※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
- ビタミンEの概要
- ビタミンEの吸収
- ビタミンEの効果
- ビタミンEを多く含む食品
- ビタミンE不足の問題
- ビタミンE過剰摂取のリスク
- ビタミンEと循環器病との関連
- ビタミンEとがんとの関連
- ビタミンEとフレイル、認知機能との関連
- ネットニュースによる関連情報
※ビタミンサプリメントの健康影響については以下の記事参照。
サプリメントの効果
ビタミンEの概要
・ビタミンEは脂溶性のビタミンで、天然にはα-、β-、γ-、δ-トコフェロールと、α-、β-、γ-、δ-トコトリエノールの8種類が存在する。その中でも、α-トコフェロールが最も生理活性が強く、生体内のトコフェロールの90%を占めている。
ビタミンEの吸収
・摂取されたビタミンE同族体は、胆汁酸などによってミセル化された後、腸管からリンパ管を経由して吸収される。
・吸収されたビタミンE同族体は、キロミクロンに取り込まれ、リポプロテインリパーゼによりキロミクロンレムナントに変換された後、肝臓に取り込まれる。
肝臓では、ビタミンE同族体のうちα-トコフェロールが優先的にα-トコフェロール輸送たんぱく質に結合し、他の同族体は肝細胞内で代謝される。
肝細胞内をα-トコフェロール輸送たんぱく質により輸送されたα-トコフェロールは、VLDLに取り込まれ、再度、血流中に移行する。
・吸収されたビタミンE同族体は、キロミクロンに取り込まれ、リポプロテインリパーゼによりキロミクロンレムナントに変換された後、肝臓に取り込まれる。
肝臓では、ビタミンE同族体のうちα-トコフェロールが優先的にα-トコフェロール輸送たんぱく質に結合し、他の同族体は肝細胞内で代謝される。
肝細胞内をα-トコフェロール輸送たんぱく質により輸送されたα-トコフェロールは、VLDLに取り込まれ、再度、血流中に移行する。
ビタミンEの効果
・細胞膜を構成するリン脂質には不飽和脂肪酸が多く含まれ、これが酸化すると過酸化脂質が生じ、細胞が傷ついて老化が進行する。 ビタミンEは、強い抗酸化作用を持っているので、有害な過酸化脂質の生成を防ぎ、細胞の老化を防いでくれる。 ・血液中のLDLの酸化を防ぐ働きもある。 ・ビタミンEには、抹消血管をひろげ、血行をよくする働きもあることから、血行障害によって生じる肩こりや頭痛、冷え性などの改善効果が期待されている。 ・ビタミンCと一緒にとると、ビタミンEの抗酸化作用がアップする。 LDLの内部には抗酸化力のあるビタミンEやカロテノイドが含まれていて、酸化が進むとこれらの物質がまず身代わりとなって酸化する。 このまま放置しておくと本体のLDLを酸化させてしまうため、もとの状態に戻す必要があるが、その再生の役割を水溶性の抗酸化物質が果たしている。 脂溶性と水溶性の抗酸化物質が連携することでLDLの酸化を防いでいる。 ※参考資料『中村丁(2015)栄養の基本がわかる図解事典 [2015] 成美堂出版』
・活性酸素を消失させることにより自らが活性化し、活性酸素による脂質の連鎖的酸化を阻止する。 活性化したビタミンEは、ビタミンCなどの抗酸化物質により元のビタミンEに戻る。 ・ビタミンEの投与により、放射線による赤血球の溶血やミトコンドリア、ミクロゾーム、リボゾームの脂質酸化反応が顕著に抑制されることがわかった。 ※参考資料『近藤和雄,佐竹元吉(2014)サプリメント・機能性食品の科学 日刊工業新聞社』
●ビタミンCとビタミンEの同時摂取 ・ビタミンEは、自らが活性酸素やフリーラジカルを捕捉することによって無毒化するが、そのビタミンEはそれ以上働くことが出来ない。 ビタミンCは、酸化とは逆の還元作用によってビタミンEを再生させ、再びはたらけるようにする。 ・激しい運動をして代謝が活発化すると、ビタミンEとCは生成される活性酸素の還元のため減少するので、連日激しい運動を行う人は通常の摂取量の5~10倍の摂取が推奨されている。 ・白内障で生じる、水晶体の中のタンパク質の酸化を抑えてくれる。 ・高血圧や動脈硬化などの症例で、EとCを組み合わせて飲んでいた人々が、Cのみを服用していた人々に比べ死亡率が半分になったという報告もある。 ※参考資料『阿部尚樹,上原万里子,中沢彰吾(2015)食をめぐるほんとうの話 講談社』
・フリーラジカルの中和に働く抗酸化物質であり、多価不飽和脂肪酸の分解を阻害する。 ・壊疽、糖尿病、先天性心疾患、静脈炎、その他の循環不全による下肢の諸問題にも有用であるとしている。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
ビタミンEを多く含む食品
・食品では、植物油(コーン、大豆、サフラワー油)や小麦胚芽、種実類などに多く含まれる。
ビタミンE不足の問題
・ビタミンEが不足すると、神経や筋障害の症状がみられることがあるが、ヒトではほとんどみられない。
ビタミンE過剰摂取のリスク
・通常、一般的な食事内容でビタミンEを過剰摂取することはほとんど考えられない。ただし、最近の報告において、サプリメントとして過剰摂取すると死亡率が高まるとの報告も出されている。
ビタミンEと循環器病との関連
●ビタミンEと冠動脈性心疾患との関連 ・複数のin vitro試験で、LDLの酸化をビタミンEが阻害することが観察されている。 ・ビタミンEは、心臓発作や静脈血栓塞栓症の原因となり得る血栓の形成予防に役立つ可能性がある。 ○観察研究 ・数件の観察試験で、心疾患の発生率低下とビタミンEの摂取量増大の関連性が観察されている。 ・約90,000人の看護師を対象とした試験において、ビタミンE最大摂取者(主にサプリメントからの摂取)では心疾患発症率が30~40%低かった。 ・平均14年間のフィンランド人の男女5,133人に対する追跡調査において、食品からのビタミンE摂取量が多いほど、冠動脈性疾患による死亡率が低かった。 ●ビタミンEサプリメントの摂取との関連 ○HOPE試験 ・心臓発作あるいは脳卒中の発症リスクが高い約10,000人を4.5年間観察。 ・天然のビタミンEを400 IU/日摂取した被験者群の心血管イベントや心不全による入院あるいは胸痛の発生率は、プラセボ群を下回らなかった。 ・その後、HOPE-TOO追跡調査で、HOPE試験被験者の約4,000人が2.5年にわたりビタミンEもしくはプラセボ摂取を継続したが、7年間のビタミンE摂取は、心臓発作、脳卒中、不安定狭心症、心血管疾患死または他の理由による死亡のいずれにも有意な保護作用を示さなかった。 それどころかビタミンE摂取被験者のほうで、心不全の発症、および、それによる入院の確率がそれぞれ13%、21%高い、という他の大規模試験では報告されていない想定外の、しかし統計的に有意な結果が出た。 ○Women’s Angiographic Vitamin and Estrogen臨床試験 ・冠動脈に多少の狭窄のある閉経後女性423人に、4年超にわたり1日2回、400 IUのビタミンEと500mgのビタミンCもしくはプラセボを投与。 ・サプリメントから心血管への有益性が示されなかっただけでなく、これらのサプリメントを摂取した女性の全死因死亡率は有意に高かった。 ○女性を対象とした臨床試験 ・45歳以上の健康女性約40,000人を対象に、1日おきに600 IUの天然由来ビタミンEを摂取する群かプラセボ群に無作為に割付け、平均10年間追跡した。 ・心血管イベント全般(非致死的心臓発作、脳卒中、および心血管系死亡)発症率と全死因死亡率に、これら両群間の有意差は観察されなかった。 ・しかし、同試験からビタミンEを摂取した女性に関する有益かつ重要な結果が2点得られた。 1点目は、彼女らの心血管系死亡率が24%低下したこと、2点目は、65歳以上で、非致死的心臓発作の発症率が26%低下し、なおかつ、その心血管系死亡率が49%低下したことである。 ○ビタミンEと男性の心血管状態に関する臨床試験 ・50歳以上の健康な医師約15,000人を、1日おきに400 IUの合成α-トコフェロールを摂取する群、毎日500mgのビタミンCを摂取する群、ビタミンEとビタミンCを両方摂取する群、プラセボ群に無作為に割付けた。 ・平均8年間の追跡調査期間中、ビタミンE(および/またはビタミンC)の摂取は重大な心血管イベント、心筋梗塞、脳卒中、心血管系死亡の発生率に影響を及ぼさなかった。 また、ビタミンE摂取によって、出血性脳卒中リスクが有意に増加した。 ○多くの臨床試験の結果、傾向、注意点 ・一般に、ビタミンEサプリメントの常用が心血管系疾患を予防したり、あるいは、その疾患率や死亡率を低下させたりすることを示すエビデンスは、臨床試験で得られていない。 ・ただし、こうした臨床試験の参加者の大部分は、既に心臓病や心臓病リスク因子をかかえた中年および高齢者である。 そのため、冠動脈性心疾患予防におけるビタミンEの潜在的有用性を解明するには、より若い人を対象に、より長期にわたり、かつ、より高い用量でビタミンEサプリメントを検討する試験を行う必要があることを提案する研究者もいる。 ・若く、健康で、明白な冠動脈性心疾患リスクのない人に対して、ビタミンEサプリメントが何らかの保護効果を示すか否かを判断するためには更なる研究が必要である。 ※参考情報 ビタミンE | 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
○ビタミンEサプリメント、45歳以上の約4万人の健康な女性を対象とした女性健康調査 ・心臓発作、脳卒中、がん、白内障のリスクを減らすことはない、ということがわかった。 ・心血管系の原因による死亡の減少との関連性が認められたが、被験者の総死亡率を減少させることはなかった。 ○ビタミンE、Cサプリメント、第二次医師健康調査(Physicians'Health Study II) ・14,000名以上の50歳以上の男性医師を対象として行われた。 ・ビタミンE、ビタミンCサプリメントいずれも、主な心血管系イベントやがん、白内障のリスクを減らすことはないとわかった。 ・この調査では、ビタミンEサプリメントと脳出血リスクの増大に関連性があることが認められた。 ※参考情報 抗酸化物質と健康 | 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
●ビタミンEをサプリメントとして摂取してリスクが増大した研究報告 ○クリーブランド・クリニックの研究者が行ったメタ分析 ・2003年にイギリスの医学誌"ランセット"に掲載。 ・7件の大規模なランダム化試験の結果を分析。被験者数は総計約8万人。 ・ビタミンEの投与量は50~800IU。 ・ビタミンEに死亡率を下げる効果は無く、心臓病や脳卒中(脳血管障害)のリスクを下げる効果も認められなかった。 研究者らは、"ビタミンEを定期的に摂取することを支持しない"という結論を出した。 ○ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究 ・多国籍チームを率いて、2010年以降に発表された9件の臨床試験の結果を分析。 ・被験者は、ビタミンEのサプリメントを摂取した人、プラセボを摂取した人がそれぞれ約6万の計約12万人。 ・その結果、ビタミンEを摂取すると出血性脳卒中(脳内の出血が原因)のリスクがわずかに上昇することが分かった。一方、ビタミンEは、脳内の血管が詰まるためにおきる虚血性脳卒中のリスクを低下させた。 ○フィンランドでの無作万人の無作為割付二重盲検介入研究 ・約3万人の喫煙男性を対象に5年から8年追跡。 ・ビタミンEのサプリメントを摂取した被験者は、前立腺がんの罹患率が32%低く、死亡率が41%低かった。一方、高血圧の被験者は、出血性脳卒中による死亡率が50%高くなっていた。 ※参考資料『デイビッド・B.エイガス(2013)ジエンド・オブ・イルネス 日経BP社』
・ある研究では、脳卒中や他の心血管疾患を予防する可能性があるとしている。 ・リーらによるビタミンEに関する大規模試験の結果、ビタミンEサプリメントは心臓病やがんの予防には寄与しないことを示した。 しかし、約4万人の女性の研究結果から、高用量の天然型α-トコフェロールをとった女性では死亡の危険性が有意に低く、65歳以上でみると心臓発作や脳卒中のリスクも著しく低かったとされる。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
ビタミンEとがんとの関連
・男性2万9000人以上を対象とした研究によるとビタミンEサプリメントをとっていた男性では、前立腺がんになる確率が32%低く、この疾患で死亡する確率も41%低いことが分かった。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
●ビタミンEと抗がん作用 ・ビタミンEなど抗酸化作用を持つ栄養素は、放置しておくとがんの発生の要因となるおそれがあるフリーラジカルによる損傷から細胞成分を保護する。 ・ビタミンEは、食品中の亜硝酸化合物によって胃内に形成される発がん性ニトロソアミンの形成を遮断し、免疫機能を高めてがんを予防する可能性もある。 ・しかし、ビタミンE摂取と発がんの関連付けを試みた臨床試験や調査から、ほとんどの場合、ビタミンEに有益性のないことが示されている。 ・現時点において、ビタミンEのがん予防効果を裏づける十分なエビデンスはない。それどころか、毎日ビタミンEを大量摂取(400 IU)することで前立腺がんリスクが増大する可能性が示されている。 ●ビタミンEサプリメントの摂取との関連 ○HOPE-TOOおよびWomen’s Health Study ・ビタミンE補給によるがん予防効果の有無を検討。 ・心臓病や糖尿病を持つ55歳以上の男女を、ビタミンE 400 IU/日群もしくはプラセボ群に無作為に割付け、7年間追跡したHOPE-TOOでは、がん新規発生数およびがん死亡数に有意差はみられなかった。 ・45歳以上の健康女性に、10年間、1日おきにビタミンE 600 IUまたはプラセボを投与したWomen’s Health Studyで、ビタミンEサプリメントによるがん発生リスクの低減は、がんの種類に関係なく、みられなかった。 ○前立腺がん発生リスクを調べた前向き・コホート試験 ・29,000人超の男性を対象。 ・食事あるいはサプリメントからのビタミンE摂取と前立腺がんリスクに関連性を認めなかった。 ・しかし、喫煙者ならびに禁煙者においては、400 IU/日以上のビタミンE摂取により、進行性前立腺がんリスクが71%と、統計的有意に低減した。 ○前立腺がん、男性喫煙者を対象とした臨床試験 ・男性喫煙者29,133人を対象としたある臨床試験では、毎日50 IUの合成ビタミンEサプリメントを5~8年間摂取する群に無作為に割付けられた被験者の前立腺がん、がん罹患率は、同サプリメントを摂取しなかった被験者群よりも、32%低かった。 ○前立腺がん、SELECT試験(2001年、大規模ランダム化臨床試験) ・50歳以上の健康な男性35,533人において、セレンを一部併用した合成ビタミンEの連日補充投与が、前立腺がんの発生数を低下させるか否かが検討された。 ・約5.5年にわたる合成ビタミンEの補充は、セレン併用の有無にかかわらず、前立腺がん予防効果を示さないということが判明した2008年10月に中止された。 ・この臨床試験をさらに1.5年間追跡した結果(その間、被験者はビタミンEやセレンの摂取なし)、ビタミンEを摂取した被験者群の前立腺がんリスクは、プラセボ群より17%高く、統計的有意差が認められることが示された。 ・ビタミンEとセレンを併用摂取した群およびセレンのみを摂取した群の被験者の前立腺がん発症リスクに僅かな上昇が認められたが、統計的に有意差はみられなかった。 ・肺がん、結腸直腸がん、あるいはその他すべてのがんの発生率に関して、群間差は認められなかった。 ○結腸がん、アイオワ州の女性対象の試験 ・食事あるいはサプリメントからのビタミンEを高用量摂取することにより、特に65歳未満の女性において、結腸がんリスクが減少する可能性を示唆するエビデンスが得られている。 ・摂取量の第5五分位数(35.7 IU/日超)を第1五分位数(5.7 IU/日未満)と比較した場合の全相対リスクは0.32であった。 ・しかし、Nurses’ Health Studyにおける女性87,998人およびHealth Professionals Follow-up Studyにおける男性47,344人を対象にした前向き・コホート試験から、アイオワの試験の結果は再現されなかった。 ○乳がん ・ビタミンEの高用量摂取と乳がん発生率の低下に関連性を認めた試験がある一方で、女性18,000人超を対象にビタミンEなど食事因子が閉経後の乳がん発生率に与える影響を検討した試験で、ビタミンEによる有益性は認められなかった。 ○膀胱がん、アメリカがん協会の疫学調査 ・1982~1998年、成人約100万人を対象に、ビタミンCおよびビタミンEのサプリメント使用と、膀胱がん死亡率の関連性を調べるための疫学調査を実施。 ・1982~1998年に追跡を受けた約100万人のうち、ビタミンEのサプリメントを10年以上にわたって摂っていた成人における膀胱がんによる死亡リスクに低下が認められたが、ビタミンC補給による保護効果は見られなかった。 ※参考情報 ビタミンE | 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
●ビタミンEをサプリメントとして摂取してリスクが増大した研究報告 ○米国国立衛生研究所と米国退職者協会が行った"食事・健康調査(NIH-AARP調査)"(2007年) ・50~71歳までの男性約30万人を対象とし、5年間追跡調査。 ・ビタミンEを含むマルチビタミンと前立腺がんとの関連を調査。 ・ビタミンEを大量に摂っている(週7回以上の摂取)人は、進行性・致死性前立腺がんのリスクが高かった。 ○セレン・ビタミンEがん予防試験(SELECT) ・2001年~2004年、35000人以上の男性が参加。 ・前立腺がんの予防効果を調べた。 ・セレンとビタミンEを別々に、あるいは一緒に、およそ5年に渡って摂取しても前立腺がんの予防にはならなかった。 ・統計的には有意ではないが、ビタミンEだけ摂取していた男性は、前立腺がんになる例が若干多かった。 ※参考資料『デイビッド・B.エイガス(2013)ジエンド・オブ・イルネス 日経BP社』
ビタミンEとフレイル、認知機能との関連
※関連記事
・フレイル、サルコペニア、高齢者の栄養の”高齢者の健康とビタミン、脂肪酸との関係”
・アルツハイマー病に効果のある食事の”ビタミンE、ビタミンCと認知症との関連”
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・女性では、卵巣の活動を正常化する一助となり、月経周期を改善し、出血過多と膣の乾燥を予防しうる。 ・モリスらは、ビタミンEの高用量摂取がアルツハイマー病進行のリスクを70%下げたとも発表している。 ※参考資料『ロナルド・クラッツ,ロバート・ゴールドマン(2010)革命アンチエイジング 西村書店』
ネットニュースによる関連情報
●肥満の人は体内でビタミンEが利用されにくい? ○肥満でメタボの人のビタミンEの必要性 ・脂肪は、代謝性ストレスを増加させる酸化剤を生成する。一方で、ビタミンEやCなどの抗酸化剤はこれに対抗する。 ・余分な体重などによって、身体は多くの酸化ストレスにさらされているため、抗酸化剤となるビタミンEも通常よりたくさん必要になる。 ○肥満でメタボの人はビタミンEが体内で利用されにくい? ・ビタミンEは脂溶性のビタミンであるため、過体重で高脂肪の食品を大量に食べるような人たちは、理論的にはビタミンEレベルは高くなるはずだが、こういった人たちは血中のビタミンEレベルが高かったとしても、最も必要な組織でビタミンEが働けない状態にあることがわかった。 ○ダイエット時の注意点 ・脂肪の摂取を制限しすぎるとエネルギー制限の効果はあるが、ビタミンEが不足する可能性も生じる。
●>ビタミンEの細胞膜再生に対する効果 ・ビタミンEと健康な筋群に関連性が見られることはこれまで確立した根拠として知られてきた。 ・ビタミンEは強力な抗酸化性が知られており、これがないと細胞膜の機能が適切に働かず、細胞の再生が進まないことが知られている。 ・ビタミンEが欠乏状態にあるラットは対照群に比べて一般的に走行能力で劣っていた。 ・ビタミンE欠乏ラットでは細胞膜の再生が不完全であったのに対し、通常食ラットもしくはビタミンE給餌ラットでは健康的な細胞のように再生が起こっていた。 ・ビタミンE欠乏給餌のラットでは大腿筋の筋線維がより小さく、炎症性傾向が高いことも確認された。
●>粒子状物質(PM)と肺機能、ビタミンEとの関係 ・大気汚染のひどいグレーターロンドン地域に居住者の肺機能と血中の代謝産物の関係を検討したところ、PM2.5への曝露が最も高かった者は、血中ビタミンE濃度が有意に低く、また肺機能も低かった。 →PMの障害が酸化性のものであり、ビタミンEが酸化障害を最小にするために消費されていたのでは、と推測している。
●>血中脂質レベルとビタミンEの効果との関係 ・年齢や性別ではビタミンE吸収に違いはなかったが、血中にビタミンEが留まっている時間は血中脂質レベルによって異なっていた。血中脂質レベルが高い人では組織が炎症を起こして酸化の攻撃を受けているため、より多くのビタミンEが必要になるが、ビタミンEが血液中に入って必要な組織に行き渡るのをコレステロールや中性脂肪などの血中脂質が邪魔しているという。