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- かぼちゃ
- トマト
- なす
- キュウリ
- ピーマン
- ししとうがらし(ししとう)
- さやいんげん
- さやえんどう
- オクラ
かぼちゃの効能の概要
・果肉のオレンジ色はカロテンによるもの。 西洋かぼちゃには100g中4000μgとほうれんそうとほぼ同じ量が含まれている。 日本かぼちゃは730μgと1/5強。 カロテンは油に溶ける性質があるので、炒め物や揚げ物など油とともに食べると吸収がよくなる。また、加熱するだけでもカロテンの吸収がよくなる。 ・野菜の中でもビタミンEが多い。西洋かぼちゃは日本かぼちゃの2倍の量含んでいる。 ・ビタミンE以外にもビタミンA、Cも多く、食物繊維、カリウムも豊富に含まれる。 ・西洋かぼちゃは約20%の糖質を含み、水分は野菜としては少ないので、じゃがいもやバナナよりも高エネルギー。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
トマトの効能の概要
・トマトの赤い色はにんじんやかぼちゃとは異なり、カロテンは少なく、リコペンという赤色が大半を占めている。トマトの種類では、ミニトマトの方がカロテンが1.8倍多い。 ・トマトの抗がん性の主役はリコペンであるが、カロテン、ビタミンC、Eなどの総合効果によるものと考えられる。 アメリカの国立ガン研究所が作成したがん予防効果が期待できる食品リストには、トマトが重要度の中級のグループに位置づけられている。 ・ルチンも含まれていて、ビタミンPとも呼ばれ、毛細血管を強くする作用がある。 ・カロテン以外に、カリウム、ビタミンC、Eが多く含まれる。食物繊維については含有量はそれほどでもないが、水溶性の食物繊維が多い点で優れている。 ・多くの栄養成分はミニトマトの方が多い。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・熱に強くトマトジュースなどに加工しても効用を損なうことがない。 ・肉厚のトマトを丸かじりすると独特の食感があるが、これはペクチンという水溶性食物繊維が豊富なため。ペクチンは、血液中のコレステロール値を下げる働きがある。 ※参考資料『佐竹元吉(2016)機能性野菜の科学 日刊工業新聞社』
・疲労の素を取り除く、クエン酸やリンゴ酸、コハク酸などを含む。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・脂肪の吸収を抑制し、肥満の改善効果がある。 ・クエン酸を野菜としては多く含み、体内の脂肪合成を防ぐ効果がある。 ※参考情報『森下竜一,桐山秀樹(2015)アルツハイマーは脳の糖尿病だった 青春出版社』
・リコペンが豊富。この成分は前立腺がんのリスクを減らし、心臓血管の健康を支えてくれる。 ・トマトには膵臓がんと大腸がんを予防する可能性がある。 ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
・脂肪の吸収を抑制し、肥満の改善効果がある。 ・クエン酸を野菜としては多く含み、体内の脂肪合成を防ぐ効果がある。 ※参考情報『森下竜一,桐山秀樹(2015)アルツハイマーは脳の糖尿病だった 青春出版社』
リコペン
以下の記事も参照。
カロテノイド、リコペンの概要、効果、健康影響の”リコペンの概要、健康影響”
カロテノイド、リコペンの概要、効果、健康影響の”リコペンの概要、健康影響”
・リコペンには強い抗酸化作用があり、その抗がん効果が注目されている。 リコペンの量については、生食用よりもトマトジュースや調理用のトマト缶詰の方が多い。その理由は、加工用のトマトの方が赤色を必要とするために、リコペンの多い品種が用いられているからである。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・リコペンは抗酸化作用がある。加熱しても壊れない。 ※参考情報『森下竜一,桐山秀樹(2015)アルツハイマーは脳の糖尿病だった 青春出版社』
・リコペンが豊富。この成分は前立腺がんのリスクを減らし、心臓血管の健康を支えてくれる。 ・トマトは加熱すると、リコペンが体内に吸収されやすくなるという研究結果がある。これには、缶詰のものも含まれる。 ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
・リコペンは熱に強く、また油を使って調理することで体内での吸収率が高くなる。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
・リコペンは抗酸化作用がある。加熱しても壊れない。 ※参考情報『森下竜一,桐山秀樹(2015)アルツハイマーは脳の糖尿病だった 青春出版社』
なすの効能の概要
・動物実験の結果では、体内で腫瘍壊死因子と呼ばれる物質をつくる作用が大きい。さらに、白血球を増加させる作用もかなり強いという。 ヒトが野菜として食べたときの効果についてはまだ確認が不十分であるが、栄養素ではない成分の生理作用が期待されている。 アメリカの国立ガン研究所が作成したがん予防効果が期待できる食品リストには、ナスをはじめとするナス科の野菜が、中クラスの重要度のグループに含まれている。 ・なすの栄養価はとりたてて多く含まれるものはない。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・アクの成分であるポリフェノールには抗酸化作用がある。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・皮に含まれるアントシアニンのほか、果肉のクロロゲン酸にも抗酸化作用がある。 ・なすはアクが強いため、切った後は水にさらしてアク抜きをしないと切り口が褐色に変わる。 アクの正体はクロロゲン酸などのポリフェノールなので、水にさらす時間は極力短くする。すぐに調理する場合は、アク抜きは必要ない。 ※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』
・食物繊維を多く含み、肉に似た食感は満腹感を生み、食欲を抑える。 ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
ナスニン
・ナス紺と呼ばれる黒紫色はナスニンというアントシアン系色素。この成分には活性酸素を減らす抗酸化作用がある。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・ナスニンは、紫紺色のアントシアニン系色素で、コレステロールの値を下げたり、眼精疲労の改善に役立つ。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・皮にはアントシアニンの一種で抗酸化作用の高いナスニンが豊富。 ・15分以上水にさらすと水っぽくなり、水溶性であるナスニンも流出してしまう。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
・ナスの皮の深い紫色はナスニンによるもの。これは抗酸化物質であるアントシアニン系色素の一種で、がんや心臓病のリスクを低減する可能性を持つ。 ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
キュウリの効能の概要
・カリウムが比較的多い。ビタミンやミネラルはとりたてて多いものはない。 ・ビタミンC酸化酵素のアスコルビナーゼが含まれている。 ビタミンCの多い野菜と合わせるとビタミンCが酸化されるが、この酵素は酸度を下げると働きが弱まるので、酢や酢じょうゆとともに使えばCの酸化は少なくなる。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・ピラジンは、青臭い匂いの成分で血栓を予防するのに積極的に働きかける。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
ピーマンの効能の概要
・一つのものが腐るとほかにも移るので、傷んだものはすぐ処分する。 ・青いピーマンはカロテンが100g中に400μgと緑黄色野菜の基準である600μgに達していないが、食べる頻度や量からカロテンのよい供給源となる。 ・動物実験で、白血球数を増加させる作用がかなり強いことや免疫力をアップする作用があることも確かめられ、これらの総合的な作用によるがん予防効果が期待されている。 ・アメリカの国立ガン研究所が作成したがん予防効果が期待できる食品リストには、ピーマンは重要度の中級のグループに位置づけられている。 ・ビタミンE、C、B6が豊富。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・ピロロキノリンキノン(PQQ)という物質が含まれているという報告がある。神経保護作用、抗酸化作用を示し、不足すると生殖能力の低下、皮膚機能障害などを起こすといわれている。 ※参考資料『佐竹元吉(2016)機能性野菜の科学 日刊工業新聞社』
・長時間加熱すると色や香りだけでなく栄養価も落ちてしまうので、調理するときは手早く。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・ビタミンPという成分が、壊れ易い性質のビタミンCを熱や酸化から守り、その働きもサポート。このビタミンPは水溶性なので、ゆですぎたり、水に長時間さらす料理は避けたほうがよい。 ・ピーマン特有の青臭さは、ピラジンという成分が原因。 ピラジンは、血液が固まるのを防ぐ働きがある。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
・ビタミンCは、加熱によって壊れ易い栄養素だが、ピーマンの場合、繊維組織がしっかりしているため、加熱による損失は少なめ。 ・ピラジンは、ピーマンの香りのもととなる成分。血液をサラサラにする効果がある。 ※参考資料『名取貴光(2016)新・野菜の便利帳 健康編 高橋書店』
ししとうがらし(ししとう)の効能の概要
・ビタミンC以外のほとんどの栄養成分はピーマンより多い。 ・ミネラルではカリウムがかなり多く、ビタミンではカロテン、E、ナイアシン、B6、パントテン酸、Cが多い。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
さやいんげん
・いんげんまめの若いさや。 ・さや豆の栄養価は豆類の特徴をもち、たんぱく質、カロテン、B1、B2などのビタミン、カリウムや食物繊維が豊富。 ・さや豆の中では栄養価の低いほうであるが、カロテンはトマトに近い量。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・必須アミノ酸の一つであるリジンを他の野菜よりも多く含んでいる。肌荒れに効いたり、肝機能を高める働きがある、と言われている。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・豊富なビタミンB群とアスパラギン酸で疲労回復に効果がある。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』
●インゲン豆 ・ルテインやβ-カロテンなど様々な種類のカロテノイドを含む。 ・心臓の血管を健康に保つケルセチンなどのフラボノイドも含む。 ※ケルセチンについては以下の記事参照。 ポリフェノールの概要、効果、健康影響の"ケルセチン" ※参考資料『ナショナルジオグラフィック別冊 2(2017)食材の科学 日経ナショナルジオグラフィック社』
さやえんどう
・えんどうの若いさや。 ・さや豆の栄養価は豆類の特徴をもち、たんぱく質、カロテン、B1、B2、Cなどのビタミン、カリウムや食物繊維が豊富。 ・さや豆の中でも栄養価の高いほうで、たんぱく質とビタミンCが多い。 ・カロテンも比較的多く、トマトと同程度。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・ビタミンCを多く含む。 ・加熱による栄養分の損失が少ない。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
オクラ
・食物繊維が多く、ごぼうに近い量。 ・オクラの食物繊維の特徴は、ねばねばの成分であるペクチンなどの水溶性のものが他の野菜よりも多いことがある。 ・不溶性の食物繊維も多い。 ・カロテンや葉酸、パントテン酸などのビタミンも豊富。 ※参考資料『山口米子,大滝緑(2005)野菜の効用事典 明治書院』
・β-カロテン、カルシウム、鉄分など日頃不足しがちな栄養を補うことが出来る。 ・ぬめりはペクチンという水溶性の食物繊維や様々な多糖類からできている。 ・ペクチンは整腸作用がある。 ※参考資料『ファイブ・ア・デイ協会(2006)野菜&果物図鑑126 新星出版社』
・独特の粘りの成分は、水溶性食物繊維のペクチンと精油トリテルペンなどを含むムチン質。 ・ペクチンは血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防し、便通を促す効果がある。 ・水溶性なので水に長くつけすぎたり、ゆですぎると効果が期待できなくなるので注意。 ※参考資料『主婦の友社(2016)からだに効く野菜の教科書 主婦の友社』