オキシトシン、プロラクチン

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  1. プロラクチンの概要
  2. オキシトシンの概要
  3. オキシトシンの分泌
  4. オキシトシンの効果
  5. オキシトシン、バソプレシンと愛着

プロラクチンの概要

※関連記事
恋愛感情、性欲、愛着の”性欲、恋愛感情、愛着に関わる脳内化学物質”

・下垂体から放出されると乳が生産される。
・不安やストレスにうまく対処するのに体に備わった物質。
・ラットの実験で、ストレスホルモンの分泌量とHPA軸の機能を下げた。
・運動によって体を循環するプロラクチンの量が増える。
 
※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』

オキシトシンの概要

●オキシトシンとは
 
・9個のアミノ酸でできた神経ペプチド
・脳の視床下部でつくられる。
・胎児の体内や胎盤でもつくられ、子宮収縮を促す役目も担っている。
・授乳期の母親の乳腺を刺激して、母乳分泌を促す作用もある。
→母親が乳児を見たり触れたりすると、オキシトシンが出て、母乳の分泌が活発になる。
 
※参考資料『デイビッド・ハミルトン(2011)「親切」は驚くほど体にいい! 飛鳥新社』

 

・オキシトシンは、絆の神経調整物質と呼ばれることもある。恋人同士が結ばれて、愛を交わすときに分泌される(人間では、性行為でオーガズムを得ているときには男女に分泌される)
・女性の場合は、分娩時と母乳を与えるときに放出されている。
・哺乳類のオスが父親になると、オキシトシンと密接に関係する神経調整物質、バソプレシンが放出される。
・子どもが親に愛着を抱くのもオキシトシンの作用と思われる。養子となった子どもは、数年は、オキシトシンの分泌が低いまま。
・ドーパミンは興奮を引き出し、人を意気揚々とした状態にし、性的興奮を引き起こす。一方、オキシトシンは、穏やかであたたかい気分を生じさせる。やさしい感情や一緒にいたいという気持ちを高め、信頼感を生じさせる。
・オキシトシンは、学習した行動を消し去ることを可能にしているため、忘却ホルモンとも呼ばれている。
 
※参考資料『ノーマン・ドイジ(2008)脳は奇跡を起こす 講談社インターナショナル』

オキシトシンの分泌

・他者のふれあいによって分泌される。
・身体的なふれあいだけでなく、心のふれあいでもよく、親切な行いは特に有効。
 
例)
・人とのつながりを感じたとき
・恋愛感情を感じたとき
・セックスをしたとき
 
○オキシトシンを分泌する方法
・親切をする
・感動する
・感情を表に出す
・マッサージを受ける
・愛する人と精神的に支え合う、スキンシップをとる。
・ペットをなでる
 
※参考資料『デイビッド・ハミルトン(2011)「親切」は驚くほど体にいい! 飛鳥新社』

オキシトシンの効果

●ストレスとの関連
 
ストレスとホルモンの関わりの”オキシトシン”
 

・脳内ではたらいて"心を変える"
・血液中のホルモンとなって"体にも効く"。
 
○人への親近感、信頼感が増す
・"信頼ゲーム"と呼ばれる、経済学のゲームを使った研究で、オキシトシンを嗅がされた参加者の脳活動をfMRIで調べると次のことが分かった。
 ・扁桃体の活動が低下した
  再び裏切られることへの恐怖が抑えられていた
 ・背側線条体の活動も抑制されていた。
  "過去の成果"にこだわらなくなった。
 →オキシトシンがあふれているひとは、裏切られても人を信頼し続ける。
 
○血圧の上昇を抑える、心臓の機能をよくする
・大動脈、心臓の右心房、肺動脈などのオキシトシン受容体がある。
・オキシトシンが心臓や全身の血管の受容体に結合し、様々な作用を及ぼす事が分かった。
・オキシトシンが血管壁の受容体に結合
→NOがつくられ、血管が拡張
→動脈や静脈、毛細血管が拡がると、血管の抵抗が減って、血圧が低下
・NOは加齢とともに減少して血管が拡張しにくくなるが、オキシトシンが増えるとこれを防ぐ可能性がある。
 
※参考資料『デイビッド・ハミルトン(2011)「親切」は驚くほど体にいい! 飛鳥新社』

 

・オキシトシンは鎮静剤の役目も果たし、社会的調節を支えている。
・オキシトシンが影響を及ぼす脳の領域には、扁桃体や視床下部、血圧や脈拍、注意力、動作、感情などを司る脳幹の各部が含まれる。同じ神経が、自律神経系と苦痛の感覚の両方を制御する、脳と脊髄の部位とつながっている。
→そのため、オキシトシンの放出を刺激する遭遇はどんなものであれ、私たちの身体的な健全性だけでなく、私たちの展望のじつに多くの異なる側面も上向かせられる。
・オキシトシンは、ホルモンとしては、視床下部のニューロン内で合成され、下垂体を通って血流に放出される。そして神経伝達物質としては、長い神経線維を通って視床下部から神経系へと直接運ばれる。
・運動して汗をかくと、オキシトシンの放出が促進される。
・孤独感が苦痛を与え、ストレスの認識を増加させ、免疫機能を妨げ、認知機能を低下させるのに対して、オキシトシンはストレス反応性を弱め、苦痛への耐性を強め、注意力が散漫になるのを防ぐ。
 
※参考資料『ジョン・T.カシオポ(2010)孤独の科学 河出書房新社』

オキシトシン、バソプレシンと愛着

●オキシトシンと恋愛感情、愛着、性欲との関連
 
恋愛感情、性欲、愛着の”性欲、恋愛感情、愛着に関わる脳内化学物質”、”愛着”
 
●オキシトシンと信頼、信用との関連
 
親切、信頼、感謝、愛着、親密
 
●オキシトシンと幸福感
 
幸福感の”ドーパミン、オキシトシンと幸福感”

・ふれあいやぬくもりなどの快い刺激が引き金で分泌されたり、授乳しているときに母と子の脳に放出される。
 
※参考資料『ブルース・マキューアン(2004)ストレスに負けない脳 早川書房』

 

・オキシトシンは愛情ホルモンとして知られ、授乳中に母子ともに大量に分泌され、家族や恋人と絆を深めるために重要なホルモン。
・ラットの実験では、子ラットがなめてもらわなかったことによるオキシトシン遺伝子の変化は、そのラットの(普通に育てられた)娘ラットにも伝えられ、娘ラットの育児の仕方にも影響する。
 
※参考資料『ティム・スペクター(2014)双子の遺伝子 ダイヤモンド社』

 

●オキシトシン、バソプレシン

・乳児が乳を吸うとき、その刺激がオキシトシン値を高め、それによって乳の出がよくなる。やがて、この刺激は母親にとって条件反射となり、子どもをただ見ているだけでも乳が出るようになる。
・バソプレシンはオキシトシンと拮抗作用を持ち、社会的な絆を結ぶのを抑え、オスの場合はほかのオスに対する攻撃性を高めるホルモン。
・人間が性行為を行うとき、オルガスムによってオキシトシンが血流に大量に放出され、授乳する母親に見られるのと同じ集中力と、鎮静や、ときには眠気までも呼び起こす。
 
※参考資料『ジョン・T.カシオポ(2010)孤独の科学 河出書房新社』

 

・オキシトシンとバソプレシンというホルモンは、絆を調節している。
・陣痛や出産の際にオキシトシンが放出される。
・女性が性行為の最中に乳首や子宮頸部に刺激を受けたり、男女とも性的絶頂に達したりしたときにもオキシトシンは放出される。
・男女とも、性行為後に脳の中に放出されるオキシトシンとバソプレシンが、相手に惹かれる思いと愛情とを促す。
・オキシトシンは、とくに女性では抱擁の最中にも放出され、そのため、知性のレベルで意識的につながりがなくても、偶然に身体が触れただけで感情的な親近感が湧く事がある。
・より一般的な社会環境では、オキシトシンは信頼感を促し、他人と有益な社会的接触があったときに生産される。
・脳の中でバソプレシン受容体を制御している遺伝子のある特定の型を二つ持っている男性では、バソプレシン受容体が少ない。バソプレシン受容体の少ない男性では、多く持っている人に比べ、夫婦間の問題や離婚の危機を経験する可能性が2倍で、結婚している割合も半分。
 
※参考資料『レナード・ムロディナウ(2013)しらずしらず ダイヤモンド社』

 

●オキシトシンとAVP(アルギニン・バゾプレッシン)
 
○ハタネズミに対する研究
・ハタネズミのつがいのきずなの形成と発現をオキシトシンとAVPという二つの神経伝達物質がコントロールしている。
・オキシトシンは、多くの哺乳類で、分娩や交尾等、膣や子宮頸部への刺激があるときに放出される。母子の絆の形成に重要と言われている。
・AWPは攻撃、においづけ、求愛など、雄の様々な行動に重要で、ハタネズミの雄にとって、つがいのきずなを形成する主要なホルモンと考えられている。
 
○ヒトに対する研究
・女性はオルガスムのあいだオキシトシンのレベルが上がり、男性は性的刺激を受けるとAVPの濃度が高くなる。
・脳機能画像検査による実験で、ロマンチックな愛(男女どちらでも)と男性のオルガスムは、オキシトシンとAVPの受容体を含む、脳の似た報酬領域を活性化させることが分かっている。
 
※参考資料『サンドラ・アーモット,サム・ワン(2009)最新脳科学で読み解く脳のしくみ 東洋経済新報社』

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