拡張作用など、動脈硬化予防作用を裏付ける報告が数多くなされている。
 
※参考資料『近藤和雄,佐竹元吉(2014)サプリメント・機能性食品の科学 日刊工業新聞社』

 

・ブルーベリー、赤ワインなど
・視力回復、肝機能の向上
 
※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』

 

●ナス、ナスニン
 
・ナスニンは、紫紺色のアントシアニン系色素で、コレステロールの値を下げたり、眼精疲労の改善に役立つ。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

 

●ナス、ナスニン
 
・ナスの皮の深い紫色はナスニンによるもの。これは抗酸化物質であるアントシアニン系色素の一種で、がんや心臓病のリスクを低減する可能性を持つ。
 
※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』

クルクミン

※認知症との関連は以下の記事参照。
アルツハイマー病に効果のある食事の”効果が期待されている食品”参照。

・ウコンの黄色色素の主成分。
・経口摂取されたクルクミンは、腸管上皮細胞に存在する還元酵素によってテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化物質に変換されてがん予防効果を示すことが明らかになっている。
・LDL酸化の抑制による動脈硬化予防作用や、糖尿病が関係する白内障や腎障害に対しても予防効果を示すことが報告されている。
・マウスを用いた研究でテトラヒドロクルクミンの寿命延長効果が示される等、老化抑制作用も期待されている。
・飲酒前にウコンを摂ると二日酔いの予防効果がある、というのは、クルクミンが肝臓の解毒酵素の作用を誘導し、アルコールが分解されて出来る毒素の代謝を助けることによる、と考えられている。
 
※参考資料『近藤和雄,佐竹元吉(2014)サプリメント・機能性食品の科学 日刊工業新聞社』

 

○クルクミン、ターメリック、ウコン
 
・クルクミンはウコン(ターメリック)の主成分。
・ウコンは、古くからインドの伝統医学であるアーユルベーダでも用いられ、肝障害や喘息、熱病、創傷、リウマチ、皮膚アレルギーなど、幅広い症状に効く食材として知られていた。
・クルクミンは、抗酸化作用と抗炎症作用を併せ持つ副作用の少ない低分子物質として着目され、腫瘍形成阻害作用なども報告されている。
 
※参考資料『森下竜一,桐山秀樹(2015)アルツハイマーは脳の糖尿病だった 青春出版社』

 

・ターメリックなど
・肝機能強化、胆汁の分泌促進
 
※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』

そば、ルチン

・ケルセチン、ヘスペリジンと共にビタミン様物質(ビタミンP)の一部。
・抗炎症効果や血流改善効果については数多くの論文にて報告されている。
・そば、アスパラガス、トマト、レモン

●そば、ルチン
 
・そばのたんぱく質はアミノ酸をバランスよく含んでおり、発育に大切な必須アミノ酸も多く含まれている。また、疲労回復に必要なビタミンB1、美肌のビタミンといわれるビタミンB2も豊富。ポリフェノールの一種であるルチンも豊富。
・ルチンは活性酸素を除去する働きや、血管を強くする効果もある。
 
※参考資料『石川みゆき,南清貴(2011)ママのための食品添加物事典 主婦の友社』

 

●ルチン
 
・血管強化、血圧効果
 
※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』

 

●アスパラガス、ルチン
 
・穂先の部分には、ルチンが豊富。ルチンはビタミンCとともに働き、血管を丈夫にしたり血圧の上昇を抑えたりする効果がある。
・ルチンもビタミンCも水溶性なので、ゆでた後長時間水にさらすのは避ける。
 
※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』

ネットニュースによる関連情報

●ウコンがヒトパピローマウイルス(HPV)関連のがんに効果?
 
・クルクミンは、細胞性転写因子AP-1とNF-kBのレベルを下方制御することによって、感染した口腔がん細胞におけるHPVの発現を遅くした。

 

●フラボノールとフラバノンを含む食品の摂取で卵巣がんのリスク低下
 
・フラボノールが豊富に含まれる紅茶、赤ワイン、リンゴ、ブドウとフラバノンが豊富に含まれる柑橘類を多く摂取した女性は卵巣がんになりにくいことがわかった。
・食事レベルでの解析では、特に紅茶を毎日2杯飲む女性は、1杯以下の女性に比べて、上皮性卵巣がんリスクのハザード比は0.68であった。

 

●フラバノールが記憶力低下を抑える?
 
・37名の健康な50-69歳の参加者をランダムに2群に振り分け、一方に高濃度フラバノール食(1日900mgのフラバノールを含有)、他方に低濃度フラバノール食(1日10mgのフラバノールを含有)を3ヶ月摂取させたところ、脳内画像によって、高濃度フラバノールが有意に海馬歯状回の血流を改善したことがわかった。

 

●フラボノイドの摂取で糖尿病のリスク低下
 
・結果、アントシアニンとフラボンを多く摂取している人たちのインスリン抵抗性が低くなっていることが分かった。
 また、アントシアニン摂取が多い群は糖尿病、肥満、心疾患およびがんを含む多くの疾病に関与する慢性炎症のリスクが低く、フラボン摂取が多い群は血糖値代謝を調節するタンパク質(アディポネクチン)のレベルを改善することも明らかになった。

ケルセチン

・ルチン、ヘスペリジンと共にビタミン様物質(ビタミンP)の一部。
・抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患の予防、抗腫瘍効果、降圧作用、強い血管弛緩作用、が報告されている。
・たまねぎ、ブロッコリー、リンゴなどに含まれる。

・ケルセチンは多くのがん誘発性因子を、特に胃の中で不活性化し、加えてがんの成育を促進させる酵素を阻害する。
・ケルセチンはまた、LDLの酸化を防ぐ。さらに、ニンニクと同様に、血液の凝固を防いでサラサラにする一助となり、HDLを上げて中性脂肪とLDLを下げ、これによって脳卒中を防ぐ。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

 

・ケルセチンは、血圧を抑え、脳卒中を予防し、大腸がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんのリスクを抑える作用があるとされている。
 
※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』

 

・抗酸化作用に優れ、血管を強化し、がんや老化を引き起こす過剰で有害な活性酸素を除去する働きがある。
 
※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』

 

・がん予防、寿命延長、抗アレルギー、抗脂質異常症の働きがある。
・強い抗酸化作用を持ち、咽頭がん、口腔がん、肺がん、乳がんの予防に貢献している可能性があると報告。
 
○2012年、ダナ・ファーバーがん研究所の研究
・リンゴに含まれるケルセチンというポリフェノールの一種が、強い抗酸化作用を持ち、咽頭がん、口腔がん、肺がん、乳がんの予防に貢献している可能性があると報告。
・ケルセチンはがんを引き起こすDNAの損傷が起こらないように細胞を保護する働きがある。
 
※参考資料『宇山恵子(2014)医者も教えてくれなかった実はすごいフルーツの力 講談社』

ヘスペリジン

・温州みかんやはっさくなどの果皮および薄皮に多く含まれるフラボノイド。
・ルチン、ケルセチンと共にビタミン様物質(ビタミンP)の一部。

・血流改善、高血圧予防、コレステロール値の低下、炎症抑制、花粉症予防などが期待できる。
・がんを予防するほか、毛細血管を強くし、血流改善効果で高血圧を予防する。さらにビタミンCの吸収を助ける。
 
※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』

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