疲労の実態と疲労回復成分

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  1. 疲労の実態・原因、自律神経との関わり
  2. 疲労因子と疲労回復因子
  3. 疲労と疲労感、疲労感のマスキング
  4. 慢性疲労症候群
  5. 紫外線による疲労
  6. いびき、睡眠時無呼吸症候群と疲労
  7. 疲労回復成分
  8. ネットニュースによる関連情報

疲労の実態・原因、自律神経との関わり

●疲れと酸化
 
①過度に肉体を酷使したり、精神的ストレスにさらされていると、体内で大量の酸素が使われることになり、それに伴って活性酸素が大量に発生する。
②活性酸素がからだの細胞を傷つけ、エネルギーをうまく作り出せなくなったり、細胞の機能が低下する
③作業や運動の効率低下
 
●疲れと自律神経
 
・自律神経は、呼吸、循環、消化、代謝に関わる臓器の機能の調節や、臓器と中枢神経との間の情報伝達など非常に多くの作業を行っているため、からだの中でも疲労しやすい場所といえる。
 
疲労が蓄積すると自律神経自体の酸化ストレスも増大し、機能低下を招くことになる。
 
・自律神経の機能が低下した状態が長く続くと、めまい、不整脈、頭痛、不眠症などの身体症状やイライラ、被害妄想、うつ状態などの精神症状が出てくる場合がある。
 
※参考資料『武蔵裕子,清水惠一郎(2014)魔法の鶏むね肉レシピ 宝島社』

 

●疲労と自律神経
 
・疲労は、自律神経の消耗と疲弊によって生じる。
・運動、デスクワーク、緊張するコミュニケーションの場などでは、交感神経が優位になり、交感神経が優位な状態で休息や睡眠をとらずに、無理に活動を続けると、自律神経の中枢が疲労を起こす。
・自律神経の中枢は、視床下部と前帯状回という部分で、疲労を感じたときは、この部位が疲れていると言える。
 
●疲労のメカニズム
 
①自律神経の中枢(視床下部と前帯状回)を酷使することで、自律神経の細胞内のミトコンドリアにおいて活性酸素が大量発生する。
②自律神経の細胞(とくにミトコンドリア)が酸化して劣化。
③自律神経の細胞が本来の働きができなくなり、組織全体のパフォーマンスが低下。
④疲労が起こる
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 2 集英社』

 

●乳酸は疲労の原因ではない
 
・疲労した筋肉では乳酸の濃度は高くなるものの、筋肉のパフォーマンス低下とは関係ない。
 
・乳酸は老廃物などではなく、糖質の分解やエネルギーの再利用に働く。
乳酸は、強度の高い運度をしていて酸素が少ない環境で糖質が代謝されるときに産生されるが、再び酸素が供給されだすと筋肉のエネルギー源として利用される。
 
・"乳酸が増えると酸性化が進む"と言われる事があるが、筋肉内のpHは一定範囲内に保たれており、運動によって極端に酸性に傾くことはない。
 
最新の研究では、乳酸の増加とそれに伴う若干の酸性化はむしろ筋肉の活動を促進することが分かってきている。
 
●疲労の実態(ジョギングをしている場合を例とした説明)
 
・4時間、体に負荷を与える運動を続けても、筋肉や肝機能などにはほとんど影響しないことが分かっている。
 
・ヒトは運動を始めると、心拍数が上昇し、呼吸が速く大きくなる。そして、体温の上昇を抑えるために発汗もする。これらは"脳の自律神経の中枢"と呼ばれる視床下部や前帯状回という脳の部位で制御している。
→運動が激しくなると上記脳の部位での処理が増加
→脳の細胞で活性酸素が発生し、酸化ストレスを受ける。
→脳で"疲労"が生じる。
→"体が疲れた"というシグナルが眼窩前頭野に送られ、"疲労感"として感じられる。
 
・"疲労感"は生体アラームの一つ。
・運動を続けていると生体機能を調整している自律神経に疲労(酸化ストレス)が蓄積するためホメオスタシスが働き、あたかも筋肉疲労を起こしたかのようなシグナルを出して運動をやめさせようとする。それが肉体的な疲労として自覚される。
 
●脳疲労の3つのシグナル、飽きる、疲れる、眠くなる
 
○飽きる
・脳の同じ神経回路を繰り返し使っているとその部位の神経細胞が"酸化ストレス"によって疲弊してくることが分かってくる。
→"飽きる"という感覚
 
○疲れる
・"飽きる"というサインが出ているのに、無理をして同じことを続けると、頭がぼうっとして作業効率が落ち、疲れを自覚する。
 
○"飽きる"前、こまめに休息を取ったほうが良い
・神経細胞のオンオフの切り替えには、電気信号がある一定の閾値を超えることが必要だが、同じ神経細胞を使い続けて疲れが溜まってくると、この閾値が高くなるという特性がある。
→閾値が高くなるということは、神経細胞のオンオフの切り替えの感度が悪くなるということであり、疲れると脳の作業効率が低下することになる。
→この閾値が一度高くなってしまうと、しばらく刺激がまったく行かない状態にしないともとの敏感な状態にもどらない。
→"飽きる"と感じる前にこまめに休息を取ると閾値が低いまま維持できるので、脳の作業効率低下を抑えることができる。
 
○疲労が蓄積すると視野が狭くなる
・飽きる、疲れる、眠くなる、といったシグナルがあっても作業を継続すると、次には視野が狭くなる、といった症状が現れる。
・ヒトの脳は視覚から90%近くの情報を得ているため、脳に対する負荷もそれだけ大きくなる。
→疲労が蓄積すると、視野を狭めて流入する視覚情報の量を少なくして、脳への負荷を軽減しようとする。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

 

●脳の疲労
 
・心理学者によると、意思の決定にはエネルギーが必要で、人間が一日に使える意思決定の量は限られているらしい。
 一日に許された量の意思決定を使い果たすと、あとは理性ではなく欲望が支配するようになる。
・一日のうちに、緊張状態や興奮状態にある時間が長いほど脳は疲れる。
→意識して脳をリラックスさせてやる時間を増やすことはとても重要。
 
※参考資料『石川善樹(2016)疲れない脳をつくる生活習慣 プレジデント社』

 

●休止時間の効果
 
・脳は小休止することによって、経験を受け入れ、それを強化し、永続的な記憶にすることができる。脳が絶えず刺激されていると、この学習過程を阻むことになりかねない。
 
・2008年、ミシガン大学の研究で、都会の混雑した道を歩いた後より、自然の中を歩いた後のほうが、学習能力が格段に向上した。
 情報の波にさらされると脳が疲れることが明らかになった。
 
※参考資料『デイビッド・B.エイガス(2013)ジエンド・オブ・イルネス 日経BP社』

 

●意志力は有限、消耗、訓練
 
・選択や決断をし、行動計画をたて、それを実行するのに必要な資源は"消耗"する。
→ある研究によると、やり通す為に意志力を必要とする作業を指示された人は、その次の作業がやり通せなかったという結果が出た。
・意志力の"有限性"について興味深い点の一つは、どんな作業でも必要な資源は同じということ。
→ある分野で意志力を強くする訓練をすれば、別の分野の難しい作業をする能力が高まるかもしれない。
 
※参考資料『サンドラ・アーモット,サム・ワン(2009)最新脳科学で読み解く脳のしくみ 東洋経済新報社』

疲労因子と疲労回復因子

●疲労因子(FF、ファティーグ・ファクター)、疲労回復物質(FR、ファティーグ・リカバリー・ファクター)
 
・FFは酸化した細胞から出る老廃物の一種から誘発される物質。
 
・実験では激しい運動をさせたマウスの臓器から通常の3~10倍の量が検出され、逆にFFを元気なマウスに投与すると疲れて運動できなくなった。
 
・FFが増えると、細胞を修復する疲労回復物質FR(ファティーグ・リカバリー・ファクター)が発生するが、FFの量がFRの修復能力を超えた時に疲れを感じる。
 
※参考資料『武蔵裕子,清水惠一郎(2014)魔法の鶏むね肉レシピ 宝島社』

 

●疲労因子(Fatigue Factor)
 
・脳と体で処理しきれない活性酸素が発生することが"疲労"の原因になるが、活性酸素が直接的に"疲労感"をもたらすわけではない。
→疲労感をもたらすのは"疲労因子"と呼ばれるタンパク質の働きによる。
 
●疲労回復因子(Fatigue Recover Factor)
 
・疲労因子が増えて疲労感を覚えると、ホメオスタシスが働いて、ダメージを受けた細胞で疲労回復のプロセスが始まる。
 
・疲労回復因子は疲労因子が発生して初めて生ずるので、あらかじめ発生して予防的に作用することはできない。
 
・疲労回復因子は、疲労因子が少ない状態が長く続くとあまり働かなくなり、疲労因子に対する反応性が低下すると推測されている。日常のある程度の疲労を回復させるような場合に働き、普段疲労していない人が急に疲労を伴う行為をするような場合にはあまり反応しない。
 
・疲労因子に対する疲労回復因子の反応性には個人差がある。疲れの残りやすさに関係する。加齢によって低下する。
 
・体内で疲労回復因子によってダメージの回復が進むかどうかはおもに睡眠の影響によることが分かっている。一般的には6時間睡眠で疲れが回復する人は疲労回復因子の反応性が高いといえる。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

疲労と疲労感、疲労感のマスキング

・仕事等の作業、スポーツなどの運動を行った場合、相手から感謝された、スポーツの結果が良かった、などの状況においては、"疲労感"をあまり感じない場合がある。
→実際には"疲労"を起こしていても、それを感じるのは脳であるため、"疲労感"を覚えない場合がある。物理的な"疲労"の程度と主観的な"疲労感"は一致しないことがある。
→"疲労"が起こるのは主に自律神経の中枢(視床下部と前帯状回)でその疲労を自覚するのは眼窩前頭野と、部位が異なっているためギャップが生じうる。
→前頭葉が発達したヒトでは、意欲や達成感によって眼窩前頭野で感じた"疲労感"を覆い隠してしまうことがある。(疲労感のマスキング)
→やりがいを感じ充実した気持ちで仕事をしていても脳と体の内部では疲労が蓄積している場合がある。
ランナーズハイもエンドルフィンやカンナビノイドといった物質が分泌されることによって快感に似た感覚が引き起こされ、疲労感がマスキングされている。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

慢性疲労症候群

・診断基準は、"生活が著しく損なわれるような強い疲労感を主な症状とし、少なくとも6ヶ月以上この状態が持続、またはこれを繰り返している"。
 
・健康な人の疲れやストレスが慢性化している状態を指すのではない。重篤な疾病。
 
・原因として過度のストレス、脳内でエネルギーを生み出しているカルニチンの代謝異常などが考えられており、そこには遺伝的な素因が関わっているという報告もある。
 
・脳内で血流の低下、疲労を解消するセロトニンの輸送体が減る、脳内の免疫細胞が活性化して炎症が起こることがわかってきた。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

紫外線による疲労

●紫外線と活性酸素、疲労
 
・紫外線に反応して体内で活性酸素が生じる。
・紫外線は波長が長くなるほど体の奥まで浸透しやすく、UVAが体内に吸収されると活性酸素が生じる。UVAで生じた活性酸素による酸化が、真皮を作るコラーゲン繊維を破壊するとシワが発生する。
 
○目が浴びる紫外線の影響
・目から紫外線が入ると角膜で炎症反応が起こる。目から紫外線が入るだけでも炎症反応から疲労が蓄積されていく。
・角膜に紫外線が入ると活性酸素が大量に発生し、炎症反応が起こる。
→その炎症によってサイトカインが分泌され、脳に警報として伝わる。
→脳の自律神経が反応し、メラノサイトを活性化させ、メラニンを分泌し、備える。
→この緊急対応をとることによって自律神経を疲弊させ、大きな疲労を生む。
←サングラスが有効。
サングラスを選ぶ際には、"紫外線を99%以上カット"でき、また、レンズと顔のすきまから反射光や散乱光が入り込まない、スポーツタイプのように自分の顔にすきまなくフィットするタイプがよい。
 UVカットの機能がない濃い色のサングラスは良くない。濃い色のサングラスをかけると目に入る光が減って瞳孔が大きく開いたままになるため、多くの紫外線が網膜に達することになる。
 
●紫外線の分類と注意点
 
①UVA
・地表に降り注ぐ紫外線の95%。
・UVAは日差しがある時間はずっと降り注いでいる。
・UVAは5月から9月がピークのうえにそれ以外の月もピークの50%ほどの量がある。
・UVBはガラスを透過しないが、UVAはガラスを透過するので室内にいても要注意。
・体の奥まで浸透しやすく、それによる酸化ストレスがコラーゲンを破壊し、シワが生じる。
 
②UVB
・届くのは皮膚の外側の表皮までだが、強いエネルギーで表皮の細胞核にダメージを与えようとする。これを防ぐのが日焼け。表皮で活性酸素による酸化ストレスを起こし、しみの発生を促す。
・UVBの量のピークは、午前10時から午後2時くらいまで。
・UVBは4月から増え始めて5月から8月がピークでそれ以外は比較的少ない。
・曇り空でもUVAの80%は地表に到達。
 
③UVC
・波長が一番短く有害だが、空気中の酸素とオゾン層でシャットアウトされている。
 
●その他の注意点
 
・日陰でも紫外線を浴びている。
紫外線は反射、散乱しやすい。
 反射率は、新雪80%、砂浜10~25%、水面10~20%、アスファルト・コンクリート10%、草地・芝地・土面10%以下。
・屋内で働く人でも屋外で働く人の10~20%は紫外線を浴びるといわれている。
・日傘は、散乱光を避けるため、体に近づけて、太陽に向けてさす。
生地に紫外線カットの加工がしてあり、中でも外側が白く、内側が黒いものを選ぶ。白色は光を反射、黒色は光を吸収する働きがあるため。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 2 集英社』

いびき、睡眠時無呼吸症候群と疲労

●睡眠と疲労
 
・徐波睡眠のときに脳の疲労回復が進められる。
・眠っている間は大脳も自律神経も昼間と比べて活動量が落ちるので、疲労回復因子の働きが疲労因子を上回り、脳の疲労が回復する。
 
●いびき、睡眠時無呼吸症候群と疲労
 
・いびきをかいている状態では気道が狭小化しており、肺に空気を入れるのにさらにエネルギー負荷がかかる。十分な空気を吸うことができず低酸素呼吸状態に陥りやすい。
→自律神経は心拍数を速くし、血圧を上げて酸素供給量を維持しようとする。
→睡眠中なのに自律神経に負荷をかけてしまう。
→疲労の回復の妨げになる。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

 

●寝る姿勢
 
・仰向けで寝ているといびきをかくために疲れがとれにくく、横向きで寝るほうがいびきをかきにくくて疲れがとれる。
 横向きなら、舌根が下がる心配がなく、気道が狭くなる、ふさがるリスクが避けられる。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 2 集英社』

疲労回復成分

●主な抗疲労物質
 
・イミダペプチド
・クエン酸
・植物が発する緑葉成分である"緑青の香り"。
 
※参考資料『武蔵裕子,清水惠一郎(2014)魔法の鶏むね肉レシピ 宝島社』

 

●疲労回復成分、イミダペプチド
 
○疲労が軽減する食成分に関する研究
・96名の被験者にエルゴメーターで4時間の身体作業、または4時間のデスクワークを続ける精神作業を行い、疲労負荷を与える。
それから4時間の回復期の間に、疲労の蓄積と回復の度合いを計測・評価。
・ビタミンC、クエン酸、コエンザイムQ10、カルニチン、アップルフェノン、カフェインなどの23種類の食品成分を評価。
・もっとも効果的だったのがイミダペプチド。
 
○イミダペプチド
・鶏の胸肉に多く含まれている。
・鳥が長時間飛び続けると羽を動かす筋肉が疲労するので、それを防ぐために胸肉に抗疲労成分であるイミダペプチドが多く含まれていると考えられている。
・渡り鳥と同じように海を回遊するマグロやカツオなどの大型魚にも含まれている。
・脳内で持続的に酸化ストレスを減らして、抗疲労効果を発揮し続けるには、1日あたり200mgのイミダペプチドをとるのが有効。鶏の胸肉であれば100g。
・イミダペプチドは加熱に強くて安定的だが、直火で長時間あぶると成分が変質恐れがあるので、焦がすようなグリル料理は注意。水溶性なので蒸す、茹でるなどした場合は、残った汁を調理してスープにすると有効に摂取できる。
 
●クエン酸と疲労回復
 
・ミトコンドリアのエネルギー生成の反応部位にクエン酸回路(TCA回路)があり、クエン酸が重要な役割を果たしている。
・クエン酸を増やしてクエン酸回路を活性化させると、ミトコンドリアで再びエネルギーが産出されて疲労が軽減する。
・クエン酸が特に疲労回復効果を発揮するのは、食事等から栄養を十分にとらずに激しい運動をしているとき。
・ただし、クエン酸単独では、疲労の元になる活性酸素による酸化ストレスを防ぐことはできないので注意する。
 
●ビタミンCとBCAA
 
・ビタミンCとBCAAが疲労を軽減するというエビデンスはない。
 
○BCAA(分岐鎖アミノ酸)
・バリン、ロイシン、イソロイシンという3つの必須アミノ酸の総称。
・疲労回復に効果があると喧伝されていて、スポーツドリンクやアミノ酸ドリンクに多く配合されている。
・BCAAに長時間運動での疲労回復効果は期待できない。
・BCAAを摂り過ぎると疲労感が強くなる恐れもある。
→BCAAを脳内で取り込む受容体はトリプトファンを取り込む受容体と共通しているため、BCAAを摂り過ぎると競合するトリプトファンが脳内で利用されにくくなってしまう。トリプトファンはセロトニンの原料なのでセロトニンの合成量が低下し、疲労感が増す事になってしまう。
・スポーツドリンクやアミノ酸ドリンクには500mlに4gのBCAAを含むタイプがあるが、4gのBCAAを一度に摂取すると、トリプトファンなどの血中濃度が一気に10分の1に下がることが分かっている。
・BCAAが効果的に作用するのは、高強度の筋トレ、登山、ボクシングやスクワットのように、筋肉に強いダメージが及んで損傷するような激しいトレーニングやスポーツを行う場合。
 
●栄養ドリンク
 
・現在のところ、疲労回復効果が証明されているものはない。
 
・栄養ドリンクには、覚醒作用のあるカフェインや気分を高揚させるアルコールが含まれているため、実際の疲労の感じ方を薄めるような効果はあるかもしれない。疲労のマスキング作用。実際には疲労していて疲労が蓄積される可能性があるので注意する。
 
○タウリン
・タウリンは胆汁酸の分泌を促す等、肝臓に働きかける作用が知られているが、疲労を軽減するというエビデンスはない。
・タウリンは体内で必要量を合成できる成分であり、より多くのタウリンを取った場合の効果は限られると思われる。
 
○カフェイン、アルコール
・カフェインには覚醒作用があり、微量のアルコールには気分を高揚させる働きがあるので、この作用で疲労が軽くなったと感じさせる効果はあるかもしれない。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 集英社』

 

●イミダペプチド
 
・摂取したイミダペプチドは、体内に吸収されてから"ヒスチジン"と"βアラニン"という2種類のアミノ酸に分解されて血液中に入り、体内を巡る。
→アミノ酸が連なったペプチド状態であるイミダペプチドのままでは血液脳関門を通れないが、ヒスチジンとβ-アラニンは血液脳関門を通過し、脳まで運ばれる。
→ヒスチジンとβ-アラニンはそれぞれ単独では抗疲労効果はないが、脳、中でも自律神経の中枢であるコントロールセンター部分にはヒスチジンとβ-アラニンをイミダペプチドに再合成する酵素が備わっており、再合成されたイミダペプチドがそこで抗酸化作用を発揮して自律神経の疲労回復につながることが明らかになっている。
・脳のほかにも、運動時に活性酸素が発生し、酸化ストレスを受けて疲れやすい筋肉にもヒスチジンとβーアラニンをイミダペプチドに再合成する酵素が備わっており、抗酸化作用で疲労を防止している。
 
○豚ロース、カツオ
・豚ロース肉は130g、カツオなら150gでイミダペプチドが200mg摂取できる。
 
○サプリメント
・"イミダペプチド200mg確証マーク"が目印。
・"機能性表示食品制度"に基づいて消費者庁に届出を行い、受理されているものもある。
 
●コエンザイムQ10
 
・イワシやサバなどに含まれていて、缶詰でも手軽にとれる。
・動物から植物まであらゆる細胞に含まれており、エネルギー代謝を助ける補酵素として働いている。
・ミトコンドリアでエネルギーを生み出すクエン酸回路では、コエンザイムQ10も働いており、エネルギー効率を高めて疲労からの速やかな回復を助ける。加えてコエンザイムQ10の抗酸化作用は、ミトコンドリアでの酸化ストレスの軽減を補助する。
・コエンザイムQ10は体内でも作られているが、合成量は加齢とともに右肩下がりになる。また、ストレスや病気等でも合成量は減る。
 
●リンゴポリフェノール
果物の効用の"リンゴ→リンゴポリフェノール"参照。
 
●ニンニク料理
 
・ビタミンB群とニンニクが疲れに効くとされるのは、エネルギー不足から起こる疲労に悩んでいた時代の名残に過ぎない。
 3大栄養素を代謝してエネルギーに変えるには、ビタミンB群が不可欠
→ニンニク、ニラ、長ネギ、タマネギなどに含まれているアリシンという成分は、切ったり、潰したり、加熱したりといった調理の過程でアリインという成分に変化する。
→アリインはビタミンB1に結びつくとその効果を持続させて糖質の代謝を安定的に支える。
 
※参考資料『梶本修身(2016)すべての疲労は脳が原因 2 集英社』

ネットニュースによる関連情報

●慢性疲労症候群が腸内細菌と関係?
 
・慢性疲労症候群の患者群では健常者に比べて腸内細菌の多様性が極端に劣ること、また抗炎症性の微生物が少ないことがわかった。
・今回の研究では、腸内細菌の変化が病気の原因なのか、それとも病気の結果、変化が起こるのかを判断することまではできていない。

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