親切、信頼、感謝、愛着、親密

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  1. 親切、信頼とオキシトシン
  2. 親密と健康効果
  3. 感謝の効果
  4. 瞑想とオキシトシン
  5. ネットニュースによる関連情報


※オキシトシンについては以下の記事も参照。
オキシトシン、プロラクチン

愛着、親切、信頼とオキシトシン

●信頼とオキシトシン
 
・オキシトシンは、"信頼のホルモン"と言われている。
・受容体と結びつくオキシトシンが多いほど、信頼能力も高くなるらしい。
・多くの研究によって、社会的な愛着のネガティブな結果は、一つにはオキシトシンの欠陥のせいであることが実際に確認されている。
・オキシトシンと偽薬が脳の領域を活性化させる効果を比べた実験では、オキシトシンは扁桃体の活動をはっきりと低下させたという。
→恐怖や不安は扁桃体の活動を活発にして、愛着の邪魔をする。オキシトシンは扁桃体の活動を低下させて愛着を促す。
・オキシトシンレベルを引き上げるには、信頼できる人たちや信頼してくれる人たちと交わると良い。そうするとオキシトシンレベルが上昇して、不安に関連する扁桃体の活動が低下する。
 
●安定型の愛着
 
・安定型の愛着をするためには不安を最小限にしなければならず、不安を減らすにはもっと信頼しなければならない。
 
※参考資料『スリニバサン・S.ピレイ(2011)不安を希望に変える 早川書房』

 

●オキシトシンと信用
 
・詐欺師やマジシャンは相手の脳からオキシトシンを放出させて自分を信用させるのがうまい。
・詐欺師にとってカギとなるのは、あなたが詐欺師を信用することではなく、詐欺師があなたを信用していると示すことにある。詐欺師は弱者を装ったり、助けを求めたりして、自分が弱い立場にあることを相手に印象付ける。オキシトシンが脳に与える影響により、他人を助けるとあなたはいい気分になる。
 
※参考資料『スティーヴン・L.マクニック,スサナ・マルティネス=コンデ(2012)脳はすすんでだまされたがる 角川書店』

親密と健康効果

●ロゼット効果
 
・アメリカのペンシルベニア州にある町は"心臓病にかからない町"で知られている。
・50年に及ぶ追跡調査の結果、65歳以上の男性における死亡率は国の平均の半分にすぎず、55~64歳ではほぼゼロだった。
・この町に暮らす人々の特徴として"住民同士の親密な結びつき"があった。
 ・よく飲食をともにし、一緒に働いていた。
 ・近隣で助け合う風土。
 ・多くの世帯で3世帯以上の同居。定期的に寄り合いも開かれていた。
・その後、変化の波にさらされ、人間関係が疎遠になってくると、心臓病の予防効果も消えていった。
 
●男女の婚姻状態と死亡率の関係
 
・2000年に発表された米国国勢調査局の全米長期死亡率調査で、"男女の婚姻状態と死亡率の関係"が調べられた。(45歳~64歳の男女28万人を対象)
 ・未婚者の死亡率は既婚者のそれより高い
 ・心臓と血管の病気による死亡リスクに既定した場合も、未婚者の方がずっと高い。
 ・ただし、配偶者を失った人や離婚した人、別居した人は、未婚者より死亡率が高い。
・心臓発作や不安定狭心症で入院した女性292人を調べた研究
 ・夫婦関係のストレスが高い人に、再び心臓発作などの症状が起こる率が高かった。
・心不全患者を調べた研究で、4年後の生存率と夫婦仲の相関を調べた。
 ・夫婦の仲が良いほど、長生きしていた。
 
※参考資料『デイビッド・ハミルトン(2011)「親切」は驚くほど体にいい! 飛鳥新社』

感謝の効果

※感謝の心と痛みの軽減については以下の記事参照。
痛みの感覚の”感謝と痛み”
 
※感謝と幸福感については以下の記事参照。
幸福感の”感謝と幸福感”

●正の再生バイアス
 
・逆境のときには悪いことばかり思い出しがちだが、"とにかく、ここまで来られて良かった"など感謝の思いを持ちながら気持ちを切り替えると、過去の悪いことより良いことを思い出しやすくなる。
・感謝すると、気分が明るくなって、脳の中のプラスの記憶や体験への神経接続が強化される。また、プラスの記憶の形成そのものも助けられる。
 
●"内向き"の心を感謝の気持ちで切り替える
 
・"内向き"の状態では、自分のこと、それも、自分に足りないものばかり考えてしまい、不調になっていく。
→意識を外に向けていれば改善できる。
→そのためのシンプルな方法として、感謝する、ことがある。
・感謝の気持ちが抑うつ感情に影響することが、いくつかの研究で分かっている。
→抑うつ傾向の強い人ほど物事にあまり感謝せず、逆の人は感謝する傾向がある。
 
※参考資料『デイビッド・ハミルトン(2011)「親切」は驚くほど体にいい! 飛鳥新社』

瞑想とオキシトシン

・瞑想をしている仏教徒のお坊さんの脳をMRIで調べたところ、共感能力が高まっていることが分かった。そして、扁桃体の活動がいっそう活発になっていた。
・扁桃体はあらゆる感情を処理するが、デフォルトでは不安に取り組む。慈悲の瞑想をすると、扁桃体はこの瞑想の喜びのほうが無意識の不安よりも重要だと受け取る。
・瞑想をしているときには、関心を何かに集中する。気づき。
・意識的な関心は気づきとは別。気づきは意識的であると同時に無意識でもある。
・瞑想は関心を集中させ、関心が集中するとレーダーへの干渉が減る。干渉が減るだけで心は楽しくなり、意識的にも瞑想の効果がよく分かる。"ゾーン"
・いくつかの研究によると、瞑想はオキシトシンの効果を高め、それによって信頼を強化し、安定型の愛着を刺激するらしい。
 
※参考資料『スリニバサン・S.ピレイ(2011)不安を希望に変える 早川書房』

ネットニュースによる関連情報

●感謝の心と健康の関係
 
・3か月以内に無症候性心不全(ステージB)と診断された186名の男女を対象にした。
 標準的な心理試験を用いて、研究チームは感謝とスピリチュアルなウェルビーイング(幸福)について点数付した。それを抑うつ症状の重症度、睡眠の質、疲労、自己効力感、炎症マーカーと比較した。
・その結果、感謝のスコアが高い患者はより良い気分を持ち、眠りの質も高く、自己効力感も高かった。また炎症マーカーは低めだった。炎症はしばしば心不全を悪化させる。

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