糖尿病のリスク要因

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 日本人と糖尿病
  2. ストレス
  3. 歯周病
  4. AGEs(終末糖化産物)
  5. 高血糖の記憶
  6. 腸内フローラ
  7. 多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス
  8. ネットニュースによる関連情報

ストレス

ストレスと各種病気との関わりの”糖尿病、アルツハイマー病”、””多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス参照。

歯周病

歯周病と長寿の関わりの”糖尿病と歯周病”参照

AGEs(終末糖化産物)

高血糖の記憶

高血糖の記憶とエピジェネティックスの”高血糖の記憶”参照

腸内フローラ

日本人と糖尿病

※日本人のインスリンの分泌の特徴については以下の記事参照。
インスリンの作用の”日本人のインスリンの分泌の特徴”

・40歳以上の3分の1の人は糖尿病予備軍。
・50年前の2型糖尿病の患者数は現在よりもずっと少なかった。体質よりも生活習慣、特に食事と運動が影響している。
 
※参考資料『山田悟(2015)糖質制限の真実 幻冬舎』

多目的コホート研究(JPHC Study)によるエビデンス

※多目的コホート研究(JPHC Study)とは?

●アジア人におけるBMIと糖尿病の関連
 
・バングラデシュ、中国、インド、日本、韓国、シンガポールおよび台湾の計18のコホート、90万人以上のアジア人を対象にして、体型の指標であるBMIと糖尿病の関連を調べた。
 
○全体の結果
・BMIが高くなると糖尿病リスクは上昇するが、年齢によって関係の強さに違いが見られる。痩せ型(BMI20.0-22.4)と肥満(BMI35.0以上)の間で糖尿病リスクは2.5~3倍の違いが見られた。
 
○年齢の影響
・年齢の若い階層ほどBMI-糖尿病リスク関係のスロープがきつくなっており、50歳未満の階層における斜度の高さは際立っている。
これについては次のようないくつかの説明が考えられる。
①若年における糖尿病の発病では遺伝的要因がより大きな働きをしていて、高いBMIとそうした遺伝的な要因の複合的効果がBMI-糖尿病リスク関係を強めている。
②急激な体重上昇は比較的若年において起こりやすいが、そうした急激な体重上昇は速やかな糖尿病発病につながりやすい。
③年齢と関係する他の要因(例えば運動や食事習慣)が影響しているのかもしれない。
④高齢の糖尿病患者においては、長い病歴により体重の減少が起きているケースが多く、統計的に観測されるBMI-糖尿病リスク関係を弱めているのかもしれない。

 

●米飯摂取と糖尿病との関連について
 
・米飯摂取と糖尿病発症との関連を調べた。
 
○結果
・女性では米飯摂取が多くなるほど糖尿病発症のリスクが上昇する傾向が認められた。摂取量が最も少ないグループに比べ1日3杯および1日4杯以上のグループでは糖尿病のリスクがそれぞれ1.48倍、1.65倍に上昇していた。さらに、米飯にあわ・ひえ・麦を混ぜない人に限って調べたところ、より強い関連がみられた。
 男性でも同様の傾向がみられたが、統計学的に有意なリスク上昇ではなかった。
・パンやめん類では糖尿病リスクとの関連は認められなかった。
・筋肉労働や激しいスポーツを1日1時間以上する人としない人に分けて調べたところ、米飯摂取により糖尿病のリスクが上昇する傾向は男女ともにそのような活動をしない人において認められたが、1日1時間以上する人ではみられなかった。
 
○推察
・今回の研究では、女性及び筋肉労働をしていない男性において、米飯摂取により糖尿病発症のリスクが上昇するという結果が得られた。
 その理由として、白米は精白の過程で糖尿病に予防的に働く食物繊維やマグネシウムが失われることや、食後の血糖上昇の指標であるグリセミックインデックスが高いことが挙げられる。
 筋肉労働や激しいスポーツを1日1時間以上しない人でのみ米飯摂取により糖尿病のリスクが上昇していたことから、身体活動量が高い人では米飯摂取が多くてもエネルギーの消費と摂取のバランスが保たれていることが考えられる。

ネットニュースによる関連情報

●シフト勤務で糖尿病のリスクが増加
 
・通常の就業時間の作業と比較し、シフト勤務は糖尿病のリスクが9%増加。更に性別、シフトスケジュール、BMI、糖尿病と身体活動レベルの家族歴などの影響を調整すると、このリスクは男性で37%まで上昇した。
・交代シフトは通常の睡眠・覚醒サイクルに適応することが難しくなる為、睡眠不足・質の悪い睡眠などのためインスリン抵抗性が促進されたり悪化したりすることが他の研究で示唆されている。
 また、男性ホルモンであるテストステロンの昼間のレベルが、体内時計によって制御されているため、それを繰り返し混乱させると影響が出てくる可能性がある。
・他の研究では、シフト作業により体重や食欲が増加するとしている。

 

●肥満、小胞体(ER)機能不全、2型糖尿病の関連
 
・肥満に関連する炎症
→一酸化窒素(NO)の生産を高める。
→NOは、IRE1と呼ばれる小胞体ストレス応答に関係する酵素を変化させる。
→小胞体ストレス応答が障害され、小胞体機能が低下。
→インスリン抵抗性と2型糖尿病につながる

 

●低AGEs食品でインスリン抵抗性が改善
 
・対象者をランダムに2群(高AGEs食、低AGEs食事)に分け1年かけて実験を実施したところ、両群とも開始時のインスリン抵抗性はほぼ同じ状態だったが、終了時には低AGEs食群はインスリン抵抗性が有意に改善されていた。わずかに体重も下がり、体内のAGEs濃度も低下していた。

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