酸化コレステロールを高くしてしまう食品、コレステロール値、トリグリセライド値(中性脂肪値)を改善する食品、生活習慣などの情報をメモ書きしています。
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コレステロールを下げる食品
○トマト ・脂肪の吸収を抑制し、肥満の改善効果がある。 ・クエン酸を野菜としては多く含み、体内の脂肪合成を防ぐ効果がある。 ・リコペンは抗酸化作用がある。加熱しても壊れない。 ○緑茶 ・カテキンはポリフェノールの一種で、摂取した脂肪を吸収せず排出させる"スルー効果"がある。 ・カテキンには脂質の吸収を防いだり、血糖値の急上昇を抑える働きがある。 ○大豆 ・イソフラボンには、LDLを下げる働きがある。 ※参考情報『森下竜一,桐山秀樹(2015)アルツハイマーは脳の糖尿病だった 青春出版社』
●LDLと抗酸化物質 ・LDLの内部には抗酸化力のあるビタミンEやカロテノイドが含まれていて、酸化が進むとこれらの物質がまず身代わりとなって酸化する。 このまま放置しておくと本体のLDLを酸化させてしまうため、もとの状態に戻す必要があるが、その再生の役割を水溶性の抗酸化物質が果たしている。 脂溶性と水溶性の抗酸化物質が連携することでLDLの酸化を防いでいる。 ●大豆タンパクとコレステロール ・大豆タンパクには胆汁酸と結合し便として排出させる効果があるので、胆汁酸の再吸収を抑える効果があるといわれている。 胆汁酸はコレステロールから作られるので、胆汁酸の肝臓での再吸収を抑えれば、血液中のコレステロールが原料となって胆汁酸が合成されるので、その分、コレステロールを下げることができる。 ※参考資料『近藤和雄(2015)人のアブラはなぜ嫌われるのか 技術評論社』
脂肪
※飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸との関連については以下の記事参照。
・飽和脂肪酸、肉の摂取と健康への影響の”飽和脂肪酸とコレステロール値”
・不飽和脂肪酸の摂取と健康への影響の”一価不飽和脂肪酸とコレステロール値”、”n-6系脂肪酸とコレステロール値”、”n-3系脂肪酸とコレステロール値
・トランス脂肪酸の摂取と健康への影響の”トランス脂肪酸とコレステロール値”
・飽和脂肪酸、肉の摂取と健康への影響の”飽和脂肪酸とコレステロール値”
・不飽和脂肪酸の摂取と健康への影響の”一価不飽和脂肪酸とコレステロール値”、”n-6系脂肪酸とコレステロール値”、”n-3系脂肪酸とコレステロール値
・トランス脂肪酸の摂取と健康への影響の”トランス脂肪酸とコレステロール値”
・コレステロールは飽和脂肪酸(動物性脂肪)から合成されるので、飽和脂肪酸の代わりに不飽和脂肪酸を摂るようにする。 ※参考資料『近藤和雄(2015)人のアブラはなぜ嫌われるのか 技術評論社』
運動
●運動とHDL ・運動をするとHDLが上がる。 ・平成14年度の厚生労働省の"国民健康・栄養調査"によると、一日の歩行数が1万歩以上の人と2000歩未満の人を比較した場合、1万歩以上のほうが平均で10%以上、HDLが高かった。 ※参考資料『近藤和雄(2015)人のアブラはなぜ嫌われるのか 技術評論社』
・コレステロールは、体の中でエネルギーになっているわけではないので、運動によるコレステロール減少効果はそれほど大きく無い。 ・運動不足の人は、エネルギーが消費されず、皮下脂肪や内臓脂肪として貯蔵される。その際に肝臓から脂肪細胞へ向けて中性脂肪を運ぶ役割をしているのがVLDLで、VLDLが増えるとそれに伴ってコレステロールも運ぶのでコレステロールの値も増えてしまう。 したがって、無駄な中性脂肪が肝臓から出ないようにすれば、VLDLも作られず、その分血液のコレステロールも減る事になる。 ただし、中性脂肪を減らす事によるコレステロールの減少はそれほど大きくはない。 ・VLDLが減ると、別の作用での効果もある。 VLDL、LDL、HDLは、それぞれが運搬している脂質を交換する作用がある。HDLが運んでいるコレステロールをVLDL、LDLに渡したり、逆にVLDL、LDLが運んでいる中性脂肪をHDLに渡したりしている。 VLDLが多いと、よりたくさんのコレステロールがHDLからVLDLに引き渡されてしまう。 中性脂肪が多い人は一般にHDLが低下しているが、それは上記作用が関係していると言われている。 ※参考情報『林 洋(2010)嘘をつくコレステロール 日本経済新聞出版社』
肥満
●肥満とHDL ・肥満症、内臓肥満の患者ではエネルギー摂取量を減らして減量が安定すればHDL値は増加する。(エネルギー摂取量の制限中はLPL(リポタンパク質リパーゼ)活性が減少するため、HDL値は減少することに注意する。) ※LPL(リポタンパク質リパーゼ) リポタンパク質態の中性脂肪のエステル結合を加水分解する反応を触媒するリパーゼ ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
喫煙、アルコール
●喫煙、アルコールとHDL ○喫煙 ・喫煙者は低HDLの傾向。喫煙をやめると数値が上がる。 ○アルコール ・アルコールを飲むとHDLが上がる傾向。動脈硬化を防ぐ働きにつながるかは不明。 ※参考資料『近藤和雄(2015)人のアブラはなぜ嫌われるのか 技術評論社』
●アルコールとHDL ・アルコール摂取量との正の関連(アルコール摂取量の増加に伴ってHDLは上昇する)以外にはあまり明らかにはなっていない)。 ●アルコールと中性脂肪 ・アルコール摂取量と血清トリグリセライド濃度との間に正の関連を認めた研究があり、白人を対象にしたメタ・アナリシスでは、アルコール摂取量は血清HDL濃度と血清トリグリセライド濃度を上昇させることを示していた。 また、韓国におけるコホート研究でも、アルコール摂取量が増えるほど血清トリグリセライド濃度は増加していた。 ところが、他のコホート研究及びメタ・アナリシスを見ると、白人女性ではアルコール摂取量と血清トリグリセライド濃度は有意な関連が示されなかった。 中国及び香港における介入研究でも、アルコール摂取(10gエタノール/日)は血清トリグリセライド濃度とは有意な関連がなかった。 6の介入試験をまとめた最近のメタ・アナリシスでも、両者の間に有意な関連は認めなかった。 ※参考資料 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
ネットニュースによる関連情報
●HDLが高くてもLDLと中性脂肪も高いと効果がない? HDLの値が独立して(LDL、中性脂肪(トリグリセリド、TG)の値と関係なく)心血管疾患リスクに影響しているのか、それとも、LDLやTGの値に依存しているのか調べたところ、以下のような事が分かった。 ・HDLは、心血管リスクを一様に予測することはなかった。 ・TGおよびLDLにより、HDL低値とHDL高値いずれにおいても、心血管疾患の発症率が変化した。 ・LDLとTGのいずれか一方が高濃度、または両方が高濃度で存在すると、HDL低値による単独のものの作用と比較し、心血管疾患リスクは30~60%高くなった ・TGおよびLDLが100mg/dLを超えている場合には、HDL高値は心血管疾患リスクの減少とは関連していなかった。 上記結果より、HDLの保護作用がTGとLDLの濃度に依存していて、これらの脂肪が正常範囲にないと、HDL高値であっても保護効果はない、ということを示している。