テストステロン

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  1. テストステロンの概要
  2. 加齢とテストステロン
  3. 性腺機能低下症
  4. テストステロン補充療法(TRT)
  5. ネットニュースによる関連情報


※以下の記事も参照。
●恋愛感情、性欲、愛着

テストステロンの概要

●テストステロンの役割
 
・性欲や攻撃性を高める。
・ある種の器官の成長を促進する。
・タンパク質の同化作用。
筋肉、皮膚や骨を作るためのタンパク質の利用を促進し、タンパク質の異化あるいは分解の防止作用をもつ。
・精液の産生を促進する。
・男性の泌尿・生殖器系組織のすべてに栄養を与える。
・プロスタグランジンの産生の調節をし、これによって前立腺の成長を調整する。
 
●テストステロンの効果
 
○攻撃性
・テストステロンの数値は攻撃的な行動を受けて上昇する。
その逆ではない。数値上昇が直接的に攻撃性に結びつくわけではなく、また、攻撃的な行動がテストステロンのみに起因するとも言えない。
 
○心血管
・テストステロンの数値の高い男性では、冠動脈の脂肪斑(脂肪の塊)の蓄積が軽く、HDLのレベルが高い。
・冠動脈造影を受けた55人の男性で、テストステロン数値が高い男性は、HDLが高く、テストステロンが低い男性は、動脈硬化といったより重度の心疾患があった。
・低いテストステロン値は、高血圧、肥満、ウエスト対ヒップ比の増加と関連している。
 
○行動
・テストステロンは性的興奮、情動状態、認知機能などの行動機能に欠かせない。男性におけるテストステロン減少と重いうつ病との関連性を示す証拠が多くある。
 
○各種疾患
・糖尿病、腎不全、AIDSのような疾患は、テストステロン欠乏に起因することがある。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

 

●テストステロンと免疫
 
・テストステロンは免疫系を抑制する効果がある。
・男は女より感染症に弱い。
・マウスやモルモットの精巣を取り除いてテストステロンがなくなると、とたんに免疫系が活発になる。
 
※参考資料『デボラ・ブラム(2000)脳に組み込まれたセックス 白揚社』

 

・テステステロンが正常値でない限り性生活が刺激的なものにならない。
・テステステロンはコレステロールによって作られていて、スタチンを服用するとテステステロンの値が低くなる。
 
※参考情報『デイビッド・パールマター(2015)「いつものパン」があなたを殺す  三笠書房』

加齢とテストステロン

・女性はエストロゲン、男性はテストステロンというホルモンが減少し、気分が揺れがちになり、活力や好奇心が失われていく。
 
※参考情報『ジョン J.レイティ(2009)脳を鍛えるには運動しかない 日本放送出版協会』

 

・大半の男性は、40歳を過ぎるとテストステロンが徐々に減少しだす。平均的な男性の血中ホルモン濃度は、80歳までにほぼ50%減となる。その間に、大半の男性は5~9kgの筋肉と骨の総量の15%を失い、身長が約5センチ低くなる。
 
※参考資料『デボラ・ブラム(2000)脳に組み込まれたセックス 白揚社』

 

●性ホルモンの減少
 
・すべての性ホルモンは老化で低下する。
・女性では、エストロゲンのレベルは閉経で急激に低下する。
・男性では、アンドロゲンの産生は30歳あたりで低下し始め、性的関心や行為のゆっくりとした低下を感じさせ、その状態は男性更年期と呼ばれる。
 
●男性の更年期
 
・40代後半から70代初めまでに、テストステロンの産生はゆっくりと50%ほど低下する。
・ストレス、病気、治療、肥満、低栄養、精神状態はテストステロン産生低下に拍車をかける可能性がある。
 エクササイズや生活習慣(喫煙や過度の飲酒)など、多くの外的要因に影響される。活動の低下、栄養不足、糖尿病や成長ホルモンの欠乏など、他の要因も低レベルのテストステロンに影響を及ぼすことがある。
・テストステロン産生が低下すると、上体や体幹の脂肪は増加するが、筋肉量、性欲は減少し、勃起障害も起こる。
・男性の更年期も、身体的健康や幸福感、特に気分や性欲に大きな影響を及ぼし、寝汗やのぼせ、ほてりを経験する人もいる。
 
○骨粗鬆症
・男性は85歳までに骨量の25%を失い、数多くの股関節骨折を経験する。
・60歳を過ぎると大腿骨頸部骨折が劇的に増加し、10歳ごとに倍増する。
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

性腺機能低下症

・テストステロンのレベルが不十分となる。
・精巣の負傷や感染、クラインフェルター症候群(染色体の異常)、下垂体と視床下部の疾患など、精巣の病気から引き起こされる。
・アトランタのアンソニー・カルパス博士によると、性腺機能低下症を実際に診断されているのは患者の一部であり、”50歳以上の男性の20%は性腺機能低下症の可能性がある”と述べている。
 
○徴候
・精力の喪失、勃起の維持不能
・疲労
・短気
・うつ気分
・関節痛
・肌の乾燥
・骨粗鬆症
・体重の減少
・二次性徴(筋肉の発達、低い声、胸や顔の毛髪分布等)の消失あるいは退行
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

テストステロン補充療法(TRT)

●テストステロン補充療法(TRT)
 
・新たな活力を生み、バランスを改善し、赤血球数を増やし、性欲や骨密度を高め、LDLを下げる。
 
○筋肉、脂肪
・テストステロンを注射されている男性では体幹の脂肪が減少し、筋肉量や筋力が増加する。
 
○心血管
・LDLや総コレステロールを下げる。
 
○骨粗鬆症
・性腺機能が低下した若い男性とテストステロン値の低い高齢者の両者におけるTRT研究によると、TRTは骨密度、骨形成、骨ミネラルを増加させる。
 
○自己免疫疾患
・テストステロンは老化に関連した自己免疫疾患に有効。
・男性ホルモンを関節リウマチ、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患の男性に投与すると状態が改善した。
 
●TRTのリスク
 
・テストステロンの補充は、その数値が正常な男性に行った場合、危険な副作用を引き起こす可能性がある。
・過剰な投与は自分自身の自然なテストステロン生成を阻害することとなり、既存の前立腺腫瘍が成長するきっかけとなる可能性がある。
 
○副作用
・テストステロンの使用が長引くことによる精巣の萎縮
・赤血球数の増加
・うつ症状
・体液の貯留
・精子数や精液量の減少
・HDLの減少
 
※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』

ネットニュースによる関連情報

●テストステロン濃度が高いと前立腺肥大のリスクが増加?
 
・ボリビアの孤立した部族であるチマネ族の約350名の成人男性における前立腺肥大の発症率を検討したところ、この集団の中では、重症の前立腺肥大は検査では見つからなかった。
→チマネ族は比較的テストステロン濃度が低い状態が生涯続くことと関連?
・腹部超音波検査の結果、チマネ族男性の前立腺は有意に小さいことがわかった。
・全体的にテストステロン濃度が低いチマネ族の男性の中でも、相対的に濃度の高い男性(それでもかなり低い)は、相対的に前立腺が大きかった。
・テストステロンのサプリメントを摂取する男性は、前立腺肥大のリスクを高める可能性がある。

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